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特集:不況下でも元気な企業/安徽省 中国服装産業状況 トップインタビュー2

特集:不況下でも元気な企業/安徽省 中国服装産業状況 トップインタビュー2
事業多角化でリスクを分散
今後10年で年産2000万枚の縫製工場へ

安徽星星服装股份有限公司
安徽星星服装股份有限公司 総経理 張 軍
安徽星星服装股份有限公司 総経理 張 軍

 六安市は上海駅から"和諧号"で約4時間半、安徽省西部の都市。中国十大銘茶の一つ、六安瓜片の産地として有名だ。その六安経済技術開発区のなかに安徽星星服装の本社と工場がある。268ムー(畝、1ムー=6.67アール)の広大な敷地のうち、現在使用しているのは6分の1にすぎない。2年ごとに1棟ずつ増設し、10年後には敷地を満杯にする計画だ。2006年までは製品のすべてを輸出していた。これを今も続けていたら壮大な増設計画は描けなかったに違いない。
工場
工場

安徽星星服装股份有限公司
安徽星星服装股份有限公司

工員
工員

サンプル室
サンプル室

縫製ライン
縫製ライン

DDL-8700-7 1本針本縫自動糸切りミシン
DDL-8700-7 1本針本縫自動糸切りミシン

MO-6704D セミドライヘッド高速オーバーロックミシン
MO-6704D セミドライヘッド高速オーバーロックミシン

LBH-1790S 高速電子眠り穴かがりミシン
LBH-1790S 高速電子眠り穴かがりミシン
設立から11年で総資産6.8億元の混合型企業集団に

 星星服装は総資産6.8億元、総従業員5000人以上を誇る安徽星星集団の中核企業である。星星集団の歴史は設立から11年とまだ若い。集団董事長管傳玉、服装総経理張軍らが1998年、鞄工場を母体に旅行用品の製造販売会社を興したのが出発点である。管董事長は数学、張総経理は国語の教師からの転身だった。
 その後2003年に家用紡織品、2005年に服装と業務範囲を拡大していく。今では星星軽紡(集団)、星星服装、登克爾旅游用品、星星農業生態科技、玉友紡織品、星星軽紡集団進出口貿易、星星房地産開発、星星制鞋を傘下に持つ混合型企業集団に成長した。「なぜ短期間に事業を多角化したのか?」という問いに対し、「リスクを分散するためだ。一つの事業しか手掛けていないと、その事業が困難に直面した時、会社全体が苦しくなる。いくつもの事業を展開していれば、一つが苦戦しても、他の事業で補うことができる」と張総経理は答えた。張総経理は服装、縫製の専門家ではない。しかし彼は言う。「専門的な問題は専門家に任せればいい。経営者として最も重要なことは、常に新しい発想と方法でマネジメントすることだ」。


輸出一辺倒から国内向け主力にシフト

 服装事業は香港を含む海外からのOEM(相手先ブランドによる生産)受注でスタートした。しかし人民元高がじわじわと進み、採算での将来的な不安がぬぐいきれない。するとここでも"リスク分散"という考えが出てくる。2007年にスポーツウエア大手"安踏"の指定工場になることで国内向け比率を一気に引き上げた。輸出が苦戦しても国内向けで補えるからだ。現状では布帛製衣料年産340万枚のうち、安踏へのOEMが220万枚と約65%が国内向けになっている。輸出OEMもドイツ"Adidas"、フランス"Decathlon"、香港"佐丹奴"など著名ブランドばかりである。


