行政
環境省と繊維ファッション企業、廃棄ゼロへ官民で連携繊研,〔21・4・22、23(2)〕

環境省と繊維ファッション関連企業11社は、「ファッションと環境に関する企業コンソーシアム」(仮称)を設立する。コンソーシアムでは「ファッションロス・ゼロ」と「50年カーボンニュートラル」実現へ向け、官民連携を強化する。ファッション産業の環境負荷20年についての調査結果では、廃棄された全衣類78.7万トンのうち、企業など事業所から出たものは2.7%であり、家庭からは75.1万トンと大半を占め、ごみとして廃棄(焼却・埋め立て)されたのは49.6万トン(66%)、リユースが15万トン、リサイクルが10.4万トン。

素材
編める極細銅線を開発繊維ニュース,〔21・4・16(19)〕

繊維商社のピーエルジェイインターナショナル(奈良県大和郡山市)がニット糸として使える極細銅線を開発した。試験期間で既に抗菌性を実証済みだが、中部衛生検査センター(静岡県島田市)で新型コロナの不活性化が確認された。銅線の編地上のウイルスが2時間で91.5%不活性化した。この極細銅線は「メタルラナ」の名称で販売する。111デシテックスで原料は銅80%と亜鉛20%。国内の協力工場が製造する。

加工
紫外線遮蔽加工マーク始動繊維ニュース,〔21・4・21(11)〕

機能加工・素材の性能を示す「SEKマーク」を認証している繊維評価技術協議会(繊技協)は、新たに「紫外線遮蔽加工SEKマーク」を創設した。このほど日清紡テキスタイルが認証第1号を取得した。同社はフルダル糸使い生地2点と酸化チタン加工生地1点の3素材でマークを取得した。統一した評価方法・基準による認証が具体的に始動したことで今後、紫外線遮蔽加工に対する信頼性が高まることが期待される。

アパレル
縫製地ベトナムの評価さらに高く繊研,〔21・3・23(9)〕

服飾副資材企業のアジア事業は、新型コロナ以前から中国一極集中リスクの見直しで、ベトナムを中心としたASEAN、南アジアへの緩やかなシフトが進んでいたが、新型コロナ禍ではベトナム政府の迅速な感染者抑え込みで縫製地としての評価はさらに高まっている。ベトナム国内での現地調達比率の底上げを狙った投資が増えそうだ。一方で各産業のベトナムシフトが進んでおり、エリアによっては人手不足が課題となり、製造業の合理化が求められている。

アパレル
東京ニット、SDGsが工業組合、採点基準つくり発信日経MJ,〔21・3・19(7)〕

東京ニットファッション工業組合は、SDGsへの対応を強化する。東京発ニットのブランディング事業「東京ニット」に参加する企業を対象に、達成度合いを自己採点で可視化する仕組みを設けた。社会全体でSDGsへの関心が高まる中、消費者や取引先に取り組みへの理解を深めてもらう狙いだ。

流通
レディス主力の専門店 子供服立ち上げ増える 繊研,〔21・4・7(1)〕

21年春は、レディス主力の専門店から子供服の新ブランド・新ラインの立ち上げが活発だ。ベビー、キッズ、ローティーンなど様々ある。以前から客の強い要望があり、既に販売していた子供服の好調ぶりなどが開発の主な理由。新型コロナ下で子供と過ごす時間が増え、売り手・買い手ともに子供服自体を見直したことも影響している。

流通
異業種販路で魅力 繊研,〔21・4・1(1)〕

住宅展示場やカフェ、美容室-これまでとは一味変わったアパレル販路に目をつけ、新たな可能性を探る動きが目立ってきた。既存の流通には物があふれ埋もれやすいが、異業種なら新鮮に見せられる。業界内からは魅力が薄れたとも言われがちなファッションも、異業種にとってはまだまだ魅力的なコンテンツに映るようだ。

消費
注目高まるアップサイクル、余剰在庫や不用品を価値あるものへ繊研,〔21・3・24(1)〕

繊維・ファッション業界でアップサイクルが注目されている。たんすに眠る服や余剰在庫をクリエイションと技術力で生まれ変わらせる。ファッション産業らしい循環型社会の取り組みだ。消費者の環境への意識の向上やカスタマイズ・オンリーワンに価値を見いだす傾向にも応え、新品を作って売るだけではない、新しい提案として広がりそうだ。

品質管理
日本初のTE認証機関に繊維ニュース,〔21・3・19(2)〕

ケケン試験認証センター(ケケン)は、動物福祉や人権、環境保全などに配慮しているエシカル(倫理的)な繊維製品を認証するテキスタイル・エクスチェンジ(TE)の認証機関に認定された。日本では初めて。ケケンが対象とする認証規格はTEがスキームオーナーである五つ。リサイクルコンテンツ基準(RCS)、オーガニックコンテンツ基準(OCS)、動物福祉、環境基準をクリアした羊毛のコンテンツ認証基準(RWS)など。