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都内への工場進出で
顧客密着のモノづくりを目指す
ニシザワテキスタイルと田代縫製の
新しい試み



両国に新たに工場を開設した田代縫製
 両国に本社を持つニシザワテキスタイルの一角で島根県に工場を持つ田代縫製が、新しく工場を開設した。顧客に密着した立地を生かして、打ち合わせやサンプル・先上げの確認を目の前で直接行う。QRと高品質が同時に実現できる画期的な試みとして注目を集めている。


ニシザワテキスタイル株式会社 社長     西沢久雄さん
有限会社田代縫製        常務取締役  田代尚也さん


会議中にサンプルを完成させる
工場の東京進出のメリットは大きい!



両国駅から歩いて7、8分。ニットの集積地でもあり、商談にも最適なロケーションである。 「東京に立地していると、地方にあった工場にとっては考えられないメリットがありますね。お客さんと実際に製品を目の前にして、打ち合わせができるので微妙なニュアンスまで伝えられますし、確認もその場でリアルタイムでできる。それまでFAX、CADでデータを受け渡して電話で相談し、サンプルのやり取りに2、3日かかったりしていたことを考えると、夢のようです」とおっしゃるのは(有)田代縫製の常務取締役田代尚也さん。

 同社は、もともと島根県出雲市に工場を持つ会社だが、両国にあるニシザワテキスタイル㈱の3階に工場を開設し、4月17日から稼動を始めた。地方の工場にとって、最大の問題は距離。配送という物理的な距離以上に、電話やCADによる情報の交換では、デザイナーの感性が工場側に伝わりにくいという問題があり、それを解決するには、東京進出するのが一番……というのが、今回の進出のねらいだ。日本のアパレルが生き残る課題として、“高い感性”を生かすことが重要と言われている中で、この試みは注目を集めている。




アパレルに直結した工場



設備は出雲工場から一部を移動してきた。 この田代縫製の東京進出のきっかけを作ったのは、両国で独自のニット製品を開発・販売しているニシザワテキステイル㈱の西沢久雄社長だ。同社は1954年(昭和29年)にオムツカバーの生産で創業した会社で、1985年以来、独自のカットソーを手がけ、工場を秋田県十文字町に持つ。

  「当社は小売への直販を中心に、これまで素材の開発に力を入れてきました。しかし、ここにきて、感性の豊かないい素材やデザインができても、それを製品に生かせないということが起こり始めました。そこで、モノづくりの原点に帰って縫製技術を向上させることが重要であると感じ、田代縫製さんと相談して東京に来ていただきました」と西沢社長。

  現在、同社はビームスやユナイテッドアローズ、シップスなどの製品も手がけている。



先上げ・サンプル確認が
その場で終了



高速シリンダーベッド飾り縫ミシン(3本針両面飾り縫)MF-7823   まだ、稼動して日数が経っていないので、その効果も明確ではない。しかし、両国というニットの中心地のロケーションであり、開設した当日から視察が相次いでいる。

 「私は年に2回ほどアメリカのショーに参加しているのですが、マンハッタンあたりのビルでも上の階にアパレル工場があったりしますので、東京でもビルの中で工場がやれるのではないかと思っていました」と西沢社長。

  もちろん地価の高いところなので、大規模な工場は難しいが、アパレルのスペースを活用するならばコスト負担も軽い。

  当面、工場は作業者5名で運営。裁断はニシザワテキスタイルの秋田工場で行うが、サンプル作りやそのための裁断は両国でも可能だ。会議中にサンプルを作ってしまい再検討するという、文字通りクイックなサンプル処理も可能だ。




店頭起点のモノづくりに近づく
期中生産に大きな力を発揮



高速電子閂止めミシンLK-1900 「工場にとって何よりも大きいのは、お客さんの意見が直接聞けること。店頭の意見を縫製に生かせるようになり、納期も短縮化できる。実際に、月曜日にオーダーを受けて、金曜日に納品することも可能です。素材さえあれば、朝~夕のサイクルも可能。商品の回転率も上げられます」と田代専務。

 そうなると、染色・プリントという素材のQRが求められるが、「いくつかの会社と打ち合わせ中で、それもまもなく実現します」と西沢社長。

 すでに、期中生産に活用したいとオーダーも入っており、新しい都市型の工場として、期待されている。

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