JUKI Magazine PageNavigation

JUKI Magazine Contents

FBの活性化へ本格化する総合的な人材育成
“日本のファッション産業をグローバルなビジネスに”
高度な知と技を備えた総合的専門家の育成を目指す
 パリ、ミラノなどファッションの檜舞台で、日本発のブランドが世界を席巻する。日本のファッション産業が、グローバルなビジネスとして成長する…。そんな次世代のファッションビジネス全体を創造する幅広い人材を育てること…それが私たちの使命、と2006年に誕生した文化ファッション大学院大学(BFGU)。若い世代の認知度も高く、業界に新風を吹き込むと期待されている。学校法人文化学園理事長大沼淳さんにその狙いと抱負を伺った。
 
文化ファッション大学院大学学長 大沼 淳さん
「日本にはファッションについて独特の感性があります。これらは世界にも通じるはずです。ファッションビジネスと言う点で世界に遅れていますから、総合的なファッションビジネス人材の育成は急務です」と大学院大学設立の思いを語る大沼淳理事長。
「日本にはファッションについて独特の感性があります。これらは世界にも通じるはずです。ファッションビジネスと言う点で世界に遅れていますから、総合的なファッションビジネス人材の育成は急務です」と大学院大学設立の思いを語る大沼淳理事長。
真のファッションビジネスリーダーを
養成します


 「衣に関して、消費科学的な側面からとらえた大学院は他にもありますが、産業的な側面から見たプロを養成する大学院は、日本にはどこにもありません。この学園がいままで果たした役割からしても、ここでそういう高度な人材育成を行うことにしたのです。日本人は歴史的にみても美意識が高く、ファッションに対して研ぎ澄まされたセンスを持っています。ところが五大ファッション都市のひとつに位置づけられているにもかかわらず、日本にはブランドが育っていないと言われています。そこで、グローバルな視点に立ち、日本ブランドを確立できるファッションの専門家、産業人の育成、とりわけクリエーターの育成を、産業的な視点からやらなければならないということで、大学院大学を作りました。」と語るのは同大学の大沼淳学長。
 80 年以上にわたり、ファッション教育の分野で常に主導的な役割を果たしてきた文化学園グループならではの新しい試みである。
 その趣旨が素晴らしいので、リードに続いて学校案内に紹介されている文章をご紹介しよう。
「これまで日本のファッション産業には、グローバルなビジネスの視点が不足していました。ビジネスとしてファッションをとらえるなら、独創的なデザインやすぐれた技術はもちろん、経営や財務、生産管理など幅広い視野が必要です。デザイナーは経営の知識が乏しく、経営者はデザインの知識が乏しい。そんな現実が、これまで日本のファッションの可能性に対する大きな課題でした。
クリエイションとマネジメントの2 つの視点をそなえたこれからのファッション産業のリーダーを育成するため、BFGU は、80年以上にわたり日本のファッション教育の主導的な役割を果たしてきた学校法人文化学園の実績とノウハウを結集して誕生しました。
 BFGUは、こうした文化学園の歴史的な成果を背景に、高度な「知」と「技」を育む、日本初のファッション大学院大学として設立されたのです。めざすのは、グローバルなファッションビジネスシーンで日本ブランドを確立できる、新しい創造者の育成です」。


デザイン・技術・マネジメントの
専門家を育成したい


 これまでわが国の繊維ファッション産業界に足りなかったグローバルな視点でビジネスを追求する人材の育成を手がけるという、まさに政府がこれから取り組もうという人材育成そのものといっていい。
 この大学院大学の特徴は、単にファッションビジネスのデザインや経営の専門家を育成するだけではなく、ものづくりの専門家を育成しようと言う点にある。
 「ファッションビジネスへの人材といいますが、生産技術の面でもこの業界は他に比較すると遅れているところがあると思います。私は、しばらく自動車業界の経営にも携わってきました。
 自動車業界は部品の生産技術の革新が進められていますが、日本のファッション産業が世界に伍していくには、非常に高度なテクニック、裁断システム、縫製システムなどの技術が欠かせません。こうした生産面での革新を進める人材の育成も重要なテーマで、大学院大学では、こうした領域でも専門的な教育を受けた人材を提供できると思います。」と大沼理事長。
 素材開発についても、目配りがなされている。かつて、国立大学にあった繊維学科も今では唯一信州大学に残されているだけ。しかし、いまや新しいファッション、デザインに新しい素材は不可欠で、素材の開発を抜きに商品デザインは考えられないほど、ファッションビジネスにとって素材の開発は重要な要素になっており、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーと連動させた素材開発やデザインとの融合など、総合的に考えられる人材の育成を目指している。


