行政
海外展開対応の国内共通システム構築必要繊研,〔08・6・5(5)〕

経済産業省・中小企業基盤整備機構がまとめた「繊維産業情報化基盤策定調査」報告書によると、今後の情報化の方向性として(1)業務プロセス高度化のためのIT化(2)IT化の検討・普及を行う実効性のある体制の構築(3)海外展開にも対応可能な国内共通システム基盤の構築-の3本柱を提言した。

素材
きれいめナチュラル・09年春夏合繊婦人服地繊研,〔08・6・12(4)〕

09年春夏向け婦人服地は、洗練されたナチュラル感が強まっている。新素材で目立つのが、スラブ糸や杢調。天然繊維のリラックスした雰囲気を表現しながら、合繊らしい表情や機能性を打ち出した素材が主流である。東レは、シルキーな極細糸をもとに混繊した杢調のポリエステル「シルックMT」を開発、その糸を使った織・編物の表面にメタリックな輝きを持たせた。ユニチカサカイは新たに開発した極細ポリエステルのスラブ糸「ディラ」による薄地ニットを提案している。

加工
本藍デニム糸開発日繊,〔08・6・11(2)〕繊研,〔08・6・23(4)〕

蝶理は日清紡と共同で、本藍染めによる新しいデニム糸を開発し国内外に売り出す。“本藍中白”染めは蝶理がベンチャー企業と共同で7年がかりで完成させた。染色前の綿糸に特殊加工を施すことで、従来は難しかった本藍によるロープ染色“中白”デニムの工業化を実現した。糸は日清紡徳島工場で製造し、デニム生地販売は日清紡と蝶理が共同で行う。

アパレル
国内婦人服縫製業の受注上向き繊研,〔08・5・19(5)〕

日本アパレルソーイング工業組合連合会は、最近の国内婦人服縫製業の受注動向について、いくらか上向きつつあるが、加工賃は厳しく、実際に上向くかは今後の店頭販売にも影響されるとした。上向きの要因は、中国縫製のコスト上昇や内陸部への生産拠点移動に伴う納期遅れ・品質問題を背景に、大手アパレル企業が国内工場を安定的に確保する動きを強めているため。

アパレル
正念場を迎えた中国繊維・アパレル繊研,〔08・5・21(1)〕

中国の繊維・アパレル産業が正念場を迎えている。人民元レートの上昇、生産コストアップ要因をまともに受け、輸出に関する利益減を懸念する声も強い。逆風下で各企業が進めているのは、高付加価値製品へのシフト、国内販売の強化、海外への進出など。ただ、「中国の繊維、アパレル企業の発展にとって、今年はこの数十年で最も難しい1年になる」として、政策調整が行われているとの観測もでてきた。

流通
世界小売業07年度売上高日経MJ,〔08・7・4(11)〕

07年度の世界の小売りチェーン売上高ランキングで、好調な企業に共通しているのは新興国市場の開拓や価格訴求力の強さにあった。日本勢は5位のセブン&アイと7位のイオンの2社がトップテンに入った。

クリーニング
環境規制―最近の動向山本侑一,技術情報,38(2),〔03・5〕p8~10

2004年に一部改正された大気汚染法について、クリーニング業に関わる事項を解説した。この法改正では、VOCの発生量の多い施設に規制が行われた。クリーニング業は対象施設に指定されていない。しかしパークと石油系溶剤がVOCに該当するので、平成22年度までに30%の削減が努力目標になっている。特に石油系溶剤への対応が遅れており、ホットマシンや回収乾燥機の導入、脱液率の改善、水洗い比率の増加などの対策が必要である。

品質管理
繊産連「輸入繊維製品の品質ガイドライン」繊研,〔08・5・26(4)〕

日本繊維産業連盟の輸入繊維製品の品質ガイドライン検討会は、「輸入繊維製品の品質ガイドライン」を策定した。会員企業へ配布、ホームページに掲載する。昨年のカシミヤ製品の不適正表示を契機に、品質表示に万全を期す目的で、繊維関連企業が取り組むべき輸入繊維製品の品質管理の方策をまとめたもの。第1章:輸入繊維製品の製造・輸入実態について、第2章:品質管理に関する注意点について、第3章:過去に学ぶ問題点と改善点について─で構成されている。日本の関連法規と諸外国の法律やファッション製品の品質のとらえ方が異なっているなどに留意した諸対策が示されている。

その他
専門学校10校が新団体日繊,〔08・6・11(2)〕

目白デザイン専門学校や専門学校中央工学校など分野の異なる専門学校10校が連携し、新団体「専門学校コンソーシアムTokyo」を設立した。加盟校は強固な連携を強め、職業人教育を行う専門学校の有効性、優位性を高等学校や関連団体に認知を広め、出願率向上と学生確保を目指す。