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FBの活性化へ本格化する総合的な人材育成
ますます高まるIFIビジネス・スクールへの期待
国際的に活躍する人材育成を最重要テーマに
財団法人ファッション産業人材育成機構(IFI)は1992年2月、日本のファッションビジネスを発展させるためには人材育成が不可欠として、山中 初代理事長の強いリーダーシップで設立された。スクールが開校して10年、新しい人材育成に向けて第2のスタートを切った。
 
(財)ファッション産業人材育成機構 IFIビジネス・スクール 部門長 井上義次さん
「IFIも設立15年、ビジネス・スクールを始めて10年になりました。これまで果たしてきた役割は小さくないと思いますが、一つの節目を迎えて、今後の日本のファッション産業の育成を考えたときに、国際化が非常に重要になってきています」と語るIFIビジネス・スクール部門長の井上義次さん。
「IFIも設立15年、ビジネス・スクールを始めて10年になりました。これまで果たしてきた役割は小さくないと思いますが、一つの節目を迎えて、今後の日本のファッション産業の育成を考えたときに、国際化が非常に重要になってきています」と語るIFIビジネス・スクール部門長の井上義次さん。
変わらぬ人材育成の重要性
スクール10年の意義は大きい


 IFIが設立されたのは15年前の1992年。当時は、バブルが崩壊した直後で、まだバブルの余韻が残っていたものの、しだいに景気後退の波が押し寄せようとしていた時代である。
 アパレル業界では売り上げを確保するために、国産ブランドの立ち上げと、海外ブランドの発掘・輸入が大きなテーマとなっており、先行きの不透明感のなかで、国際市場で活躍できる人材の育成が求められていた。
 そんな時代に、ファッション・ビジネスをトータルにマネジメントできる人材の育成を目指してスタートしたのがIFIであった。
そしてプレスクールとして基礎コース、アドバンスコースが94年に開校し、98年、初期の狙いを実現すべく人材育成を狙いとするビジネス・スクールが正式にスタートした。
 以後、エグゼクティブ・コース(経営者)、マネジメント・コース(幹部・幹部候補生)、プロフェッショナル・コース(実務者)、ファッション・ビジネスを体系的に学ぶマスター・コース(昼間部2年制)が導入された。

  10 年間の実績は、

・マスター・コース173 人
・プロフェッショナル・コース1937 人
・マネジメント・コース923 人
・エグゼクティブ・コース462 人

にのぼり、登場した講師は1153 人に及ぶ。

 その狙いは、開校に当たって山中 理事長らによって定められた「実学重視の8か条」(図1)にあるように、今でも基本的に変わらない。このIFIビジネス・スクールは、乾いた砂漠に水を注ぐようにファッション・ビジネス界の人材育成に大きな役割を果たした。その貢献度の大きさは計り知れない。


産地・製造業の活性化に
川上~川下までの情報共有を推進


 こうした基本的な人材育成へのニーズは現在でも大きいが、その中身にも変化が起きている。
 「10年目と言う視点で見ると、依然として人材育成へのニーズは大きいのですが、テーマが少し変化してきています。そこには2つの変化があります。それは、日本発クリエイションに立脚した創・工・商一体のビジネス展開へのニーズグローバルな視点でのビジネス展開のニーズです。こうしたニーズをプログラムにも取り入れて、マスターコースでは従来の欧州中心の海外研修にニューヨーク、中国も加え、3カ国での研修を取り入れました」とIFIビジネス・スクール部門長の井上義次さん。

<産地・国内製造業の再生>
 この10年間に、いくつかの試みが行われており、その一つが国内産地・製造業の再生と日本独自のファッションの創造を目指す活動である。
 これは中小企業基盤整備機構との共催で、05年秋から毎年開催している「日本のものづくり、日本のファッション創り講座」で、ファッション業界で話題になっている。
 「これまでどちらかといえばファッション産業の川上から川下までがそれぞれ個別に業務を進めることが多かったのですが、新しいビジネスを創造するためには、お互いのコミュニケーションを円滑にして、創・工・商が互いの課題を理解しながら協力し合って国際的に通じるビジネスを構築することが重要であるという認識に基づいて行われている活動です。シンポジウムと7日間のワークショップからなり、製造業者とアパレル企業、小売企業の第一線の方々が業種を超えて協力し、新ビジネスモデルを構築する機会になっています」と井上さん。
 なによりも、グループ全員の目で産地の持つポテンシャルやリソースを再確認することで、新しい可能性を発見することにもつながっており、金沢、浜松など地場産業や産地の自立にもつながっている。


グローバルなビジネス展開を目指し
NY、中国の視察も導入


 もう一つの大きな課題はグローバルなビジネス展開である。
 ブランド輸入中心だったビジネスから、日本独自のクリエーションを基盤にグローバルなビジネスを展開する人材の育成…それが10年の経験を経てIFIビジネス・スクールが目指す新しい人材像だ。
 IFIの尾原蓉子学長も、「衣を重点としながら、ファッションに関連するあらゆる分野に向かってビジネスを創造する姿勢が求められており、そうした環境に応える人材の育成を進めていく」と10周年記念シンポジウムで語っている。
 クリエーションと言う点では既に多くの日本人デザイナーがパリコレなどでも活躍しており、実績を残しているが、ファッションビジネス全体で、日本発のグローバルビジネスが確立されているとはいいがたい。
 「もっとグローバルな視点を持つことが重要」(井上さん)という意見も多い。そうしたなか、IFIのマスター・コースではものづくり、ブランディング・ビジネスを、グローバルな視点から学ぶために、パリ・ミラノ研修に新たにニューヨーク、中国のカリキュラムを加えた。
 わずか1年でファッション・ビジネスの世界の拠点を研究できる、例のないカリキュラムであり、それだけグローバルな発想でファッション・ビジネスをマネジメントできる人材育成への意気込みが感じられる。
 ビジネス・スクール開校10年。時代とともに変化する人材育成へのニーズに対応しながら、プログラムは進化を続けている。
IFIのコースの特徴は少人数で、実践的なプロから学べること。この日は全員参加によるパネル形式での講座。
IFIのコースの特徴は少人数で、実践的なプロから学べること。この日は全員参加によるパネル形式での講座。
縫製設備の見学会でJUKIのショールームを訪れた研修生。実際に工業ミシンを使ってモノを作ってみる。
縫製設備の見学会でJUKIのショールームを訪れた研修生。実際に工業ミシンを使ってモノを作ってみる。
産地研修では製造現場で職人の技を直接見る機会もある。静岡の別珍の剪毛工程を見学した。
産地研修では製造現場で職人の技を直接見る機会もある。静岡の別珍の剪毛工程を見学した。
ワークショップのプログラムなども多く、研修効果は高い。ビジネス視点からファッショントレンドを分析する。
ワークショップのプログラムなども多く、研修効果は高い。ビジネス視点からファッショントレンドを分析する。
図1 IFI-- 「実学」重視の8か条
1. 新しいファッション産業界を担い、かつ推進する人材の育成を図る
2. 創造力と問題解決能力のあるリーダーの育成を図る
3. 産業の諸分野を総合的に理解する、広い視野と高い資質を有する人材を育成する
4. IFIは世界的視点に立つ国際人を育成する
5. 実学の精神を尊重し、理論に基づく実践的教育を体系的に行う
6. 自由で独創に満ちた自己啓発を中心とした教育システムを開発し、これをもって指導する
7. 関係各界からの支援を得て、産業人自らがその情熱を持って、人材の育成にあたる
8. ファッションビジネスのリーダーを志す人、すべてに開かれた教育を目指す

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