2つの専攻に
4つのコース


 大学院への入学は「学部卒業者と同等以上の学力があると認められた22歳以上」が条件で、ファッションビジネス研究科に2つの専攻、4つのコースがあり、いずれも修士(専門職)が取得できる(表1)。

1.ファッションクリエイション専攻
1-1 ファッションデザインコース
世界のファッションをリードするデザイナーを育成する
1-2 ファッションテクノロジーコース
デザインを製品化するテクノロジストを育成する
  ●ファッションクリエイション修士:デザイナーブランドの、オーナー・デザイナー、テキスタイル・デザイナー、ディレクター、モデリスト、パターンメーカー
2.ファッションマネジメント専攻
2-1 ファッション経営管理コース
ファッションビジネスをマネジメントできる人材を育成する
2-2 ファッション技術経営コース
ハイテクノロジーを使った生産システムを管理できるファッションプロダクトデベロッパーを育成する
  ●ファッションマネジメント修士:アパレル・ファッションメーカーの経営者、リテーラー経営者、マーチャンダイザー、バイヤー、生産システムエンジニア、プロダクションデザイナー、アドミニストレーター

   文化学園グループは、これまで国内の人材のみならず、海外30カ国からの人材を受け入れ、育成してきた。留学生は毎年1,200人にのぼる。韓国、中国等アジアを中心にファッション産業を支える貴重な人材の供給源となってきた。
こうした国際的な実績は、この大学院大学での教育にも生かされており、国際的なセンスをもった人材育成へ、BFGUの期待も大きい。

新宿駅近くにある校舎。交通至便で絶好の立地である。
新宿駅近くにある校舎。交通至便で絶好の立地である。
各種ミシンを始め縮絨機、CAD/CAMなど、設備も充実。
各種ミシンを始め縮絨機、CAD/CAMなど、設備も充実。
各種ミシンを始め縮絨機、CAD/CAMなど、設備も充実。
各種ミシンを始め縮絨機、CAD/CAMなど、設備も充実。
各種ミシンを始め縮絨機、CAD/CAMなど、設備も充実。
実際のモノづくりから経営学、ファッションビジネスまで経験豊かな専門家によるカリキュラムが用意されている。授業は小人数で、中身の濃い講義が行われている。
実際のモノづくりから経営学、ファッションビジネスまで経験豊かな専門家によるカリキュラムが用意されている。授業は小人数で、中身の濃い講義が行われている。
実際のモノづくりから経営学、ファッションビジネスまで経験豊かな専門家によるカリキュラムが用意されている。授業は小人数で、中身の濃い講義が行われている。
実際のモノづくりから経営学、ファッションビジネスまで経験豊かな専門家によるカリキュラムが用意されている。授業は小人数で、中身の濃い講義が行われている。
表1 文化ファッション大学院大学専攻コースとカリキュラム概要
1.ファッションクリエイション専攻
2年間でデザイナーブランドを創造し、デザイナーや技術者として活躍できる
1-1 ファッションデザインコース:デザイナーの感性とビジネスのロジックを学ぶ
クリエイション基礎理論・演習、クリエイション理論・演習、インターンシップ、美学、日本美術概論、デザインスキル、アパレル生産論、コンピュータニット、ファッション起業論、ファッション英会話など
1-2 ファッションテクノロジーコース:実習を中心に、企画・生産現場の視点を備えたモデリストを養成
ファッションテクノロジー論・演習、素材の特性・応用、アパレル生産論、工場縫製基礎、アパレルCADパターンメーキング演習、インターンシップ、クリエイション基礎理論・演習、美学、日本美術概論など
2.ファッションマネジメント専攻
起業家・経営者から生産ディレクターまで、ファッションビジネスのあらゆる領域をマネジメント
2-1 ファッション経営管理コース:未来の起業家と経営者を育てる、ファッションビジネス界のMBA
計数管理、知財マネジメント論、ファッションビジネス論、ブランドマネジメント論、ビジネススキル、財務・会計、マーケティング戦略論、経営情報システム演習、色彩論、ニット商品企画、素材論、アパレル生産論など
2-2 ファッション技術経営コース:作る仕組み=生産工学と売る仕組みを一体化させ、収益の上がる仕組みを作る
アパレル造形論・演習、アパレル生産論、テキスタイル開発論・演習、アパレルCAD演習、ファッションビジネス論、計数管理、知財マネジメント論、ファッション商品論、素材論、アパレル人間工学など

JUKI Magazine PageNavigation