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LK-1900A 高速電子閂止めミシン
LBH-1700 高速電子眠り穴かがりミシン
閂止め、穴かがリ作業の内製化で、短納期を実現
多様な縫いパターンをワンタッチで変換、女性もラクラク操作
 
株式会社サエダドレス 代表取締役社長 小枝 一美さん
■培ってきた高品質技術を基盤に短納期で磨きをかける

「バブルの時代にも、ミシンに投資する以外にはほとんど金を使わず、銀行からの借金はゼロ。ミシンもリースではなく買い取ったほどの堅実経営が、今の会社を支えています」とおっしゃるのは代表取締役小枝一美さん。
  堅実な経営でわき目も振らずに、ひたすら目指したのは、高品質技術の育成である。小枝さん自身も、縫製を学び指導員の免許まで取っている。技術力は半端ではない。
  昭和37年、現会長の小枝淳一さんが創業したサエダドレスは、昭和47年に法人化し、平成元年には現在の工場を建てた。バブル崩壊後の平成元年に、市から都市美創出賞の優秀賞をいただくほどの工場を新築できたのも、堅実経営の結果である。
  現在、人員は23名。裁断2名、仕上げプレス2名、残りが縫製で2ライン。軽いもので一日に150~200枚を仕上げる。
  手がけるアイテムは、グレードが高めの専門店向けの婦人用のジャケット、ブラウス、スカート、パンツ……などで、トータルに仕事を受けられるのが同社の強みだ。当初から婦人用の重衣料を手がけてきただけに、その技術は折り紙つきで、同素材の商品などはトータルな仕上がりの顔を同じにするためにサエダさんでなければ、というお客さんも少なくない。
  「求人難の時代にも、毎年、岐阜県下から3、4名の新卒を採用していましたが、最近では難しくなり、いまでは中国からの実習生なしではやっていかれない」(同)という厳しい状況の中でも、ベテランの日本人だけでなく、中国人実習生も高い技術で、全員が複数工程をこなす。誰が欠けてもバックアップできるような体制がとられており、同時にこうした体制が短納期化を実現している。

  株式会社サエダドレス01
岐阜市から昭和62年に「都市美創出賞」を授与された工場。和風でありながらモダンなデザインの明るく機能的な工場
  株式会社サエダドレス02
「穴かがリは縫製工程の途中でまとめやさんにお願いしないといけないケースもあって、クイック生産の大きなネックになっていたのですが、このミシンの導入で内製化とクイック生産ができるようになりました。」とサエダ社長が語る高速電子眠り穴かがリミシンLBH-1700
 

■穴かがり、閂止め作業の内製化でいっそうの短納期をめざす

そんなサエダさんが更なる短納期化を目指して導入したのが、高速電子閂止めミシンLK-1900ASSと高速自動眠り穴かがりミシンLBH-1700Sである。
  「まとめ作業など一部を会社の卒業生がやっている内職にお願いしていましたが、急ぎの仕事などではどうしても、余分な時間がかかります。物によっては、縫製の中間で内職に出すものもあり、お客様が求められるいっそうの短納期化を実現するために、大きなネックになっていました。そんなときに、堀ミシンさんからこれがいいと勧められて購入したのがこの2つのミシンです」(同)。
  「最初に購入されたのがLBH-1700で、これはいいと直ぐに、閂止めミシンLK-1900も買われました。品質が安定するだけでなく、色々な縫いパターンがパネルの操作だけでワンタッチで変えられるので、ロットが決して多くない工場にはぴったりの商品です。」と同社とは永いお付き合いの㈲堀ミシンの代表取締役堀孝司さん。
 堀ミシンさんと同社は、お互いに先代の時代からのお付き合いで、2代目も高校時代からの知り合いだ。気心も知れ、いざとなったら夜でも駆けつけてくれるので信頼もある。同社にとっては貴重な縫製機械の情報源でもある。
 「閂止め工程は、パンツなどでは1本に5,6箇所ありますが、パターンや長さがそれぞれ違う。それらに合わせてワンタッチで切り変えられるので、ロットのサイズは問題になりません。お客様は閂止め部をソフトに上げて欲しいとおっしゃるのですが、それもこの機械で大丈夫です」と小枝さん。
 閂止めミシン……の導入は初めてだけに、使い勝手は?とお聞きしても、「こんなものでしょう」という答え。まだ実感するほど使い込まれてはいないようだが、縫い速度は世界最高の3000回転、充実した糸切り機能、油汚れを解消、30の縫いパターンを記憶しワンタッチで切り替え可能……など充実の機能は使い込むうちに実感されることだろう。

  株式会社サエダドレス03
明るい工場では、中国からの実習生とベテラン日本人のコンビネーションで高品質な物づくりが行われている
  株式会社サエダドレス04
  サエダさんのドレスは「どれも同じ顔で仕上がってくる」とお客さんの評価も高い。難素材でもいとわないので、頼りにする得意先も多い。
■設備の導入が次の仕事につながる高品質・短納期で仕事を広げたい

「この設備を入れて効果は、もちろん高品質、短納期をさらに実現するということがありますが、なによりもお客さんの評価をいただいて、新しい仕事につながる可能性があるということです」と小枝一美さん。
 「私たちの時代に比べれば、厳しい時代になりました」と今も裁断で活躍する会長小枝淳一さんはおっしゃるが、そんな中でも高品質・短納期技術をバネにお客様の信頼を獲得し、新しい仕事につなげるという期待も生まれている。
  「仕事を確保するのは大変ですが、中国人研修生も飲み込みが良く、教えれば覚えてくれる。本当は3年といわず5年くらいいて欲しいところで、技術力を生かして何とかがんばりたいと思っています。技術に自信を持てば、新しい仕事があったときもきちんとお話が出来るようになります。」と小枝さん。
 80年代から、岐阜のアパレル工場さんは積極的に中国進出を果たしてきたが、同社はその流れに乗らず、国内で技術を向上させ、社員数を少なくしてパートによる9:00-4:00勤務体制にするなど、コストを抑えて高いレベルの服作りを目指してきた。それはひとつの意思決定であり、それなりの成果をもたらしてきた。
 そんな同社がこれからどこを目指すか。中国での生産も選択肢の一つに入れなければ……と小枝さんはおっしゃるが、意思決定のキーワードはあくまでも“高品質”にあるようだ。

代表取締役社長 小枝一美さん
「銀行からお金を借りずに堅実にやってきたのが正解と思います」と小枝一美さん

小枝淳一さん
「いまは、私らの時代と違って、工場経営はずいぶん難しくなりました」と会長の小枝淳一さん

堀孝司さん
「私の父とお付き合いいただいていたサエダさんの先代に、“あんたがミシン屋を継がないなら、取引を止める!”と脅かされてこの仕事を継いだようなもので、以来大変にお世話になっています」と(有)堀ミシン 代表取締役 堀 孝司さん

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