行政魅力ある産業への道・特定技能制度とJASTI繊研,〔25・7・8(1)~11(4)〕
経済産業省が策定した繊維産業の監査要求事項・評価基準「JASTI」が広がりをみせている。監査は国内製造業に関わる人権尊重、職場環境整備という面から避けて通れない。定着に向けては、「監査が一巡する今年と来年が正念場になる」(日本繊維産業連盟)。国内製造の現場での労働力の確保は焦眉の課題。業界がより魅力ある産業になるために動き始めている。
素材海に溶けるプラスチック日経,〔25・7・1(19)
理化学研究所などの国際研究グループでは、石油を使用せずに生成し、海水中で分解する新たなプラスチック素材を開発した。海水に入れると数秒間で溶けて原料の食品添加物などに分解される。「マイクロプラスチック」と呼ばれる微粒子による海洋汚染を抑えられる可能性があり、既存のプラに代わる材料として注目を集めている。
加工生地の水分自動制御繊維ニュース,〔25・8・21(6)〕
繊維機械メーカーの京都マシナリーは、生地の染色・水洗後の乾燥工程で最適な乾き具合を実現する省エネ装置の提案を始めた。この装置は「MCUシリンダー乾燥用水分制御装置」(MCU)という名称。センサーで生地に含まれる水分量を計測し、乾燥に必要な熱蒸気量を計算、シリンダーに流す熱蒸気量を自動でコントロールする。これによって不必要な蒸気使用量を減らし、省エネ効果を生み出す。
アパレル「もうかる縫製業」作りを実証繊研,〔25・7・3(6)
ムーンレイカーズ・テクノロジーズは、東レ発のベンチャーで、高機能素材を使ったDtoC(消費者直販)ブランドの商品が即完売するなど人気を集めている。国内高速生産体制を敷き、見込みで商品を積んだりせず、需要を見極め適量発注することで、効率的な在庫管理を実現。工場には平均の1.5倍の工賃を支払い、発注量も安定させることで、縫製業の利益向上を目指している。
アパレル機能、サステイナブルで中国市場へ繊研,〔25・8・21 (1)〕
市況低迷が指摘される中国市場。ただ、規模としては依然として大きく、国内素材メーカーやコンバーターにとっては魅力的な存在だ。9 月に開かれる素材見本市のインターテキスタイル上海25年秋では、日系企業を含め約50社が出展。サステイナブルや機能性を軸に、現地法人の活用やQR対応といった強みを提案し、更なる販路開拓に挑む。
消費夏季の消費動向から見える市場変化コマースピック,〔25・8・6(w e b)〕
Shopify(ショッピファイ)の日本法人が2025年6 月から7 月末までの国内事業者の販売データを分析し、最新の消費トレンドを発表。気温上昇に伴い、通気性や着心地に優れた衣類カテゴリーが特に大幅な売上増加を記録した。例としては「ジョガーショーツ: 前期比+1398.4%の急増」や「ボーイショーツ(通気性の良い下着):前期比+615.9%の増加」がある。衣類関連は機能性重視の傾向が強く、暑さ対策や快適さを追求した商品への需要拡大が見て取れる。
流通衣料品世界最大手、全衣料の襟やラベルにICタグ繊研,〔25・7・1(1)〕
衣料品世界最大手のZARAは世界で販売する全ての衣料品に製造工場などの商品情報を記録できるICタグを縫い付ける。販売後も商品そのものに原材料情報を残せるため、修繕やリサイクルがしやすくなる。循環型経済を促す欧州の規制にも対応しやすくなり、将来的には国内外での衣料品の大量廃棄の抑制にもつながる。
健康・快適性空気で保温性調節できる新技術繊研,〔25・8・21(2)
ゴールドウインは、衣服内に空気を取り込み、その空気量を調整することで保温性を変えることのできる新たなテクノロジーを開発した。1 日の中で寒暖差が大きくなる登山やトレランといったアクティビティーでは、保温性が大きく異なる複数の衣服を1 着で代用することができる。
その他大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオンで未来のファッションを提案繊研,〔25・7・23(1)〕
大阪商工会議所と関西ファッション連合は9 月23~29日、大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンにてサステイナブルで未来に向けた繊維、ファッションを展示。関西の中小企業など17社がこれまでになかったような意欲的な新製品を企画している。「光合成する服」や生地に植物を植え付けて自然との共生する保湿性のある「モイストファイバー」など。