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<特集:山東省のアパレル工場>
売れ行き好調で、キャパを超える受注続く
2008年には90万平方メートルの工場で2千万枚を生産
 
蘭雁集団股分有限公司  董事長 盛文中さん
インタビュアー 重機(上海)産品服務有限公司
青島分公司
総経理  林 道亮
蘭雁集団股分有限公司の董事長 盛文中さんと重機(上海)産品服務有限公司の林道亮


山東省シ博市にある蘭雁集団股分有限公司は、1956年に創業した中国を代表するジーンズメーカーである。
紡績工場をもち、 自社で生地から生産する強みを生かして、年間680万枚を生産する。
いくら工場を拡張しても受注に追いつかないという。



 以前にうかがったときには忙しくて、生産が間に合わないとおっしゃっていましたが、今も相変わらずお忙しいようですね。

 はい、仕事が増えて、能力以上のオーダーを抱えている状態で、生産が間に合いません。工場を増設しているのですが、 それが出来ると、その間に予想注文が増えてもう、間に合わなくなっています。

 御社は、ジーンズの生地から縫製までの一貫生産をされていますね。どのような商品が増えているのですか?

盛 当社は紡績からジーンズの縫製商品まで一貫して手がけていますが、生地もジーンズ製品も販売しています。その内、ジーンズ製品の95%は輸出向け、国内向けは5%しかありません。輸出国と地域と言うと50%が日本向けで、残りの45%が欧米向けやアジア向けです。

  輸出はどこも増えていますね。日本向けでは、これまでも取引のあった小泉さんやユニクロさんからのオーダーも増えていますし、15万~20万着というオーダーで増えていますので、納品に間に合わせるのが大変なのです。



84年にジーンズの紡績をスタート
年間生地6,000万m、680万枚を生産


 御社は、56年に創業しましたが、スタートはジーンズ生地を手がける紡績工場からですね。

 はい、84年に紡績からスタートして、ちょうど20年 になります。現在社員は7,000人で、年間の生産量は、2003年の時点で生地は6,000万メートルになりました。99年が2,000万メートルでしたから、この4年で2倍に増えたことになります。ジーンズの輸出をはじめたのは92年からで、こちらは99年が200万枚だったのが、2003年には680万枚と、3倍以上になりました。

 いまや中国最大のジーンズメーカーといっていいですね。中国のジーンズ生産はどのような状況なのですか?

 中国のジーンズ産地としては、大きく3つがあります。
   ①山東省 博市
   ②江蘇省 徐州
   ③広東省
です。それぞれ発展の状況が違っていて、 博と徐州は生地の紡績から始まってジーンズの縫製に進みましたが、
広東省は逆にジーンズの縫製からスタートして紡績を始めています。
中国のジーンズ生産は大きく成長しつつありますが、 しかし同時に、国内企業の競争は厳しくなってきています。

 御社は、輸出が95%とのことですが、国内向けが5%しかないというのはどういう理由ですか?

 国内市場は利益は大きいのですが、販売は競争が激しいんですね。当社はジーンズを作り始めた当初から輸出をメインにしてきましたから国内市場には慣れていないんです。国内市場は売上代金の回収の問題もあってなかなか難しい面があり、国内販売は大きな課題になっているのです。
当社としては将来的には国内販売にも力を入れたいと思っていますが、独自に小売を手がけるのは難しい面もあるので、国内市場は専門の販売会社に任せたいと思っています。
それと、当社の主力は日本向け商品ですが、日本向けの輸出は、世界で一番品質が厳しいんですね。その日本に輸出しているということは、品質がいいという証明でもありますので、この技術を生かして、国内向けのブランドを育成したいと思っています。



成功の秘訣は
高品質化と先端設備の導入


 ジーンズ生地の紡績工場を始めて20年、縫製を手がけてわずか10数年ほどで、中国を代表するジーンズメーカーに成長されましたが、成功された秘訣はどこにあるとお考えですか?

