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あの人に聞きたい
中国のWTO加盟後のアパレル環境は
どのようになるでしょうか?
 
株式会社伊藤忠繊維研究所 代表取締役 米良章生さん
  • 米良さんは、伊藤忠の繊維担当として、40年以上にわたって繊維の輸出にかかわってこられました。そのお話は、日本の繊維業界の世界での位置や動向について非常に興味深いものがあります。
  • 今回は、中国のWTO加盟の影響について、わかりやすく解説していただきました。果たして、日本のアパレル生産が中国と無関係に生き残ることができるか? 米良さんからこの問いが発せられましたが、皆様はどのように受け止められましたでしょうか?
  • 米良さんご自身は、長年アメリカに滞在されて日本の繊維輸出の仕事を担当されてきました。時代の流れで言いますと、1970年代までは、日本の繊維は世界の産地でもあり、貿易の中心的な品目でした。その頃にはすでに縫製品は輸出の花形産業の位置から降り始めていたと言います。しかし、85年のプラザ合意をきっかけに円高が始まり、繊維も急速に競争力をなくしました。この頃から、日本以外の産地が台頭し始め、長繊維は韓国、短繊維(綿布)は中国へと中心が移った……と言うのが、米良さんがお話くださった、おおよその流れです。
  • 以前は、繊維の問題で中国に行かれることが多かったようですが、1992年に帰国されてからは、縫製業の合弁などのお話で中国にいかれることが多くなったそうです。
  • 最近でも、月に1度は、縫製工場の合弁の話があるとのことで、米良さんご自身も年に4,5回は中国へ行かれます。中国との合弁のお手伝いも、初期は縫製工場の合弁の話が多かったそうですが、最近では、アクリルプラントなど紡績・毛紡・合繊の川中の合弁のお話も多いようです。
  • 中国とのアパレル製品の商談は、初期には、出来上がっている製品から選択して購入するというものでしたが、そのうちに素材を日本から持ち込んで完成品を持ち帰るへとかわり、近い将来、素材は中国で調達し、完成品は中国、日本、世界へと輸出する方向になるだろうとおっしゃっています。その際に重要なのは、"中国工場の縫製力をいかに活用するか"であるとのことです。
  • 縫製は、今後の中国の技術向上を考えると、中量品の生産を前提にすると、日本ではむり、中国には勝てないと言います。中国は次々と新しい設備を導入して、生産能力は質量ともに急速に向上しています。労働力、機械力の両面から見ても太刀打ちするのは難しい。
  • 企画・立案、小売・流通の面で、日本は優位にあり、この優位さと中国の優位さを組み合わせる以外に生き残りは難しいのではないかと言うのが米良さんのご意見でした。

米良章生さん

米良章生さん

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