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世界へ日本ジーンズの挑戦
産地の枠を超えて世界に日本発の提案を
素材~商品まで一級の商品を生む力が日本にある
若者のみならずファッションを語る上で欠くことができない存在になったジーンズ。素材から完成品まで一級の商品を生み出す日本の力が世界から高く評価されているという。今後、世界をめざすために何が必要か、日本ジーンズの戦略を伺った。
 
株式会社 エドウイン 専務取締役
小林 道和さん
「産地振興という狭いレベルでなく、全日本のサプライチェ―ンを統合して世界に新しい提案をしたい」㈱エドウイン専務取締役 小林道和さん
「産地振興という狭いレベルでなく、全日本のサプライチェ―ンを統合して世界に新しい提案をしたい」㈱エドウイン専務取締役 小林道和さん
世界のバイヤーが注目する
日本のジーンズファッション


 「ファッションに限らず日本人は海外崇拝が強いのですが、実は日本の若者ファッションは世界からも注目されています。例えば原宿や青山で新しいジーンズが店頭に並ぶと、数日後には、中国やアメリカの工場でテーブルの上に置かれています。」
 とおっしゃるのは㈱エドウインの専務取締役小林道和さん。ジーンズについて聞くならこの人といわれる第一人者である。
 原宿を中心とした若者のストリートファッションは、いまや世界のデザイナーやバイヤーから注目の的だ。ものづくりを担う国内の工場にとって、"世界一高い人件費"は厳しい現実だが、収入を得る立場の人にとっては大きな利点である。25歳以下で、ファッションに月に5~6万円が出費できる消費者は日本をおいて世界にない。この余裕が多様なファッションを生む源泉になっているのだ。
 中国に取材で行くたびに、アパレル会社の社長からも「年に何度か日本にも行き、シーズンごとに原宿でファッションを調査してくる」という話しをよく聞く。


商品や消費者を知らない
日本人


 日本のファッションが世界的にそうした状態にあるということをほとんどの消費者は知らない。いや消費者だけでなく、そのことを正しく認識している作り手も少ないのではないか…というのが小林さんの気になるところだ。
 「安いものには安い理由があり、高いものには高い理由があります。それをきちんと消費者に伝える必要があるのですが、そのことを理解できない作り手もいます。
 加工する前に生地を安定させるために縮絨機を使いますが、なかには『縮絨機をきちんと使うと生地が14~15%縮小して損をするから調整して使う』と公言する人もいます。作り手が理解していないのですから、消費者が正しい評価が出来ないのは当然です。デニムは素材から勉強すると、大変に興味深いものなのですがそれを知らない人が多すぎます。
 パリコレでも、ミラノコレでも、参加するデザイナーはよく勉強しています。ところが日本では、商品を企画・提案しながら、案外消費者や素材のことを知らない。ジーンズについても、提供する側が素材や商品の特徴、消費者をよく知り、企画を提案しなければならないのですが、それがおろそかになっている部分がある」と小林さん。
 日本のファッションが世界に出られないのには、そうしたことがあるのかもしれない。


世界に誇れる
日本の技術力


 ジーンズファッションが注目されているといっても、消費者は若者だけではない。
 「これまでは若者用にA体のジーンズしか作ってきませんでしたが、ジーンズがこれだけ普及した今後は、さまざまな体型に合わせたジーンズと売り場を提案していかなければダメです。
 最近は、スーツの代わりにジャケットを着用し、ボトムにジーンズというのが流れになっていますが、これまで中高年層が着られるジーンズが提案されていませんでした。今後は、メンズコーナーを活性化するジーンズの提案が必要ですね。ジーンズメーカーとしてもっと可能性を広げる努力が今後重要になります」。
 「日本のジーンズは、紡績を含めて素材から素晴らしいものがあり、世界的にも高い評価を得ています。最近デニムは中南米やアジアの国々でもたくさん作られていますが、品質だけでなく、紡績・染色・加工のプロセスの環境基準も含めて、日本の技術力は高く、縫製技術も欧米から高い評価を受けています。こうした技術力をうまく生かせば世界に誇れるジーンズを提案できるはずです」と小林さん。


世界に向けて
新しい日本発の提案を


 昨年4月、それまでの日本ジーンズメーカー協議会は「日本ジーンズ協議会」へと改組した。これは、メーカーに限らず、素材から洗い加工・企画・縫製・副資材・小売までの全プロセスが垂直連携しようというねらいだ。
 「素晴らしい素材があり、さらに日本でしか出来ない縫製技術があります。産地振興という狭いレベルでなく、全日本のサプライチェ―ンを統合して力を合わせれば、世界に新しい提案が出来るはず。」と国内活性化だけでなく海外展開の戦略も視野に入れている。世界に向けて動き出したジーンズ業界、しばらく目が離せない。
株式会社 エドウイン
株式会社 エドウイン
株式会社 エドウイン
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株式会社 エドウイン
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