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独自の市場を開拓する
モノづくりにこだわり、
本物のシャツを追求。
渾身の“ ZUNBANAブランド”で
シャツの世界に旋風を吹き込む。
 
アパレルの世界では、国産では難しいといわれている“シャツ”の分野で、いま、ひそかな人気で旋風を起こしているのが、“ZUNBANAブランド”だ。モノづくりにこだわり、本物のシャツを作りたい……という㈱ジャパンルックの迫田宗左衛門社長の考えで、ネットやセレクトショップでオーダーシャツを提供している。紳士服のポータルサイト「ZEEL」では、3週間にわたって注文ランキング1位を記録した。
 
株式会社ジャパンルック 代表取締役 - 迫田宗左衛門さん
「“目指すはズンバナの丘”と口癖のように言うので、社員からはまたか、……という顔をされます」と迫田宗左衛門社長。
「“目指すはズンバナの丘”と口癖のように言うので、社員からはまたか、……という顔をされます」と迫田宗左衛門社長。
70年、3代続くシャツ作りの魂
一枚作りにこだわる“本物志向”


 「私の一族がシャツ作りを職業とするようになって、はや、70年が過ぎようとしています……」と紳士服のポータルサイトを運営するネット会社ZEELのサイトで、㈱ジャパンルック代表取締役の迫田宗左衛門さんはメッセージを書いている。
 このメッセージには迫田さんのシャツ作りにかける気持ちがよく現れているので、少しここで先を引用させていただく。
 「その歴史というものは、戦前そして戦後の高度成長期に重なって「別注(一枚作り)から大量生産へ」の歴史でもありました。
 私の父も生粋の職人でありますが、その人生の大半を「良い物をより大量に効率よく」に費やしてまいりました。まさに”時代“であったのでしょうか。
 一職人というモノ作りへのこだわりをもった「ヒト」に立ち帰って考えてみれば、量産するための流れ作業ラインはその「ヒト」を捨て、主張を避け、ロボットと化すための作業でもありました。
 一人前になるまでに何年もの歳月を費やしてようやく一枚のシャツを縫い上げられるところを、各工程に細分化し、誰もが比較的簡単に縫えるよう作業を簡素化していくことは作り手にとってまさしく自分自身の原点の放棄であったように思います。……」


本物のシャツを目指した苦闘が始まる
WEBで3週連続売上げ1位に


 こうした技能をないがしろにする量産のシャツ作り技術に疑問を感じていたある日、迫田さんは工場の片隅で数千枚の型紙を見つける。「その型紙には、いままで知らなかった縫い方、試着するものへの気づかいなどがこめられた、私にとっては衝撃そのものでした」とそのときを思い出して語る。
 以後、迫田さんは2年半をかけて、世界の名だたるシャツを購入してはほどき、型紙を作り、300余りの試作品を作り……を繰り返し、独自のブランド「ZUNBANA(ズンバナ)」を完成させる。
 量産では作れない型紙と縫製、シンプルに無駄を省き、芯地、ボタン、衿型……と一つ一つの意味を噛み締めるように作ったシャツである。
 これを知ったZEEL社長の尾関茂雄氏から出店を勧められ、試しに……とオーダーシャツ「ZUNBANA」ブランドを出品したら、なんと同サイトで3週間にわたって売り上げ1位を記録してしまった。
 消費者が、いかに本物のシャツを求めているかということである。


目指すは職人の楽園“ズンバナの丘”
設備投資を怠ると苦しくなる


 かつて大阪市赤川にいた幼少時代に、父の工場で世話になった人に、いまでも毎日、100枚の仕上げを送り続けるという義理堅さと職人への思い、近代的なモノづくりの発想が迫田さん
の中で交差する。
 効率中心の量産とは相反する手作り感覚シャツを目指しながら、設備の重要さもしっかりと認識されている。
 同社では、警察などの制服のシャツと、ユナイテッド・アローズなどのブランド、さらに手作りのズンバナ……と手がける商品は多様だが、それらが見事に1ラインで流れている。モノづくり技術の高さ、オペレータの技術の確かさがこれで分かる。
 MO-6900を利用してサージングマシンを作るなど設備にも詳しく、「LBH-1790電子眠り穴かがりミシンは、剣ボロ、雨ぶたとメスを代えずにできるので3割能率が違う、LK-1930は高速電子模様閂止めミシンで、衿章、肩章にもいいが衿のピンホールにも使えます。設備は25年で2回転、それを怠ると苦しくなるので、自分の給料を削っても設備には金をかける」とおっしゃる。
 迫田さんの口癖は、「ZUNBANAの丘をめざそう!」――高度な技を持った職人が技を発揮してモノづくりを行う楽園を築きたという。古い技術を生かして新しいものを生み出す……同社がZUNBANAの丘に近づいていることは間違いないようだ。

導入されたミシンはどれも独自の工夫が凝らされていて、同社の高品質・高生産性を支えている。
ボタン付けはLK-1903A高速電子ボタン付けミシン 前立の穴かがりにはACF-172-1790高速ボタン穴かがりインデキサー。 カフスボタン付け工程で活躍するLK-1903Aボタン付けミシン。
ボタン付けはLK-1903A高速電子ボタン付けミシン 前立の穴かがりにはACF-172-1790高速ボタン穴かがりインデキサー。 カフスボタン付け工程で活躍するLK-1903Aボタン付けミシン。
第1ボタンの穴かがりもLBH-1790 左右で異なる形状を縫製するため2台設置しているAMS-210E電子サイクルマシン。 左右で異なる形状を縫製するため2台設置しているAMS-210E電子サイクルマシン。
第1ボタンの穴かがりもLBH-1790 左右で異なる形状を縫製するため2台設置しているAMS-210E電子サイクルマシン。
生産性が3 0%向上したというLBH-1790高速眠り穴かがりミシン。 菊穴もできるように改造したLK-1900A高速電子閂止めミシン。菊穴作業がないときは他の工程でも利用する シャツの柄あわせ
生産性が3 0%向上したというLBH-1790高速眠り穴かがりミシン。 菊穴もできるように改造したLK-1900A高速電子閂止めミシン。菊穴作業がないときは他の工程でも利用する シャツの柄あわせ
平成6年に大阪から進出して以来、工場は拡張を続けて2倍以上の広さになった。
平成6年に大阪から進出して以来、工場は拡張を続けて2倍以上の広さになった。
※ZUNBANA (ズンバナ)とはカッターシャツ縫製用の特殊押え。かつて職人が自ら製作した。
モノづくり技術の復権を目指して市場に投入したというZUNBANAブランドのシャツ。確かな手作り感覚のシャツである。
モノづくり技術の復権を目指して市場に投入したというZUNBANAブランドのシャツ。確かな手作り感覚のシャツである。
細幅2mm本縫2本針のタコ巻きと脇にZの入った「ピース」
細幅2mm本縫2本針のタコ巻きと脇にZの入った「ピース」
本縫い後付けの袖付け
本縫い後付けの袖付け
剣ボロの裏処理もきれいだ。
剣ボロの裏処理もきれいだ。
カフスと衿台の穴を鳩目にしたい……とテストを
カフスと衿台の穴を鳩目にしたい……とテストを
繰り返し、6月に完成した。

株式会社ジャパンルック
設立:昭和62年12月
所在地:福岡県大牟田市宮山町
社長:代表取締役社長 迫田宗左衛門
社員:70名
生産アイテム:シャツの製造・販売
E-mail jlook1@abox.so-net.ne.jp

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