行政
中企庁09年度地域資源プロジェクト決定繊研,〔09・5・2(2)〕

中小企業庁は09年度「地域資源∞全国展開プロジェクト」221件を決定した。全国の商工会・会議所が地域の事業者と一丸となって行う新商品開発などの地域発新事業展開を支援する取り組みで、繊維関連では5案件。
「繊維王国福井」(福井県・福井東商工会)「地域資源活用"売れる"販路開拓塾」(福井県・坂井市)「但馬ちりめんを活用した若者向け商品開発・販路開拓事業(兵庫県但馬商工会)「心に触れる新たな滞在型観光"米沢おかえりプロジェクト"(山形県・米沢商工会議所)「鯖江ブランド創造発信事業」(福井県鯖江市)。

素材
10年春夏テキスタイル繊研,〔09・4・15(1)〕

繊研新聞社のアンケート調査によると、10年春夏テキスタイルに必要なキーワードとして、「ナチュラル」が4年ぶり1位に返り咲いた。「エコロジー」と「エレガンス」が後退、「ビンテージ」が浮上するなど、全体にくつろぎや安らぎを求める傾向が強まった(関連記事7、12面に)。「機能」が上位に入るのは04年春夏以来。婦人服地が主対象の同調査では珍しいが、着心地の良さの追求、ものが売れない時代の差別化手段として注目される。

加工
製品に直接プリント繊研,〔09・3・24(2)〕

伊藤忠商事の事業会社インクマックスは、Tシャツなどの繊維製品に直接、プリントできるインクジェットプリンター「インクマックス・ソロ」を開発した。インクマックス・ソロは、インクマックスと三菱鉛筆が共同開発した直径約70nmの超微粒子ピグメントパウダーと特殊バインダーを分散させた「ユニ・カラー・フォー・テキスタイル・インク」を採用。水とエネルギーの消費量を大幅に削減できるうえ、白インクも加えた。これにより、抜染の代わりに、黒などの濃色に染まった製品に白インクで下地をつけ、直接プリントすることも可能となった。

アパレル
一変・ベトナムの対日生産繊研,〔09・3・10(1)〕

ベトナムのアパレル生産が転換点を迎えている。人件費の高騰、年々難しくなってきた労働力確保といった中国と同様の問題を抱えていたが、昨年秋から状況が一変した。対米輸出の不振で有力工場は、ロットの問題から敬遠しがちだった日本向けに関心を示し始め、昨年12月に発効した日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定も追い風になるとの声も強い。納期、素材の調達力、日本語人材など中国と比べて劣る部分は多いが、この間の状況変化は日本のアパレル企業にとって、プラスに働く可能性が大きい。

アパレル
中国有力アパレル、国内外で積極攻勢繊研,〔09・3・31(1)〕

中国の有力アパレル企業は、国内向けに新業態や新ブランドを打ち出すとともに、海外戦略を強めようとしている。北京で開かれたCHIC(中国国際服装服飾博覧会)では、ライフスタイル提案など、付加価値のある打ち出しが目立ち、大手企業は、政府の内需拡大政策でさらに成長が見込める、という見方が強い。厳しい環境をチャンスととらえ、海外戦略にも意欲を見せている。

アパレル
サイズが価値、カジュアル大手で進む見直し繊研,〔09・4・21(1)〕

カジュアルショップ、ブランドでサイズやパターンの見直しが進んでいる。最近の消費者はヤングから中高年までが「できるだけ細く見える」「太くてもきれいなシルエット」を求めている。これに対しブランドやショップは見た目の良さ、着心地感で、価格以上の価値で差別化しようというわけだ。特にボリュームゾーンのブランドでは、販売機会ロスや試着ストレスを減らす狙いもある。好きなフィット感を顧客が選べるようにしたり、腕周りの改良などで「迷わず賢く買う」消費を刺激する。

流通
燃える原宿、グローバルプレーヤーの激戦地繊研,〔09・4・28(1)〕

グローバルプレーヤーの激戦地、東京・原宿がヒートアップしている。24日にポイントがコレクトポイントを出店したのに続き、29日にはフォーエバー21がH&M隣に開業した。秋にはJR駅前にギャップが旗艦店を開くなど、早くも到来したかのような原宿の夏は長く続きそう。新店が開くたびに消費者は大はしゃぎするが、プレーヤーたちは冷静だ。

消費
品質管理を指導「匠チーム」発足朝日,〔09・4・12(7)〕

丸紅は、中国などの提携衣料品工場に品質管理などを指導する「匠チーム」を立ち上げ、アパレル業界出身者5人を日本で採用し、中国、上海、香港の現地法人に派遣。衣料品の低価格競争がすすんでおり、不良品を減らすことでコストを抑える狙い。丸紅は08年4月に中国とベトナムで150の工場に衣料品生産を委託していたが、非効率的工場との契約を打ち切り、3月までに92社に絞り込んだ。品質や工程管理を直接指導する。

品質管理
オーガニックコットン、認証を世界基準に転換繊研,〔09・3・18(2)〕

日本オーガニックコットン協会(JOCA)は、オーガニックコットン製品の認証基準を10年末までに、国際基準の「オーガニック繊維製品世界基準」(GOTS)に転換する。その背景としては、最近、国内市場で不正表示が問題化し、対応がJOCAに求められていた。一方、GOTS認証を取得する日本企業は58社に達している。両基準は、化学薬品使用項目に関してはほぼ同一であるが(1)GOTSではオーガニックコットン70%以上であるのに対し、JOCAは60%以上(2)GOTSは通常の栽培綿との混用を認めないが、JOCAでは特例として細番手糸を生産する場合、通常栽培の超長綿10%以内の使用を認めているなどの違いがある。

その他
外国人研修生制度改正へ、中小に厳しい現実繊研,〔09・3・18(1)〕

アパレル縫製業における外国人研修・技能実習生のあり方が大きな曲がり角にきている。1年目から労働関係法令の適用を柱とした入管法などの改正案が国会に提出、制度見直しが明確に。一方、急激な受注減で先行きの操業の見通しが立たない工場も多く、研修生の受け入れ減も拡大している。