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知って得する縫いのヒント

ダウンウェア(中綿入れ)縫製で発生する縫いシワの解決方法

中綿を裏表生地の間に入れて、 本縫ミシンで縫うときに生じる縫いシワなどの解決法

問題点

中綿の縫製を行うときに以下のような問題点が発生します。  
 ①裏側に縫いシワが発生する。(写真1)
 ②表裏の生地が縫いずれを起こす。
 ③交差縫いのところでタック状態となってしまう。(写真2)
 ④薄手の布の場合に縫い目が波打つ。
その他、布に送り歯キズが付く、縫製中に生地が暴れるなどの現象もあります。
写真1 写真2 写真3
写真1 写真2 写真3

問題発生のメカニズム

〔生地送りによる縫いズレ、布地の変形〕
 下の生地が上の生地より多く送られることで縫いズレ(縫いイサリ)が1針ごとに発生し、シワとなります。縫い終わりを見ると上下の生地端が揃わず、縫いズレ状態となっています(図1)。

〔薄手の生地の場合に縫い目が波立つ〕
 生地が薄く、ピッチが大きい(粗い)送り歯を使うと歯の凹みに生地が入り込み、波打った状態で縫われることになります(図2)。

〔押えの圧力により縫いシワが発生する〕
 押え圧力が強いと縫いシワになり、逆に押え圧力が弱いと十分に送られず、送りピッチが小さくなる傾向にあります(図3)。

図1 図2 図3
図1 図2 図3

解決方法

1.送り歯の山ピッチの小さいものに交換する
 針は7番~11番の細めのものをご使用下さい。送り歯のピッチは標準が1.5mmですが1.15mmの細かいものに取り替える。下布が送り歯の山溝に入りにくく、縫いシワになることを防ぎます。
 JUKI品番
  B1613-012-A00 標準(P=1.5mm)
  B110-79209(3枚歯 P=1.15mm)
  B110-79308(4枚歯 P=1.15mm)

2.ウレタンゴムの送り歯利用
 布にキズがつく場合にはウレタンゴムを焼き付けた送り歯をご使用ください。
 フラットタイプは薄い生地で布地が波型になる場合の解決にもなります。
 JUKI品番
  山タイプ B1613-490-B0K
  フラットタイプ B1613-490-E0A
  針板 B1109-490-E00(山、フラット送り歯とも利用可能です)

3.送り歯高さを下げる
標準の送り歯高さは0.8mmですがこれを0.5~0.7mm程度に下げます。これで、布地が暴れる場合の対策となります。なお、古い送り歯や傷のある送り歯は生地への食いつきが悪くなることがありますので、新しい送り歯に交換して下さい。

4.特殊押えの利用
 図4~図6のような送りを利用すると上布の送り抵抗が少なくなり、縫いズレ(イサリ)防止に効果があります。

図4 図5 図6
図4 図5 図6
図7 図8 図9
図7 図8 図9

5.微量押え上げ
 押えを浮かすことで縫いずれを防ぐことができます。押さえの浮かし量を調整できる「微量押え上げ装置」があります(写真3)。DDL-9000タイプではミシンの裏側に押えを上げる調整ネジがありますので、これで調整してください。
 JUKI品番
  112-43763(DDL-5571、DLU-5490用)
  236-11056(DDL-9000用)
  232-09059(LH-3100タイプ 二本針ミシン用)

6.上下送りミシンの利用
 中綿縫いには1本針本縫い上下送りミシンを利用すると非常に良い結果が得られます。ただし、ダウンウェアのように厚物の縫製では上送り歯が上布を手前に押す状態になりやすく、上送り歯を上げる調整が必要になります。

【DLU-5490上送り歯の上下方向調整方法】
 ミシン背部の側面カバーを外し、上送り上下腕(前)締めネジを緩めます(図7)。
 ここで上送り腕(前)に付いている上下腕コロを手前(A方向、図8)に押し付け、上送り歯(図9)を1~2mm程度上げる。この状態で締めネジをしっかりと締め付けます。布が厚いものを縫製する場合はこの調整を行います。
 注)上送り歯を上げ過ぎると針棒にあたる恐れがありますので、プーリーを手で回して上送り歯に当たらないことを確認してください。

7.パターン縫製の利用
  一般的な地縫いにパターン縫製も有効です。これはプラスチック板を2枚利用し、針穴溝を掘り縫製を行うもので、縫いシワ、縫いズレを防ぐことが出来ます。プラスチックは通常1mm、桟の部分は3mmの板厚のものを使います。また、滑り止めにサンドペーパーを貼り付けます。型を2つ作ればオーバーラップ作業も行え、生産性も高まります。

                                                     (縫製研究所 高橋賢二)

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