JUKI Magazine PageNavigation

JUKI Magazine Contents

創業―アパレルを活性化する新しい風
“ 原宿ドリーム・ナビ”
ラフォーレ原宿への出店者を育成する
アパレル創業支援事業
ラフォーレ原宿……流行を生み出す原宿のファッションビル。ここへのテナント入居はそれなりの実績がないと不可能だ。そこで、ラフォーレ原宿と八千代銀行が可能性を秘めた若い起業家を発掘・支援しようと始めたのが原宿ドリーム・ナビ。新しい試みとして注目を集めている。
 
八千代銀行 太田 学さん
「原宿という土地柄から、融資をさせていただける案件の多くがアパレル関連企業です。原宿の活性化には、アパレルが元気になって頂くことが大切です」と原宿支店長太田学さん。
「原宿という土地柄から、融資をさせていただける案件の多くがアパレル関連企業です。原宿の活性化には、アパレルが元気になって頂くことが大切です」と原宿支店長太田学さん。
原宿ドリーム・ナビ
起業家の“夢実現”を支援する


 新しいファッションを生み出す町・原宿で常に最新の流行を発信し続ける中心になっているのが大型ファッションビル、ラフォーレ原宿である。
 ファッション業界を目指す若者たちにとって、ラフォーレ原宿はまぶしく輝く存在で、ここに入居して店舗を構え、その後、大きくなったブランドが数多くある。
 若手にはラフォーレ原宿で店舗を持つことは夢だが、現実にはなかなか難しい。そんな夢を後押ししようと表参道交差点に店舗を構える八千代銀行とラフォーレ原宿がタイアップして2004年に創り出したのが「原宿ドリーム・ナビ」なる起業家への支援システムである。
 リリースした文章から、強い意気込みが伺える。
 「……ラフォーレ原宿に出店を希望する若手経営者・起業家に対してサポートするシステムを発足させることと致しました。
 次代のファッション業界を担おうとする意欲ある若手アパレル起業家・経営者を発掘し、出店の機会とそのための金融面での支援等を付与し、その成長を創業から経営全般にわたって支援することで成功に導くシステムを、ラフォーレ原宿と八千代銀行が相互のノウハウを最大限に駆使・協力して構築しました」。


可能性を持った若手起業家を
資金と経営面でサポート


 支援する対象は、ラフォーレ原宿への出店を希望し、ラフォーレ原宿が積極的に支援したいと判断する個人もしくは法人で、支援内容は、

(1) ラフォーレ原宿への出店要請
(2) 出店条件の優遇措置
(3) 出店に際し必要とする資金調達に関する優遇措置
(4) 開業時および開業後の八千代銀行の中小企業診断士による経営に関する指導・助言等のサポート
(5) 必要に応じた税理士等の紹介

……などである。
 上記の(1)、(2)をラフォーレ原宿を経営する森ビル流通システムが、(3)以降の資金支援や経営支援を八千代銀行が担当する。
 「原宿にいる有望な若手を支援したいと思っていましたが、私たちにはアパレルの目利きはできません。ラフォーレの専門家の方々が目利きをしてくださるなら、私たちは喜んで支援させていただきます」とこのコラボレーションの意味を八千代銀行原宿支店の太田学支店長は語る。
 第1回目の審査で選ばれた、松本理園さんは、ラフォーレ原宿の1.5階という良い位置に「リジィービー」というお店を出店。以来、売上げも145テナント中で常に20位以内をキープしており、さらなる事業展開を目指しているところだ。


銀行界に新風を送る八千代銀行
自らがベンチャー企業として


 この「原宿ドリーム・ナビ」の対象は、企画力で勝負する、資産を持たない人・会社である。通常、銀行はこうした人たちには資金的な支援はしにくい。融資した資金が戻ってくる保証がないからである。
 そうした中で、この原宿ドリーム・ナビへの参加は、八千代銀行にとっても、「堅実、資産評価が基本」といわれてきた銀行としてのパラダイムを転換する事業でもあった。
 八千代銀行は東京都新宿区に本店を置く第二地方銀行で、今年4月に東証一部に上場した。前身は信用金庫であり、1991年に普通銀行に転換した。信用金庫からの転換は、現在のところ同行が唯一という異色の銀行である。
 それだけに、自身が新しいものに積極的に取り組む進取の気象を持っており、企業風土も、信金の泥臭い営業力と都銀並みの知識力を有し、第二地銀でありながら常に新しい風を業界に吹き込んでいる。原宿ドリーム・ナビも、こうした経営姿勢だからこそ生まれたシステムといえる。


融資だけでなく経営を指導
ファッションの夢を語れる人材育成


 原宿という土地柄から、地域にある法人の60%がアパレル、ファッション関連。営業で会社を訪問しても話題になるのは、ファッションの話。「原宿ドリーム・ナビをきっかけにファッション関連業界との御付き合いが増えてくると、専門的な話についていけないというわけにはいきません。そこで営業担当者に布帛、ニット、カットソー、OEM、SPA……など専門用語を勉強させ、最低限の話ができるようにしました。経営者の夢を聞いたうえで、経営・財務の指導もさせていただく、それが当行のサービスです」と太田さん。
 毎月1回、経営・財務に関するミーティングを行い、若手経営者に企業経営のノウハウを伝授するのもサービスの一環だ。
 原宿ドリーム・ナビは原宿支店だけのサービスだが、「本社も期待しています。」と本社経営企画部IR課長の鈴木勝美さん。
 業界の活性化に頼もしいお話だ。
「原宿ドリーム・ナビのような地域の特長を生かした創業支援制度は、八千代銀行全体でもうまく展開できるようにしたいと思っています」と本社IR課長の鈴木勝美さん。
「原宿ドリーム・ナビのような地域の特長を生かした創業支援制度は、八千代銀行全体でもうまく展開できるようにしたいと思っています」と本社IR課長の鈴木勝美さん。
原宿・表参道にあるラフォーレ原宿。すぐ左隣の交差点に面したビルに八千代銀行原宿支店がある。
原宿・表参道にあるラフォーレ原宿。すぐ左隣の交差点に面したビルに八千代銀行原宿支店がある。
「八千代銀行のホームページにある「原宿ドリーム・ナビ」
「八千代銀行のホームページにある「原宿ドリーム・ナビ」
原宿ドリーム・ナビ第1号店となった「リジィービー」。アメリカ輸入のアパレル商品を扱って、売り上げを順調に伸ばしている。
原宿ドリーム・ナビ第1号店となった「リジィービー」。アメリカ輸入のアパレル商品を扱って、売り上げを順調に伸ばしている。

JUKI Magazine PageNavigation