行政
政府、小売りの国際展開支援日経,〔10・8・18(5)〕

政府はスーパーなど小売各社の東南アジア進出を後押しする。11年以降に始まる経済連携協定(EPA)の改定交渉で、外国企業を対象とした出資規制や店舗面積規制の撤廃・緩和を求める。日本市場が伸び悩んでいるため、東南アジアで台頭している中間層の需要開拓を促す。

規格関連
企業の社会的責任明確化-ISOが新規格案日経,〔10・9・3(1)〕

国際標準化機構(ISO)は、2004年から検討してきた企業などの社会的責任に関する国際規格の最終案をまとめ、全加盟国に通知した。新規格は11月に発効予定で、従来は曖昧だった「社会的責任」の概念について「法令順守」や「倫理的行動」など7原則を提示。新規格の名称は「ISO26000」。企業だけでなく、公的機関、NPOなどが対象となる。

素材
機(はた)・資料館Cleaning News,55(8),〔10・8〕p32~38

八王子駅近くにある織機とネクタイの資料館。8枚の写真により紹介された。この資料館は、成和(株)により、自社の工場敷地内に設置された。同社はネクタイを中心としたテキスタイル事業を扱い、八王子の養蚕と絹織物の産地の一環であった。これら伝統的な産業に使われた機器を収集し、さらに最近のコンピューター制御のジャカード機も加え、織機は古い座繰り織機から新鋭機まで揃えた。ほかに製糸の機器が多く、ネクタイのデザイン画、テキスタイルの資料集も閲覧できる。開館は不定期なので、予約が必要(0426-44-5233)

アパレル
中国、韓国に遅れを取る日本アパレル工業,〔10・8・1(1)〕

多くの産業分野で日本の「出遅れ」が指摘されている。ファッション・アパレルの分野でも国家・業界レベルでの遅れが顕著になってきたようだ。例えば中国が膨大な内需を背景に、サイズなど地味な技術の分野でもISO(国際標準化機構)のサイズ部会が上海で開催された。これは中国が開催国に名乗り出る形で実現したものであり、国際的な発言力を強化するのが狙いのようだ。また韓国はソウルに壮大なファッション発信基地構想を打ち出すなど、国を挙げての取り組みが目立つ。

アパレル
中国アパレル生産・生産ひっ迫 納期遅れ深刻繊研,〔10・8・4(1)〕

中国のアパレル生産は旺盛な内需向けにシフトする一方、日本向け輸出はコストアップを吸収する円高メリットが大きくなっている。日本の店頭売り上げの回復で対日OEM(相手先ブランドによる生産)は今秋冬物から増産に転じたが、内需拡大や労働力不足、工場の淘汰・集中で生産能力がひっ迫し、一部で納期遅れや不良率が上昇している。来シーズンの輸出物の値決め交渉で難航も予想され、長期的に沿岸部は、中高級品生産基地としての位置づけと活用が求められている。

流通
専門店の10年 SC拡大がSPA化促進繊研,〔10・8・30(1)〕

繊研新聞社が毎年実施している衣料専門店ランキング調査のデータを分析すると、この10年は、大型SCの拡大とともに専門店の店舗数も増加。総売り場面積が拡大する中、多くの専門店で販売効率が悪化し、販売管理費率は上昇した。低い販売効率でも収益を確保するために、粗利益率向上が欠かせない課題となり、一層のSPA(製造小売業)化が促進された。ただ、高まる経費増にやむなくSPA化した小売業よりも、自社でリスクを持って全体をコントロールしながら経費を低く抑えた企業に成長企業が多い。

クリーニング
クリーニング店頭預かり中のガス退色Pandora,11(3),〔10・8〕p10~11

クリーニング店からアノラックを受け取ったところ、斜めに褪色が見られ、とくに裾部分は顕著であった。原因は、保管中のガス褪色と思われる。このケースでは、ポリ袋に入れて4か月保管しており、ポリ袋の内側に湿気がこもり、高温多湿条件になったので、NOxガスによる分散染料の分解が進んだ。このクリーニング店は自動車の排気ガスが流入しやすい路面店であり、保管時期も夏であったため、染料の分解条件が揃ったと考えられる。酸化窒素ガスはポリ袋を透過するので、注意が必要である。

消費
エコバッグの機能テスト デザインより、持ち運び便利さに重点消費経済,〔10・8・9(5)〕

さまざまなエコバッグが販売されているなか、静岡県環境衛生科学研究所では、エコバッグの商品選択に役立てるためエコバッグの引っ張り強度や防水性、摩擦による色落ちなどの性質について商品ごとに比較し、その特徴を調べた。またアンケート調査によりエコバッグ利用者は、90%以上と多く、商品の選択については、「デザイン」や「金額」よりも「持ち運びの便利さ」や「丈夫さ」に重点を置いていることが分かった。

クレーム
縫製トラブルと対策針アパレル工業,〔10・8・1(2)〕

ミシン針が高温になるために生じる地糸切れの対策を示している。縫製中のミシン針の温度は、縫製開始から5~10秒後に最高温度に達し、その後は一定となる。針の温度上昇は針と生地との摩擦で発熱し、一定温度になるのは発熱と放熱のバランスがとれることによる。熱的要因の地糸切れ対策としては、(1)細い針を使用する、(2)HPコーティング針を使用する、などが考えられる。後者のHPコーティング針は針表面に微細な凸凹を施し、空気に接触する針表面積を広げ、放熱量を増加させたもので、ミシン針の温度上昇を抑える効果がある。

品質管理
広がり多様化する産学連携繊研,〔10・8・12(7)〕

服飾専門学校と企業などが共同で、新しい企画や商品の開発に取り組む産学連携の動きが活発だ。厳しい経済環境下で、即戦力となる人材の供給を求められて実践的な教育を重視する傾向にある専門学校と、若い新しい発想を取り入れて活性化を図りたい企業の思いが背景にある。