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あの人に聞きたい
FLS-350NA 電子ハンドステッチマシン[イタリア仕様]
 
株式会社サンアイ

細糸だけでは物足りない
サンアイさんのステッチ加工は古い歴史があります。ハンドステッチでは、間違いなく先駆的な工場といえるでしょう。11年前にハンドステッチを入れ始めてきましたが、そのうちにデザイナーが細糸では物足りなくなってきます。太い糸でも出来ないかという要求がくるまでにはそれほど時間がかかりません。横山さんはステッチマシンを使ってさまざまな試行錯誤を繰り返し、やがて太目の糸でステッチを入れるにはどうしたらいいか、方向が見えてきました。こうして可能になったのが、SPC5番での加工です。そして、最近2、3年前から太糸ブームです。この育ての親こそ、サンアイ、横山さんなのです。


ハンドステッチで製品は、見違えた顔に・・・

サンアイさんがステッチマシンで入れているステッチは見事です。1着のジャケットに、総距離にして、2メートルほどの長さがあるものもあります。一般的に、ステッチがデザインの核として活用されているケースは余りありませんが、ジャケットの前身頃に入れられたステッチのラインは、縦横に走ってそれ自体に主張があるようです。冬物で60%が、春夏物で50%の製品にステッチが入っているといいます。今後、ハンドステッチは定番になるでしょう。付加価値を高めたいというのはモノづくりを行なう工場がいつも心がけていることですから……と横山さんは言います。たしかにハンドステッチが入ることで製品は見違えた顔を見せてくれます。 同社では社員は1/3が創業以来のベテランといいます。こうした経験が、技術力を形成しているのでしょう。同社ではハンガーで移動し、中間検品はしていません。こうしたことも社員の長い経験が可能にしたものでしょう。最後の仕上げアイロンを担当するのがベテランの牧野さん。ステッチのラインも生きる見事な仕上げ振りです。


中国は脅威?

横山さんは、サンアイさんにとっては、中国はそれほど脅威にはならないとおっしゃいます。中国のアパレル製品の品質が向上してきたといっても、量産品の品質向上であり、いわばテレビのような工業製品レベルでの品質向上です。個別の製品作り、一品縫製加工で日本の技術力を上回る製品づくりができるかといえば、それは難しい。感性を的確に形に表現するのが技術という横山さんにとって、まだ中国のアパレル製品は、感性が表現されているとは思えないというわけです。


新しい得意先、新しい技術

同社の仕事は、設立当初はエフワンさんの紳士服を作り、3年程後には婦人服に転換、12、3年前からはレリアンさんの製品を主として作っています。得意先として1社の比率が高くなると、効率的ですが技術も経営も偏るという危険性があります。横山さんも、理想的には、3、4社でバランスよく仕事をすることでしょう……とのこと。つい、効率を考えて、1社依存に便りがちですが、このことは心がけたいものです。これからも、いい仕事をしていきたい……技術に拘る横山さんは、新しい得意先、新しい技術に魅力を感じているようです。
 


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