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知って得する縫いのヒント

薄地のバイヤステープバインダーで発生する不良を 専用部品を使って解決する法

スーツのポリエステル裏地にバインダーを使って、レーヨンのバイヤステープをパイピングするのですが、うまくいきません。

問題点

 裏地などポリエステルの薄地にレーヨンのバイヤステープで四ツ巻き縫いなどをするときに以下のような問題が発生します。
①テープがよじれる  
②ステッチが外れる  
③身生地にパッカリング(縫いしわ)が発生する
これらの問題点に対するチェックポイントと解決法は以下の通りです。

1.テープよじれのチェックポイント

①テープ幅がバインダー入り口より大きくないか?
 市販のバインダーには通常綿テープ用とナイロンテープ用の2種類があり、また利用するテープ幅、仕上がり幅や巻きの種類に合わせて各種用意されています。バインダーを製作する場合にも布の厚さ、段部の有無などを考慮して適切なものを作成おり、縫製素材とバインダーの適合が第1のチェックポイントとなります。
 バインダーの入り口に対してテープ幅が大きいと縫製したときに抵抗がかかり、テープの「よじれ」が発生します。従って、バインダー入り口のサイズとテープ幅が合っているか確認してください。(写真1)

②テープリールを利用する
 テープにテンションがかかるとよじれの原因となるので、図1のようなテープリールをご用意下さい。軽く回るテープリールを利用し、ミシンテーブルの右側にしっかり固定します(JUKI品番MAR-006010A0)。
図1
図1 テープリール
写真1 写真2 写真3
写真1 バインダー入り口サイズ 写真2 ステッチ幅を確認する 写真3 バインダー出口定規部を押さえに隙間なく取り付ける

2.ステッチ外れのチェックポイント

①テープ幅がバインダーの入り口幅より小さくないか
 よじれの場合とは逆にバインダー入り口に対してテープ幅が小さいとテープがうまく巻けず、ステッチが外れることになります。  

②バインダー出口の取り付け位置は正しいか
 バインダーの出口部分でテープの縫い代が1.5mm~2.0mmとなるように取り付けてあるか(写真2)。また、バインダー出口の定規部分が押えと隙間なく、取り付けられていることが必要です。(写真3)隙間があるとステッチ幅が安定せず、よじれの原因ともなります。JUKIでは表1のようにレーヨンテープに適した巻き具を取り揃えておりますのでご活用下さい。
写真4 写真5
アタッチメント名 巻き型 仕上がり巾 テープ巾条件 JUKI品番
1.N162 2ツ巻き 6mm テープ巾12.5mm両折り使用 MAN-16213SSB

2.N163

4ツ巻き 5mm テープフラット巾20mm MAN-1630F0B0
3.N163 4ツ巻き 6~7mm テープフラット巾25mm MAN-1630H0B0
4.N164 3ツ巻き 5mm テープフラット巾20mm MAN-16420SBB
写真4 押さえをできるだけ弱く調整する 写真5 釜   表1 巻き具

3.パッカリング(縫いしわ)のチェックポイント

 裏地など薄物素材へのレーヨンのパイピングはパッカリングが出やすく、特別の対応が必要です。  

①押え圧を出来るだけ弱くする
 押え圧力は布とテープが送られる最低限の圧力になるよう出来るだけ弱く調整します。  調整は写真4の押え調節ナット(A)を緩め、押え調節ネジ(B)で調整します。強すぎる場合には布に当たりや傷がつく可能性があり、弱過ぎると生地が確実に送られずピッチが小さくなるなど、縫いが不安定になります。  
②上糸張力、下糸張力を弱くする
 上糸は上糸調子皿を緩め、下糸はボビン糸調子バネのねじで調整しますが、レーヨンテープなどでは調整しきれないこともあり、専用部品が必要となることがあります(⑤参照)。
③針と糸の適合性を確認する
 針は7番から9番の細い針をご利用ください。また糸も80番~60番程度が適切です。
④縫い速度を調整する
 2500rpm~3000rpmが望ましい。
⑤専用部品の利用
 JUKIでは薄物用のゲージセットとして表2のような 1本針自動糸切りミシン(DDL-5571、DDL-9000)用薄物用交換部品を用意しています。

 主なパーツの特長は以下の通りです。
・針板:針穴が標準より小さくパッカリング予防に効果的です。
・送り歯:送り歯のピッチが小さい薄物用となっています。
・押え:押え金の裏の逃げ溝が小さいタイプでパッカリング防止用です。
・糸調子バネ:標準より細いバネ径となっています。
・糸取りバネ:糸調子バネと同様に細くなっています。
・押え調節バネ:押え圧力を微妙に調整できる弱いバネとなっています。  

⑥無回転ボビンの利用
 無回転ボビンはボビンの回転なしに下糸が供給されるので、下糸張力は極低張力で安定し、ボビンの空転もありません。そのため、薄物生地のパッカリング防止に最適です。また、縫い速度の違いやボビン糸量により縫い調子が不安定になるケースでも有効です。釜、ボビン、ボビンケースは表3のような専用部品となります。
 この釜は通常の釜と異なり釜軸がありません。また糸通しは写真7のようになります。
 なお上記の釜を利用する場合は下軸芯よりの油量を止めるためにネジ交換が必要になります(止めネジ:110-79506)。                                                      (高橋賢二)
写真6
品 名 条 件 品  番
針板 針穴1.3mm (110-79001)

送り歯

3枚送り歯 (110-79209)
押え 押え裏 逃げ溝小 (D1524-555-DBA)
糸調子バネ φ0.9mm (D3128-555-D00)
糸取りバネ φ0.5mm (D3129-555-D00)
押え調節バネ   (B1505-227-T00A)
アーム糸案内   (113-05513)
糸案内取り付け板C   (114-03805)
ナット   (114-05308)
平座金   (114-04209)
写真6 ボビンケースとボビン   表2 1本針自動糸切りミシン(DDL-5571、DDL-9000)用薄物用交換部品
写真7  
品 名 条件
微量給油タイプ 釜 270-03557(写真5)

ドライタイプ 釜

270-03656
ボビンケース 270-03755(写真6)
ボビン 270-03805
写真7 糸通し   表3 釜、ボビン、ボビンケース専用部品

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