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ダイレクトドライブ高速本縫自動糸切りミシン
DDL-9000A
 
「設備が変われば、モチベーションが変わる」
最新の設備導入で工場の雰囲気が前向きに
 
1927年創業の歴史のあるスーツの既製服を作る工場が経営危機に陥り、建て直しを期待されたOBの努力で、オーダースーツづくりに切り替えて活気が戻ってきたという。最新設備の導入で、社内の雰囲気も前向きに変わった…。
 
中央繊維興業株式会社 経営企画室室長代理 真柄義信さん
「思い切って新しい設備を導入したら社員の気持ちも明るくなり、雰囲気も積極的で前向きになってきました」と経営企画室室長代理の真柄義信さん。
「思い切って新しい設備を導入したら社員の気持ちも明るくなり、雰囲気も積極的で前向きになってきました」と経営企画室室長代理の真柄義信さん。
工場閉鎖の危機を救ったOB
既製服からオーダーへの転換


 昭和2年創業のスーツ業界ではよく知られた歴史ある工場が閉鎖する…そんな危機に、相談を受けたOBたちが立ち上がり、工場再生のスタートが切られた。平成18年9月のことである。
 同社の親会社の事業再編の一環として連結子会社であった中央繊維興業株式会社を解散するという話が生まれた。その際、社員たちがOBに支援を求めて、同社の資産をOBの中川氏が率いる衣料生産企画販売会社ビルモーガン社が引き受け、20数年前に退職していた真柄さんらOBが再スタートをサポートすることになった。
 もともと既製服を手がけていた同社は、最盛期には400人でスーツを三越、伊勢丹…などに卸す高級ブランドメーカーとしても知られる工場であった。その後、スーツ業界の厳しい競争のなかで1997年に事業の改革を図り、既製服からパターンオーダー、イージーオーダーへと服作りを転換してきた。
 「既製服を作っていた当時は、企画・生地を手配し、生産・販売して売上が入ってくるのは1年後…という状態で、忙しいのになぜか経営は苦しいということになる。資金繰りが大変な負担になるのですね。そんな状態を打破しようと既製服作りからパターンオーダーへの転換でしたが、これは成功しました」(真柄さん)。


下請け製造加工から自立を目指す
路線は“ちょっとハイグレード”


 今回、社長の中川さんや真柄さんが目指したのは、高級パターンオーダースーツへの転換である。「この会社では、スーツを作り始めて80年の歴史があります。その間に蓄積してきた技術は素晴らしいものがあります。その技術を生かすためにどうしたらいいか。結論は、加工下請けではなく自立するということでした」と真柄さん。
 こうして同社は縫製工場から、アパレル企画・製造・販売会社へと歩み始めたわけだが、ことはそう簡単ではない。消費者を対象にした“販売”を手がけるのは、新しい事業を立ち上げるに等しい。
 同社はあえてこの道を選択し、地元の春日部市を始め、神田、札幌、仙台にスーツ、ジャケットからシャツ、レディスもそろえた直営ショップ「Port店」を展開してきた。その成果も徐々に見え始めている。
 そしてもう一つ、「アパレル工場を経営する上で最大の課題は、閑散期をどう乗り切るか。1年の8~9カ月間は十分な仕事があります。問題は残りの3~4カ月間です。ここをどうしのぐかが勝負どころ」(真柄さん)。
 その対策として、当社が選んだのは、

・ハイグレードな製品を基本にしながら、
・残った時間に合わせて既製服を入れていくという作戦であった。


セミドライ1本針本縫ミシンなど
積極的な設備導入で前向きな姿勢に


 モノづくりの技術は、十分にあるのだから、もっと自信を持って前向きな姿勢を従業員に持ってほしい…とそのために中川社長が打った手が、思い切った設備の導入であった。
 手始めに米国ガーバー社の最新のCAMを設置し思い切ってボイラーを最新式に替え、さらにミシンも最新式のものを導入しました。例えば、DDL-9000Aダイレクトドライブ高速本縫自動糸切りミシンです。DDL-8700も20台導入。他にも、電子ハンドステッチマシンFLS-350NA、高速電子サイクルマシンAMS-205C、筒型1本針本縫上下送りミシDSU-142-7…など、最新の設備を導入し、高品質な服作りをめざす体制を作りました」(同)。
 毎分5000回転という高速でありながら縫いの安定したDDL-9000など、使い勝手の良さに社員の皆さんも気分を一新。「長く設備の更新をしていなかったので、久しぶりの新設備に社員が会社の意気込みを感じてくれたようで、仕事に対する気持ちも前向きに変わってきました」と真柄さん。
 工場閉鎖などのうわさに重苦しい雰囲気が続いていた社内に笑い声も聞こえるようになった。


素材は着買いで高いグレードを維持
若い社員が集まるようになった


 ちょっとハイグレードなスーツ…は、自社販売だけでなく、セレクトショップなどへの提案のテーマである。そのためにイタリア製、英国製の生地を使い、見返しやお台場にピンポイントステッチを加えるなど手をかけて工程数も標準の10%ほど多いグレードをあげた服を提案する。ボタンや裏地にこだわりを見せるなどで高級志向のサラリーマン層や若手をターゲットにしたものだ。
 オーダーはもちろん、既製服といってもハイグレードな製品作りである以上、ロットは小さい。そんな中で高級生地を用意するために真柄さんたちは生地の着買いもする。手間がかかりそれだけ面倒になるが、ハイグレードな服を提供するために素材は重要…との考えによるものだ。
 「最近、若いサラリーマンでも、仕立てのいい個性的なスーツを着たいと考えるお客さんが増えて、オーダーだけでなくセレクトショップなどでも、動きが出てきました」と真柄さんは今後に期待を寄せる。
 設備の導入によって工場の雰囲気が前向きに変わる…明るく前向きになった同社の今後が楽しみである。

CAD室。採寸データからパターンを起こし、裁断-縫製へ……オーダーへの対応には一品管理が基本である。その要にあるのがこのCAD室。 工場にあるショールーム。ここでお客様の応対をする。
CAD室。採寸データからパターンを起こし、裁断-縫製へ……オーダーへの対応には一品管理が基本である。その要にあるのがこのCAD室。 工場にあるショールーム。ここでお客様の応対をする。
春日部市千間台の同社工場。
春日部市千間台の同社工場。
思い切って最新設備の導入で工場の雰囲気も前向きに変わったという。設備にはそうした力がある。ダイレクトドライブ高速本縫自動糸切りミシンDDL-9000A。
思い切って最新設備の導入で工場の雰囲気も前向きに変わったという。設備にはそうした力がある。ダイレクトドライブ高速本縫自動糸切りミシンDDL-9000A。
FLS-350A電子ハンドステッチマシン。
FLS-350A電子ハンドステッチマシン。
AMS-205C高速電子サイクルマシン。
AMS-205C高速電子サイクルマシン。
DSU-142-7筒型1本針本縫上下送りミシン(標準釜・自動糸切り付き)
DSU-142-7筒型1本針本縫上下送りミシン(標準釜・自動糸切り付き)
LK-1852高速本縫閂止めミシン
LK-1852高速本縫閂止めミシン

中央繊維興業株式会社
創業:昭和2年
所在地:埼玉県春日部市大枝
社長:代表取締役中川 一
社員:130名
生産アイテム:パターンオーダー紳士スーツ、ジャケット、パンツ

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