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知って得する縫いのヒント
本縫いミシンの基礎知識シリーズ
押え・送り歯・針板の基礎知識

 今回は、針板の種類・針穴形状の違いを紹介し、縫製物に合わないものを使用した時の不具合について説明します。
 針板は、送り歯枚数、針穴径、針穴形状、刻線および数字が入るもの、特殊素材に対応したもの、アタッチメントの組み合わされたもの……など縫製工程や素材に対応した多くの種類があります。


1.針穴寸法・形状

 針穴は縫製する素材と使用する針に対応して、下記の寸法で3つに分類されます(図1)。

(1)薄物用
  …約φ1.2~φ1.6

(2)中厚物用
 …約φ1.6~φ2.2

(3)厚物用
 …約φ2.2~φ2.6

  さらに、楕円形状・針穴後ろ側・針穴前後に逃げがあるタイプなどがあります。
 また針穴の形状により以下のように区分されます。

(1)丸い針穴
  標準針板の針穴は円形がもっとも一般的です。

(2)楕円形状の針穴
  厚物縫製に適しています。

(3)逃げ溝の有無
  糸締りを必要とする物には逃げ溝のある針穴の針板は有効です。


2.送り歯枚数


 針穴形状が同じでも、送り歯枚数による違いもあります(図2)。
  一般的な送り歯枚数として3枚送り歯・4枚送り歯があります。(送り歯の詳細についてはJUKIマガジン227号をご参照ください)
 3枚送り歯・4枚送り歯にも、幅・全長の違いにより数多くの針板の種類があります。
 3枚歯は小回り性、4枚歯は直進性などと用途に応じた送り歯と組合せ使用します。
 針板・送り歯の組合せについては、JUKI本縫いゲージマニュアルIIを参照下さい。
 (JUKI本縫いマニュアルIIのお問合せは、お近くの営業所へお願い致します)


3.その他特徴のある針板

(1)刻線入り
 針板に縦横10mm・5mm間隔に刻線および数字が入るものもあります。

(2)素材に対応した針板
 すべりにくい生地用として、樹脂加工をした針板・押えがあり、これを利用することで生地がスムーズに送られます。

(3)特殊な針板
 特殊な針板としては、パッカリング防止、落し縫い、テープ・ゴム付け機能の付いたもの、針板に直接バインダーを付けたものもあります。これらの針板を使用するには、押え・送り歯も専用の物を使用します。


4.縫製物との適合性

 針板には多くの種類があり、その使用目的に合った物を使用しないと仕上りに大きな差が出てしまいます。ここでは、針穴の違いによる不具合について説明をします。

(1)針穴の大きい物で薄物素材の不具合
 針穴の大きい針板で薄物を縫製すると針穴に生地が入り込み、次の縫い目を形成する時に生地を押上げ、次の縫い目で生地が入り込むとこのような(ペコつき)現象が繰返され生地が大きく波を打ったように縫われ、パッカリングとなります(図3(左))。
 このような事が繰返され、食い込みの原因にもなります。

(2)針穴の小さい物で太い針を使用した不具合
 針穴の小さい物に太い針を使用すると、無理に針穴に針が入ろうとするため、上糸のしまり不良・糸切れ・針折、針板折損を起こします。

(3)針穴キズによる不具合
 針折れなどにより針穴にキズが付いてしまうと生地にキズが付いたり、糸切れの原因となります。


5.地糸切れ対策

 地糸切れの要因には色々とありますが、針板での対処法として針穴の角部を少し落す事により生地の繊維が逃げ、地糸切れを防ぎます(図3(右))。ただし、針板の角部を落しすぎるとパッカリングの原因となります。


図1 針穴の形状 図2 送り歯
標準タイプ 楕円形状  
図1 針穴の形状 標準タイプ 図1 針穴の形状 楕円形状 図2 送り歯
針穴後ろ逃げ溝タイプ 針穴前後逃げ溝タイプ  
図1 針穴の形状 針穴後ろ逃げ溝タイプ 図1 針穴の形状 針穴前後逃げ溝タイプ 図2 送り歯


図3
図3 図3
図3
( 縫製研究所 木村雅彦)

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