JUKI Magazine PageNavigation

JUKI Magazine Contents

REPORT[マザー工場]
 
得意先の要求は“100%”受ける
繁閑の差をいかに克服するか…… それが生き残りへのポイント
 
株式会社 ナカヤ   代表取締役社長 中屋孝一郎さん
  総務部長      松月利和さん
 ゴルフ・スラックス一筋に20年。創業時と比べると人員は1/3、生産性を向上させる努力で厳しい環境を乗り越える……この効率が長続きの秘訣という。国内でスラックスを手がける工場は少ないが、その一つナカヤさんを訪問した。


中国に負けない生産性
繁閑の差をいかに克服するか


 三重県明和町斎宮。伊勢神宮に程近い住宅街近くにあるのが㈱ナカヤさん。創業は昭和26年と古い歴史のある会社だが、製造業務を中心とした会社として㈱ナカヤを設立したのは昭和56年4月。同年10月にゴルフ・スラックスを受注して以来、一貫してゴルフ・スラックス一筋に歩んでいる。

 スラックスはほとんど中国工場に移行してしまった中で、この工場が国内で生き残っているのはなぜか。その理由はいくつかあるが、それは工場を見るとよく分かる。一つは、繁閑の差の克服、二つ目は中国で生産する必要がないほどの効率化である。

 ゴルフウエアでもスラックスはどちらかといえば、人気ブランドの寡占化が進んでいる。㈱ナカヤさんが手がけているような人気ブランドになると、多いと1ロット20,000枚に及ぶが、繁閑の差は大きい。極端なケースでは、「8ヶ月を100%の生産で終わった後、残りの4ヶ月はゼロの月もあります。繁閑の差は100%あり、これをいかに克服するかそれが常に課題です」と社長の中屋孝一郎さん。

株式会社 ナカヤ 株式会社 ナカヤ  
明和町斎宮
……伊勢神宮近くの工場。ゆったりした敷地内に寮もある
  JUKIのCADが活用されている。現在は「型紙を受けてCADに入力しているが、いずれはデータでの受け渡しとCAMまでつなげたい」と中屋社長  


2シフトの生産システムを確立

 繁閑の差を克服するために、この間の仕事を入れたり、稼働時間の短縮化……などを図っているが、同時に行っているのが社員の技能向上。こうした成果が、高い生産性を生んでいるのだ。かつて創業時の最盛期には80数名規模で工場が運営されていたが、今では33名。生産枚数は大きく変化していないそうだから、単純に考えて生産性の向上はかなり進んでいることになる。

 その具体的な例の一つが、まとめ作業の内製化である。かつては協力工場や内職にまとめ作業をお願いしていたが、それでは納期・品質の両面で不安があり、しかも外注管理や加工品の出し入れに手間がかかる。そこで、まとめを思い切って社内で行う仕組みを作った。

 さらに、効率化の秘訣は、仕事の進め方の工夫である。かつては、パーツと組立を同時に平行して進めていたが、パーツを前日加工し、翌日組み立てるという仕組みにしたことで、非常にスムーズに流れるようになったのである。いわば変形2シフトとも言うべきやり方である。今、流れは在庫を持たないで、一気にパーツから完成品を作ってしまうやり方が主流であるが、同社の場合は、一括受注で生産計画を比較的同社のペースで組める状況で可能になる工程管理法である。組立ラインに使われているハンガーも独自に工夫されたフリーフローである。

株式会社 ナカヤ 株式会社 ナカヤ  
パーツ生産と組立は2シフトで運営されている。
昼のパーツ班は、お休み
  ハンガーは独自のフリーフローである  



新しい仕事を取り込む
 とはいえ同社の課題は、やはり繁閑差の克服にある。閑散期の4ヶ月にどのように仕事を入れられるか、国内にほとんどなくなったスラックスだけに、高い技術を基盤に新しい仕事を始めることも可能だ。問題は、繁忙期にメイン製品の生産に影響しないこと。「ゴルフ・スラックスは当社の生命線ですから、これはどんなことがあっても顧客の要望に合わせることが前提。それを考えるとなかなか難しい」と中屋さん。

 依頼はほとんど通年の仕事であるが、同社では閑散期だけの仕事を受けたいという。贅沢な注文でもある。とはいえ、既に新しい仕事を始めるために、1部屋を確保している。今後の展開に期待したい。


株式会社 ナカヤ 株式会社 ナカヤ  
JUKI製のポケットセッターなどと並んで、テープカッターも使われている      


代表取締役社長 中屋孝一郎さん
「ゴルフ・スラックスの生産がすべての前提になっています」代表取締役中屋孝一郎さん

総務部長 松月利和さん
総務部長の松月利和さん
株式会社 ナカヤ
株式会社 ナカヤ

株式会社 ナカヤ

株式会社 ナカヤ



(株)ナカヤ
本社:三重県多気郡明和町
設立:1981年
社長:中屋孝一郎
従業員数:33名
生産品:ゴルフ・スラックス

 

JUKI Magazine PageNavigation