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| 重衣料からニットへの転換 L,Sサイズ中心の商品戦略 「もともとコート、ジャケットなど重衣料を手がけて1951年に創業した会社ですが、15年ほど前にカットソーやTシャツ、布帛のブラウス、ジャケットなどを始めて、現在では80%がブラウス、シャツ、Tシャツです。軽衣料を始めた当初は、使うミシンもそのままでしたので、仕上がりが"固い""重たい"とずいぶん指摘されました。 重衣料の縫製をしていたのでしょうね。そこでミシンを替えたら、だんだん評価も高くなり、今では、あかぬけした商品と評価を頂き、全国の百貨店や量販店にご購入いただけるようになりました」と同社生産部部長の横山正さん。 同社は、名古屋市黄金町の本社に企画部門があり、工場が愛知県の蟹江町、物流センターが岐阜県の平田町にある。自社で企画から制作・販売を行い、主なブランドは、リリアンビューティ、ピサーノ、Lat、フィットミーモア、ミゼール、ニッコール…など、布帛の感覚を持ったニットシャツ等の独自の感性が特徴である。 商品の特徴は、百貨店で販売する高めのグレードの商品を扱うことにあるが、さらに、レギュラーサイズ展開が一般的な中で、Sサイズ、Lサイズを中心にイレギュラーサイズ展開をしていることにある。その意味では、中部地区のみならず、全国的に知られた会社でもある。伺った蟹江工場は直営工場で、ここに約45名の縫製班と30名の裁断・仕上げ班がある。 縮絨機の導入で高品質を実現 中国から国内への生産回帰も 同社もご他聞にもれず中国生産も手がけている。しかし、本社のデザイナーがデザインする商品は、カットソー、Tシャツ、ブラウスといっても一味違った難素材やややこしい加工をするものが多い。中国工場で生産が難しいために国内工場で作らざるを得ない、そんな商品も直営の工場に来る。 「Tシャツやブラウスを手がけて気づいたことが2つありました。ひとつは生地の変化、一つは油汚れです」と横山さん。 切り替えた当初、販売した商品にお客様からクレームが来る。"一度洗濯したら生地が縮んで着られなくなった"。重衣料の時にはそんなクレームがなかった。調べてみると、カットソーやブラウスの薄い生地は洗濯することで大きく収縮することがわかった。「すぐに対策をしなければ…ということで、工場に縮絨機を導入、以来、全素材を縮絨機にかけ、生地を安定させてから縫製を行うことにしました」(同)。10年前のことである。 もう一つが油汚れである。特にシャツやブラウスは春夏商品で、色が淡いものが多い。重衣料では気にならなかった油の飛沫が、目立つようになって、その手直しに時間をとられるようになったのである。 セミドライ1本針本縫ミシンの導入 油汚れの解消で生産性が向上 当然、ミシンのメンテナンスを徹底し、油が飛ばないように細心の注意をしたが、なかなか改善されない。そこで、導入したのが、セミドライヘッドのダイレクトドライブ高速本縫自動糸切りミシン(DDL-9000A)である。10台を導入した。 「きっかけはミシン屋さんからの紹介。油汚れ対策をいろいろとやっていましたが、これを入れるといいと紹介されたのがこのミシンでした」と横山さん。「普通のミシン屋さんは、いいことばかり言っておだてるのですが、阪尾さんは辛口の意見で、いつもまずいところを指摘される。多くの工場を見ている人の意見だから参考になります」と横山さん。傍らで、㈱阪尾の阪尾真治さんは「縫製班を担当する北村係長さんをはじめ、技術力が非常に高く、たいていのメンテナンスはご自分にやってしまうので、新しい情報を提供するくらいしか私の出番はないのです」と苦笑い。 「DDL-9000は、薄物でも低押え圧で縫詰まりしませんし、微量押えのコントロールが可能で、メンテナンスも非常に楽になった」と縫製班担当の北村係長さんの評価も高い。 国内回帰も視野に入れて 高品質に高生産性をめざす 生産性を考えて建設された工場は柱なしの丸屋根。工場もかつては3-4倍の人員で生産に追われていたが、現在は規模を縮小し、高品質商品へのシフトが進む。 かつては設備担当の技術者がいて、独自に装置やアタッチメントを開発して外販などもしていたというくらい技術力は定評があり、今後の課題は、一層の低コスト化という。 「中国生産は、何かあったときに航空便で送ったりすることがあり、コストを比較すると、国内生産とそれほど差はありません。品質、QRなどを考えると、国内生産のメリットもあり、今後は国内回帰も視野にいれて、そのための一層の品質と生産性の向上をめざしたい」(横山さん)。 高い技術力を生かそうと、いまMF-7823高速シリンダーベッド3本針両面飾り縫ミシンMF-7823を導入して、新しい生産に挑戦中。 この積極的な姿勢が、同社の高い技術力を支えている。
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