行政
衣類国内生産18年さらに減繊研,〔19・5・16(1)〕

経済産業省の生産動態統計で、日本国内の衣類の生産量は、17年に1億点を割り、18年も前年比2.8%減少した。その結果、輸入浸透率は97.7%(前年は97.6%)と過去最高を更新した。輸入は、中国が2.6%減だが、チャイナプラスワン勢からが増大している。

素材
植物由来ファスナー発売繊維ニュース,〔19・6・12(7)〕

YKKは6月から、環境に配慮した商品として植物由来ファスナー「グリーンライズ」の販売を開始した。これはファスナーの主材料であるポリエステルを従来の化石燃料由来から、植物由来へと置き換えることで、化石燃料使用量の削減、製品サイクル上のCO2排出量の減少を実現する。使用する植物由来ポリエステルは砂糖生産過程で発生する副産物(廃糖蜜)由来であり、資源の有効利用につながる。

加工
"業界最高水準"の消臭、防汚繊維ニュース,〔19・5・20(2)〕

クラボウは、"業界最高水準"の性能をうたう消臭加工「ストロングデオ」と防汚加工「ソイルスウィーブ」を開発した。ストロングデオは汗臭の原因物質であるアンモニア、酢酸、イソ吉草酸に対して高い消臭機能を発揮する。綿織物、ポリエステル綿混織物いずれにも加工可能。一方、ソイルスィーブは油性汚れと水性汚れ両方に対してSG性とSR性機能を両立した防汚加工。工業洗濯50回後でも機能が持続する耐久性も確認した。

アパレル
厳しいアパレル商況"無駄な物はつくらない"繊研,〔19・5・24(1)〕

日本繊維輸入組合によると18年の国内の衣料供給量は前年比3.4%増の約39億2200万点だった。国内のアパレル市況は厳しく、ブランド廃止や店舗閉鎖は続くのに供給量は増えている。アパレル製品の供給過剰、大量処分が克服すべき課題で、商社やOEM(相手先ランドによる生産)企業のトップからは「大量生産、大量消費はすでに過去。無駄な物を作ってはいけない」との発言が頻繁に聞かれるようになった。

アパレル
真のスマートファクトリー実用へ繊研,〔19・6・11(1)〕

マスカスタマイゼーション(個々の客の要望に応じながら大量生産すること)への関心が高まるなかで、それを実現する仕組み作り、対応する機械の開発が急速に進んでいる。在庫を持たず、物を作りすぎないことはサスティナブル(持続可能な)という世界的な潮流にも合致する。また、人手不足や人件費の上昇で、長期的に見れば労働集約的な縫製業の先行きは厳しく、自動化・脱技能の追求も進んでいる。

流通
キャンペーン白熱のスマホ決済サービス繊研,〔19・5・20(3)〕

キャッシュレス化の潮流に乗ろうと、スマートフォン決済サービスが続々と誕生している。ユーザーや加盟店を獲得するための大型キャンペーンも活発で、アパレルや雑貨でも対応店舗が増えてきた。「浸透には時間がかかる」(各社)とみられるが、データ活用や販売機会ロスの削減など期待できるメリットは多く、積極的に導入する企業が増えそうだ。

流通
半年先の売れ筋、AIで日経MJ,〔19・6・5(9)〕

イオン系のカジュアル衣料品店「コックス」はAIを活用した「生産改革」を進める。画像などを解析し、半年後に人気の高まる色や商品を予測。人間の判断も加味し、19年秋冬向けから商品生産に生かす。ユニクロもAIを使った需要予測に乗り出した。人の感覚や経験に頼りがちだが、「ファッションテック」で数値化することで需給の乖離をなくすことを狙う。

消費
20年春卒業予定者のファッション意識繊研,〔19・6・27(7)〕

繊研新聞社がファッション専門学校の20年春卒業予定者を対象に「ファッション意識調査」を行った(回答者数1303人)。好きなブランドではデザイナー系ブランドの人気が継続、よく買うブランドでは有力SPAに交じり、カジュアルが台頭している。買う場所ではネットショップが初めて1位になり、学生の購買行動の変化がうかがえる結果となった。

健康・快適性
繊維(テキスタイル)製品の「着心地」を数値化するには西松豊典繊学誌,75(6)〔19・6〕p313~318

官能検査の手法、繊維(テキスタイル)製品の「着心地」を官能検査する方法、スーツやスポーツウェアの着心地の評価結果とヒトの生理的機能量との相関関係について述べる。

その他
外国人の労働者の採用検討3割日経MJ,〔19・5・13(11)〕

日本総合研究所の外国人採用の調査で、3割超の企業が単純労働分野で新規に外国人の採用を検討していることが明らかになった。政府が進める外国人の受け入れ拡大にも賛同する声が多く、人手不足解消への期待が高い。ただ外食やアパレルなど一部の職種の賃金で日本が韓国を下回る状況も生じている。世界で労働力を取り合う状況も出てきた。