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知って得する縫いのヒント
本縫いミシンの基礎知識シリーズ
 今回から本縫いミシンの主な機構や構造について生地素材や縫製工程との関連をシリーズとして取り上げて説明します。
押え・送り歯・針板の基礎知識

 ミシンに使用しているゲージ(押え・送り歯・針板)には多くの種類があります。
 使用目的に合ったゲージを使用することにより、今までより生産性・縫い品質の向上が図られます。


1.布地の分類

 布地の分類には、はっきりとした定義もなく、縫製品質に関連する要素も多いため、明確に分類するのは大変難しい問題です。目安として布地の重さを基に下記のようにまとめて見ましたのでゲージ選定の際に参照ください。ミシンには中厚物用・薄物用・厚物用の3タイプがあり、これらの素材に対応した設定となっています。

布地の分類
項目 薄物素材 中厚物素材 厚物素材
重さ g/㎡ 50~150 150~320 320~500
使用針 #8~#10 #10~#14 # 16~#23
使用糸(綿糸) #100~#60 #60~#40 #50~#30
代表的な生地 ブロード
ジョーゼット
デシン
シングルジャージ
ギャバジン
ダブルジャージ
サージ
デニム(12オンス以下)
デニム(12オンス以上)
モッサ
代表的な用途 シ ャツ
ブラウス
ワンピース
ドレス
スーツ
コート
学生服
ジャケット
ジャンパー
ジーンズ
防寒コート


2.押え

(1)押えの働き
縫製の際に押えは以下のような働きを持っています。
(1) 縫い合わせする布地を針板上面に安定させ、縫い位置を定めます。
(2) 針が布から抜ける時、針と一緒に布地が持ち上がらないように押えます。
(3) 送りが布を前方または後方に送る場合に方向性が乱れないように、適当な圧力で布地を送り歯の歯形に密着させます。
(2) 押えの種類
(1) 自由押え自由押え
最も標準的な押えで舟の部分が前上がりの状態になるように後方にバネが付いています。布地との対応性が良く、段部の送り込みがスムーズです。
(2) 固定押え固定押え
二ツ巻き・三ツ巻パイピング等の専用押えに多く使用されています。巻き込み等の安定性は良いが、段部の送り込みは悪くなります。
(3) 段付き押え段付き押え
ステッチ縫い専用のガイド押えで左段部用・右段部用・左右兼用の3形状があり、数々のステッチ幅に対応するため、多くの種類があります。
(4) スライディング押えスライディング押え
送り歯の上下にそって押えが前後に動くため、縫いズレ防止に効果があります。
(3)押え裏溝(糸道逃げ溝)
押えには裏の溝が大きく入った物と、小さい物があります。
中厚物用・厚物用ミシンの押え金の押え裏溝は大きく、薄物用ミシンの押え金の押え裏溝は小さくなっています。
(1) 逃げ溝の大きい押え(厚物用・中厚物用)逃げ溝の大きい押え(厚物用・中厚物用)
縫い目(上下糸の結節点)を押える事がないので糸締まりが良くなります。但し、縫い目ピッチが小さい場合や薄物縫製にこの押えを使用すると、パッカリングが発生しやすくなります。
(2) 逃げ溝の小さい押え(薄物用)逃げ溝の小さい押え(薄物用)
裏溝の小さい物は、生地のペコつきを防止します。送りピッチが大きくなると糸締り不良が起こりやすくなります。
(3) 逃げ溝の無い押え(極薄物用)逃げ溝の無い押え(極薄物用)
極薄物縫製の場合に糸締り過ぎによるパッカリングを防止する効果があります。
※パッカリングの原因
パッカリングは針貫通による布地の変形・糸締による縫い縮み・送りによる縫いズレ、布地の変形とさまざまな要因が絡み合う事により発生します。
( 縫製研究所 木村雅彦)

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