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| ファッション業界を 活性化したい 「ファッション業界はこのところ、停滞しているように見えます。そんなファッション業界をなんとか活性化したいと思っています」と語るのはデザイナーで文化服装学院でファッションデザインを学ぶ加藤智啓さん。隣で、パートナーの長谷川哲士さんがうなずく。長谷川さんも武蔵野美術大学でデザインを学ぶデザイナーだ。 この2人が立ち上げたのが、【EDING:POST】ブランド。アパレルのみならず広くデザインを手がけるブランドである。ねらいは、「長く市場で生き続けられるデザインを生み出すこと」。 2人は名古屋市出身で中学の同級生。加藤さんは愛知県名古屋市にある県立旭丘高校の美術科に進み、長谷川さんは普通科へ。卒業後は、文化服装学院と武蔵野美術大学と進路は変わったが、東京に出てきてからも連絡を取り刺激しあってきた仲間だ。 2人が【EDING:POST】を立ち上げるきっかけになったのが、加藤さんのデザインした「Hamburger’s」。これは文化服装学院の学生主催で行われる毎年恒例の期間限定ショップ「パンゲアソラリアム」で展示販売された作品で、ハンバーガーをイメージしてデザインしたTシャツ。Tシャツをハンバーガーの形に丸めて袋に入れたもので、手をとって食べたくなる作品だ。 「オーダーをしていただければ、デリバリーします」と遊び感覚にあふれている。この作品は上記の展示会で先行50着が完売し、「新しい時代のマーケティング志向型ブランドとして今後が期待される」として高く評価されている。 過去・現在・未来にストーリーを生み出す 【EDING:POST】 この作品は愛知県のファッション・セレクトショップを始め、国立新美術館……などで、買い上げられ、ミュージアム・ショップで販売されている。ハンバーガーの形にまとめる袋もTシャツの裏に作られたポケットに隠れるようになっているので、実用的にもTシャツとして着用できる。 この作品を制作・販売するために設置したのが【EDING:POST】ブランドだ。 命名の由来は、案内によると以下のようだ。 【EDING:POST】= ED【過去】+ ING【現在】+POST【未来】。 エディングポストはつくるものの過去、現在、そして未来を通して責任感のあるものづくりをしたという思いのもと名づけられました。 若いアーチストらしく、気負いと意気込みにあふれた言葉が気持ちいい。加藤さんは、別表のようにいくつか…の作品を発表しており、それぞれがコンテスト等で、審査員の注目を浴びて話題になっている。 アートとアパレルの融合 GUNZE「驚き賞」の受賞 加藤さんの作品の特徴は、きわめてアートなアパレル作品……という点にある。発表されるものは、アパレルデザインの枠を超えた、アート作品で、あっといわせる遊び感覚のあふれたものが多い。 「Hamburger's」以外にも、例えば、第80回装苑賞で高田賢三選出で公開審査会出場作品となった「連続する動作による造形」がある。審査員の高田賢三は「シルエットはシンプルでモダン、素材はラバーシート、ナイロンメッシュなど凝ったものを使い、服作りもよくできています。服のファスナーを開けることによって、もう一つの身頃が出現して残像のようなフォルムを作り、イメージが変化する。そのパフォーマンス性という発想はすごくいいと思います。」と評している。 また、GUNZE FASHION DESIGN AWARD 2006 では絵本がそのままパジャマになるという意外性のある作品で「驚き賞」を受賞し、アート感覚あふれた作品で期待の星でもあるのだ。 とはいえ、現実のアパレルの世界は厳しく、上記作品を制作するにも、資金獲得と工場の協力が不可欠で、そうした支援がない日本では若手が起業するのはなかなか難しいのが現実である。 こうした試みが大きく実って、若い世代のアパレルデザイナーが続くことで、活性化が進められることになるのだろう。その意味で、2人の挑戦には大いに期待したい。
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