ニット縫製にも進出、OEMのリーディングカンパニー目指す

 星星服装には約1800人が働いている。縫製ラインは48あり、それぞれに34人が配置されている。ミシンは1200台。沿海部の工場とは違い、全員が省内の出身で定着率も高い。前の会社も含め、平均6年の縫製経験がある。最近では沿海部の縫製工場から戻ってきた人も目立つという。
 今年下期から増設計画がスタートする。同規模の工場を10年かけて5つ建設する。完成すれば、従業員1万人、ミシン7000台、年産2000万枚の一大縫製基地が六安に出現することになる。
 ただ単純に規模を拡大するわけではない。ここでも「リスク分散」の発想が生きている。現在の工場は布帛の縫製工場だが、第2期増設はニットの縫製工場にする予定だ。当面の生産品種はスポーツ・カジュアルが中心になるが、布帛とニットの両方に対応することでOEM受注の条件が広がる。また星星農業生態科技が開発に取り組んでいる麻繊維の商品化にも意欲をみせている。
 自社ブランドを確立して販売に乗り出す可能性も否定はしないが、現時点ではOEM事業を強化し、OEMのリーディングカンパニーを目指す考えである。「年産2000万枚の段階では、国内・輸出の割合はどうなっているか?」という質問に張総経理は「その時に最も理想的な比率にする」と答えた。


高品質・高性能のJUKIミシンを主力に採用

 現在稼動している1200台のミシンのほとんどがJUKIだ。1本針本縫自動糸切りミシンDDL-8700-7、セミドライヘッド高速オーバーロックミシンMO-6704D、同インターロックミシンMO-6716D、高速電子閂止めミシンLK-1900A、高速電子眠り穴かがりミシンLBH-1790S、電子鳩目穴かがりミシンMEB-3200、入力機能付電子サイクルマシンAMS-210E1306などである。
 「2003年に家用紡織品の生産を始める時、他社の経営者から工業用ミシンではJUKIが世界ナンバーワンだと聞き、初めてJUKIの縫製機器を導入して以来、主力設備はJUKIを使っている」と張総経理は語る。その理由は(1)品質が高く、安定している(2)耐久性が良い(3)長時間の連続使用に耐える(4)機能が高い(5)各工程に適した機種のバリエーションが豊富--だという。安踏から指定を受ける前の段階で工場を視察に来た担当者からは「良い設備がそろっている」と高く評価された。
 これからの工場増設に当たっても省エネルギー、環境保全などにも配慮しながら高品質、高性能の設備を導入していく考えである。


JUKIのソフトサービスにも高い期待

 JUKIは高品質、高性能の設備を製造、販売するだけでなく、顧客である縫製工場に対する技術面、生産管理面でのソフトサービスを重視している。星星服装でも以前に保全者に対する技術教育をJUKIに依頼したことがある。「たいへん役立った。JUKIの技術力の高さを改めて感じた」と張総経理は語る。「年産2000万枚に向けた工場増設の計画を立てる際にも、プラント設計などアドバイスしてほしいし、工場診断や講習会などを通じて生産性向上にも協力してほしい」とJUKIに要望した。


安徽省という立地条件を生かして

 縫製機器も自動化が進むが、縫製産業は労働集約型から完全に脱却することは今のところ困難である。沿海部では労働コストが上昇しているだけでなく、他産業との競合で縫製工場に十分な労働力を確保するのが難しくなっている。
 すると注目されるのは中西部だが、あまり内陸部に入りすぎると質料調達や物流の問題がある。その点で長江デルタの西に隣接する安徽省は、交通の便利さ、労働力の豊富さから、絶好の生産地の一つといえる。六安市から上海まで高速道路をトラックで走れば6時間。六安市は700万人の人口を抱える。
 わずか11年で星星集団は安徽省の有力企業に成長した。次の10年では更なる成長が期待される。そのけん引役が服装である。
MO-6716D(右) セミドライヘッド高速インターロックミシン DDL-8700-7(左) 1本針本縫自動糸切りミシン
MO-6716D(右) セミドライヘッド高速インターロックミシン
DDL-8700-7(左) 1本針本縫自動糸切りミシン
AMS-210E 入力機能付き電子サイクルマシン
AMS-210E 入力機能付き電子サイクルマシン
LK-1900A 高速電子閂止めミシン
LK-1900A 高速電子閂止めミシン

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