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vol.216特集1
熟成された商品は上~下流の意識の共有で生まれる
特定多数をターゲットにした商品を作る
 
㈱ラピーヌ 取締役副商品統括部長 北博成さん
  • ラピーヌさんの生産の拠点は、静岡県富士吉田市にある服飾研究所です。ここで高品質、ハイグレードなモノづくりの技術と技能を開発・蓄積し、協力工場などを通して、ラピーヌ製品を生産する各工場へと広げる仕組みになっています。
  • ラピーヌ製品は、中国工場でも生産されていますが、技術的にはこうした服飾研究所や高品質生産を実現している協力工場を通じて、中国工場の技術は国内とほとんど変わらないレベルにあるといわれています。
  • スロー・ファッション……という表現に対して、同社取締役商品開発副本部長の北さんは、開発の局面では”クイック”、”スピード”が重要だと力説されていました。それは言い換えれば、「仕上がりとしてグレードの高いスローな商品を、いかにクイックに開発・生産するかが重要である」ということかもしれません。
  • そこで重要になってくるのがモノづくりの技能ですが、職人さんにそれが蓄積されているとすれば、だんだんなくなってゆくのをいかに伝承するかが課題で、それは、縫製だけではなく、協力工場などのパートナーを含めた服作りのプロセス全体で考えるべき問題である、と北さんはおっしゃいます。
  • たとえば、そうしたベテランの力がどのように重要かといえば、「市場をリサーチしたり、消費者の志向を探ったりするときに、知識や技能など経験を十分に持ったベテランが見るのと、若い担当者が見るのでは全然違う。ベテランは見たものの意味をきちんと把握できるが、若手は経験もないので、重要なポイントなのに見過ごしてしまったりすることが多い。ベテランの力が非常に重要なのです」。
  • そうしたベテランの経験を蓄積し、後進に伝承するために、同社では”タブー集”を集めて、それを蓄積しています。失敗事例をたくさん集めて、それを教訓にしようというものです。同社の高い品質を実現する技術は、こうしたノウハウの蓄積・共有によりもたらされるものです。
  • また、同社では、最近、企画担当者が富士吉田の服飾研究所に出かけ、縫製担当者とコミュニケーションをとるという研修を実施しています。それまでお互いに顔の知らなかった企画担当者-縫製担当者が、お互いの人間性や息遣いを感じながら意見を交換することで、デザイン意図が明確に伝わり、企画者の意図した商品ができやすくなったといいます。こうしたコミュニケーションの機会をもったことで、以後は電話で話しをしても、以前に比べると伝わり方が全然違うといいます。これは、これまでもアパレルメーカーとアパレル生産工場の間のギャップとして大きな課題となっていたことで、両者の間のコミュニケーションが高い感性をいかした商品作りのポイントになっていることを証明しています。
  • 不況といわれる時代になっても、同社は比較的好業績を維持しています。その理由を聞いてみると、「苦しいときにも、企画担当の人間を減らすことをしなかったためではないでしょうか」とおっしゃいます。北さんは、「モノづくりのスタンスは、ハイグレード」とおっしゃいます。自社のコンピテンシー(本領・強み)がどこにあるのかをきちんと把握して、経営をされている証拠ではないかと思います。
北博成さん

㈱ラピーヌ02

㈱ラピーヌ05
ラピーヌのホームページ⇒ http://www.lapine.co.jp/

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