JUKI Magazine PageNavigation

JUKI Magazine Contents

世界へ日本ジーンズの挑戦
「生産工場である限り、生産性向上は必須」
グループ工場が刺激し合えば
ノウハウを蓄積できる
世界に向けて日本のジーンズをアピールするには、アパレル工場の技術力向上が不可欠である。エドウイングループの秋田地区にある関連工場20社はノウハウを共有し、縫製技術の高度化を進めている。その中心的な存在が五城目にある秋田ホーセ(株)である。
 
株式会社 エドウイン 生産管理課ヘッド
小泉 澄雄さん
秋田ホーセ株式会社 取締役工場長
畠山 一雄さん
「なぜ日本のジーンズが世界的に高く評価されているのか、世界一のデニム素材と世界一のミシン設備、それに世界一の縫製技術があれば評価されて当然と思います。」と、(株)エドウイン生産管理課ヘッド小泉澄雄さん。 「エドウインの東北地区の工場が御互いに刺激しあいながら競争で工夫し、そのノウハウを共有する。それが工場を活性化させる力になっています」秋田ホーセ(株)取締役工場長畠山一雄さん。
「なぜ日本のジーンズが世界的に高く評価されているのか、世界一のデニム素材と世界一のミシン設備、それに世界一の縫製技術があれば評価されて当然と思います。」と、(株)エドウイン生産管理課ヘッド小泉澄雄さん。 「エドウインの東北地区の工場が御互いに刺激しあいながら競争で工夫し、そのノウハウを共有する。それが工場を活性化させる力になっています」秋田ホーセ(株)取締役工場長畠山一雄さん。
ジーンズ業界活性化のカギは
縫製工場の育成にあり


 「日本発のジーンズファッションを世界にアピールするにあたって、最大の課題になるのが、ものづくりを担当する縫製工場の存在で、ここを育成することが重要」と㈱エドウイン生産管理課ヘッド小泉澄雄さん。
 過去、十年ほどの間に国内の縫製工場をめぐる環境は一変した。多くの工場が中国に進出したが、同時に国内での生産を中止した工場も少なくない。ファッション産業の活性化には、アパレル工場の活性化が不可欠だが、ファッション産業の上流から下流までのサプライチェーンの最大の課題は、最も重要なものづくりを担当する縫製工場が最も規模が小さく、不安定だということにある。
 上流の素材、下流の企画・販売には大きな資本が存在するが、中間で肝心の生産・加工を担当する縫製工場はほとんどが弱小企業。育成には前後の協力が不可欠なのだが、一般の縫製工場は支援を得られずにコストをたたかれて四苦八苦しているのが現状である。そんななかで、縫製工場を育成しようと力を入れているのが、エドウイングループである。


自社工場、協力工場が集まって
ジーンズ交流会を毎月開催


 東北地区はエドウインのジーンズ生産の一大基地である。
 自社工場が12、協力工場が5、洗い加工の工場が3、合計20の工場が北東北(秋田・青森・宮城)に集積する。エドウイン本社の強い指導とバックアップを受けて、それぞれ高い技術力が自慢だが、そうした技術を持った工場が集まり、交流会で情報交換、ノウハウの共有を行っているのだ。強さの上に、さらに先端を目指すエドウイン・ジーンズの強さはこんなところから生まれている。
 工場の交流会はどのように生まれたのか。
 「かつてグループの各工場は、それぞれが個別に本社とつながっていました。ときどき工場同士が話しをする程度でしたが、あるとき、一度みんなで雑談でもいいから情報を交換しようということになった。『いつも言われているばかりの本社に、一度みんなでガツンと言ってやろう!』そんな気持ちもありました。」と秋田ホーセ取締役工場長の畠山一雄さん。
 ところが話し合ってみると御互いに色々な工夫があって、非常に勉強になる。そこで本社の意図をどう社員に伝えるかなども御互いに話し合うようになり、本社に「ガツンと言う」よりも、自分たちの努力が足りないということに次第に気づき、「自分たちで何とかしなければならないという気になってきました」と畠山さん。瓢箪からコマである。


自社工場のメリットを生かす
交流会にはノウハウが詰まっている


 直営工場としての恵まれた立場を見直したということもある。
 例えば、近くに出来たショッピングセンターに転職した社員が、パートで勤務時間が不定、産休はない…などで、戻りたいと言ってきたりすることで、改めてそうした制度を用意している会社の魅力に気づき、社員もあらためて、本社の努力を知ったなどがある。
 以来、工場の考え方が変化する。「直営なので、仕事の有無は気にしなくていい。しかし、それに甘えていると、仕事はもらえなくなる。工場にとって、品質を上げ、コストを下げることが重要。グループ工場が御互いに負けないように工夫をするようになった。」(畠山さん)。
 いい意味での競争心である。それ以降、工夫を積極的に他の工場に公開し、また御互いに教えあうようになり、交流会が御互いを刺激しあう場になってきた。


エドウインから変化が始まる
基本は本社とのコミュニケーション


 「エドウイングループの特徴は、本社と工場のいい関係にある」と小泉澄雄さん。
 エドウイン商事の新人研修では、縫製工場と洗い加工工場で1.5ヶ月間ずつ、計3ヶ月を秋田で実習する。その間、現場の責任者にしっかりと鍛えられる。その新人がやがて本社に戻って工場との間で仕事をすることになるのだが、実習の間に培った関係が大いに役立つ。本社-工場間のコミュニケーションは抜群である。
 「常に半歩進んだ工場にしたいと思っているのですが、時々、小林専務(エドウイン小林専務:P.2参照)はそれでは物足りなくなって、設備の工夫などで、一気に2歩進めるような提案をしたりする。それが出来てしまうのがウチの工場なんです。」と小泉さんが語れば、畠山さんは「自社工場と言うことで、かなり無理なことや強いことを求められますが、いつもやれば出来てしまう。設備投資も先回りでしてもらえるし、工場としてもそのおかげで進歩することになります」と御互いの呼吸も見事にあっている。
 「ジーンズの世界でも、エドウインから新しい変化を始めたいし、そういう新しい仕事をどこの工場もやらせてほしいと思っています」(畠山さん)。
 各工場は、本社から新しいサンプルをやらせてもらえるように、競って技術力を高めようとする。絶妙な仲間とライバルの関係…それを支えているのが本社の強力なバックアップだということがよくわかる。
設備には高品質と高い生産性を実現するためのさまざまな独自の工夫がなされている。
自社製のスタッカー
自社製のスタッカー
送り出し腕型2本針2重環縫ミシンMS-1261
送り出し腕型2本針2重環縫ミシンMS-1261
フラットシーマUnion Special3580
フラットシーマUnion Special3580
縫うにしたがって素材をくるっとまわす。回しやすいように、テーブルを丸くカットした。
縫うにしたがって素材をくるっとまわす。回しやすいように、テーブルを丸くカットした。

JUKI Magazine PageNavigation