 わたしは紡績出身なのですが、この仕事を始めるときに、生地の生産からはじめました。それが良かったと思っています。ジーンズの場合ロットが非常に大きくて、生地の手配が重要なのですが、自分たちで紡績工場を持っているので、生地の手当てに問題がない。しかも、独自に新製品を開発できるし、得意先に対しても新しい生地などをどんどん提案できます。
商談でも、得意先との打ち合わせに先方からサンプルを見せられて、“この生地作れますか?”と聞かれることが多いのですが、独自に作れるということが非常に大きかったと思います。

   もう一つは、設備ですね。わたしたちは最新鋭の設備を導入してきました。紡績・染色ではドイツ、イギリスの設備を導入し、縫製工場ではJUKIのミシン……という具合に、一番いい設備を入れてきた結果、高品質を確保することができた。特にミシンは92年にジーンズの縫製を始めたときからJUKIミシンを導入し、グループの全工場では2,500台くらい入っているのではないでしょうか。

 ジーンズの縫製を始められたときから輸出を行なってきましたが、特に日本向けの商品は品質が厳しいですよね。どうされましたか?

 最初はとにかく、品質を優先しました。初期は検品で2、3%の不良が出ている状態でした。ボタンなし、ベルトループなし、寸法ずれ……などです。そこで、得意先と一緒に工場内に検品会社を作り、全品を検針機を通して、効率よりも品質を高めることを社員に強くアピールしました。

   一方ではISO9000、ISO14000、ISO18000などの国際標準を導入し、認定取得を通して、品質・環境意識を高める努力をしました。こうした認証を取得したことで、不良が減っただけでなく、設備の事故や故障も減少して安全性も高くなるなど現場の管理レベルは飛躍的に向上しました。
欧米の会社は取引前に視察に来ますが、工場を見て、品質・環境のレベルを確認し、安心してくれます。

蘭雁集団股分有限公司:工場
蘭雁集団股分有限公司 董事長 盛文中さん
山東省 博を中心にジーンズの一大産地を形成している蘭雁グループ。生地からの一貫生産で、競争力もあり、日本や欧米市場への輸出は大きく発展している。
  効率を犠牲にしても、「とにかく品質を向上させよう、と社員にアピールしたことが、大きく成長できた秘訣でしょう」と盛文中董事長。


2008年までの5年間で約3倍の増産
オペレータは倍増、募集は問題なし


 最近、ヨーロッパ市場をごらんになってこられたようですが、いかがでしたか?

 世界中のアパレル生産は、産地が移動していますね。欧米や香港、台湾などもアパレル生産はほとんどなくなっています。ジーンズ市場も拝見してきましたが、高級品のジーンズがわずかに生産されているだけで、普及品はヨーロッパでは生産されていません。結局、これからは中国がそれらを引き受けることになると思います。
その意味で、中国のアパレル生産は、今後もいっそう伸びるのではないかと思います。

 御社も新しい工場を建設中と聞いていますが、どのような工場になるのですか?

 近くの周村というところに、工場を作っています。敷地は、1500m×666mで、約90万平方メートルです。
わたしたちは2003年から自家発電を始めていますし、また2004年にはエアーの供給も開始していますが、この新工場でも自家発電の発電所とエアーの供給装置を設置して電力もエアーもすべて自給する予定です。

   ここに約36,000平方メートルの紡績工場と200,000平方メートルの縫製工場を完成させる予定です。
この工場が完成すると、2008年にはジーンズの生地で約1億メートル、2,000万枚の製品を生産する予定です。

 約3倍の生産増ですね。そうなるとオペレータが必要になりますが、募集は問題ないのですか?

 現在、約7,000人の従業員がいますが、それが、12,000人になります。募集は、そんなに難しくありません。
山東省内で集めるのは大変ですが、広東省、河南省、四川省……などで募集すれば、縫製学校の生徒もたくさんいますし、問題なく集まります。


中国経済はまだ発展する
人件費の上昇も、一部地域だけ


 最近、あちこちで人件費が高くなっているというお話しを聞くのですが、いかがですか?

 上海やその周辺など一部の地域では、人件費も高くなっているのかもしれませんが、山東省ではそれほど上がっているということはありません。今回の募集でも、人件費は変わらないはずです。

   今回もイタリアで聞きましたが、人件費が安いからとモロッコに仕事を出しているのですね。そこで、モロッコの人件費はどのくらいですかと聞いてみるとイタリアの8分の1だというんです。同じように計算してみると、中国は約22分の1なのです。

   経済の発達で確かに人件費は上がりますが、中国は国土が広く労働力は豊富ですから、そんな急激には上昇しないと思います。おそらく他の地方都市でも、それほど人件費は高くなってはいないのではないでしょうか。

   まだまだ中国は発展します。安心してください。

 ありがとうございました。
蘭雁集団股分有限公司:工場内縫製場
生地の紡績から縫製まで一貫生産 蘭雁集団股分有限公司:工場内縫製場

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