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アパレル工場の“マイスター”たち
事例2
指導した若手が技能五輪全国大会で金メダル獲得
服作りの高技能を目指して新卒の若手が続々入社
 
株式会社三和ドレス 水野礼子さん
株式会社三和ドレス水野礼子さん
婦人フォーマルウエア一筋
生き残りには“高付加価値”製品作り


 同社は東京・練馬で1966年設立し、78年に二戸市に工場を開設、84年に盛岡市で創業。フォーマルウエア作りを専門に若い人材を育成し、技能向上に努めてきた。この間、幾度か取引先が変わるなど大きな変化の中で、常に心がけてきたのは、技術力の向上だ。
 「技術力があれば、何とか仕事は任せてもらえますが、技術がなければ信頼してもらえません。高付加価値商品作りには、社員の資質向上と技能レベル向上が基本」と大沢社長。
 バブル崩壊後、多品種小ロット、加工賃ダウンと経営にとって厳しい状況が続いた中で、「毎年、洋裁技術を身につけたいと県内から新卒が集まってくる。新入社員を育成しなければ、将来、会社の存続はないと思い、洋裁技能、知識を習得させ、全社員にモノづくりへの意識を持たせたいと技能五輪全国大会への出場に取り組み始めた」(同)。


突然ふって沸いた技能五輪への出場
若手の指導プログラム作りから開始


 同社は過去、1990年、91年と2回の出場経験があったが、当時は、大会の状況もよく把握していない中での出場。そこで、2000 年に大会を見学し、全国から集まった選手の実技を確認、「当社でも若手社員を訓練すれば十分にやれると確信し、縫製技術課長の水野礼子に指導を担当してもらった」(同)。
 水野礼子さんは埼玉の学校を卒業後、東京のアパレル工場で10年仕事を経験。20数年前に盛岡の実家に戻ってきて、三和ドレスに入社し、シルエットにこだわった服作りを続けてきた。そこへ、社長からいきなり技能五輪出場選手を育成するようにといわれる。「いわれても、何をするのかわからなかったので、2001年の福島大会にいって様子を見てきました」と水野さん。
 幸い、数年、根性のある新卒者が毎年入社している。2年目、3年目の社員全員を対象に、技能五輪への参加を目指して訓練することにした。


わずか3年で、金銀銅……を獲得
服作りを目指す若手が挑戦


 「技能五輪大会でのジャケット作りは、1枚の布からジャケットを作る。アイロン台はテーブルに1枚の布だけでバキュームなし。厳しい環境に合わせて、そうした練習場も設置しました。
 大会の前3ヶ月くらいは、仕事が終わった後に毎日特訓で、休みもなし。よくがんばったと思います」と水野さん。
 幸い、若手は、服作りの腕を磨きたいという思いも強く向上心も旺盛。1年目、2年目は余り成績を収められなかったが、4年目の2005年岩手県で行われた全国大会では、金メダル1、銀メダル2、銅メダル1、敢闘賞1を獲得、岩手県の総合優勝に貢献する。
 こうしたことが地元でも知られるようになり服作りを希望する新卒の生徒が同社への就職を希望するようになった。「今後は、若手から指導者を作ることが、私の役目……」と、水野さんは指導者育成に挑む。

株式会社三和ドレス水野礼子さん
同社 大沢孫蔵代表取締役社長
同社 大沢孫蔵代表取締役社長
技能五輪で優秀な成績を収めた期待の若手社員たち
滝浦清子さん 佐藤香美さん
滝浦清子さん 佐藤香美さん
田村香織さん 新堀祐佳さん
田村香織さん 新堀祐佳さん
マイスターの道具箱

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