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特集:不況下でも元気な企業/安徽省 中国服装産業状況

特集:不況下でも元気な企業/安徽省 中国服装産業状況
3月北京で開催された中国国際服装服飾博覧会
中国国際服装服飾博覧会
成長続いた中国縫製産業に急ブレーキ
中国服装輸出増加率の変化  改革・開放政策の下で急成長を続けてきた中国服装産業、2000年に360.38億ドルだった輸出額は2008年に1197.90億ドルと3.3倍に膨れ上がった。年率15%を上回る成長である。しかし2008年から調整局面に入り、前年比増加率は4.10%に留まり、2009年1〜3月はマイナス4.97%に落ち込んだ(別表)。仕向国別ではEUや香港向けが、省市別では広東、浙江、江蘇、上海の減少が目立った。
 国家統計局がまとめた2008年の服装生産量は206.52億件(布帛製93.40億件、ニット製113.12億件)で前年比4.80%増えた。しかしこの統計は規模以上の服装企業を対象にしたものである。中国服装協会によると対象企業の生産量は全体の45%前後だという。これをもとにした同協会の推計による全国服装総生産は460億件(布帛製品155億件、ニット製品305億件)で前年比10.16%減少した。昨年春から夏にかけ、欧米向け輸出OEMの下請けが多い珠三角地区の中小企業は資金繰りが行き詰まり、相次いで倒産に追い込まれた。それが背景にある。
 これらは、2008年前半は人民元高、コスト高、金融引き締めなど中国の内部要因によるものであり、同年秋からは米国発の金融危機に端を発した世界同時不況という外部要因によるものである。国務院は2008年8月以来、11%だった増値税還付率は今年4月から16%まで引き上げる支援策を講じ、2009年4月24日には「紡織工業調整振興規画」を発表するなど、服装を含めた紡織産業のてこ入れを行っている。
 研究機関の試算では、これにより紡織服装産業の純利益は211億元増加したという。しかし現実はそう甘くない。今年春、広州で開催された105回中国輸出入商品交易会では「還付率引き上げを理由に、海外バイヤーからの値引き要求が目立った。先進国市場の消費が冷え込んでいることが決定的だ」との声が多くの中国服装企業から聞かれた。
頼みの内需も供給過剰で乱戦模様
 輸出が苦戦必至なら国内需要で補おうと誰もが考える。実際、世界金融危機の影響から無関係ではないにしろ、国内の個人消費は比較的堅調だ。
 国家統計局の全国社会消費財小売総額によると、2008年の服装類は25.90%増えた。2009年1〜3月も鈍化したとはいえ14%超伸びた。しかしこの統計には卸売りも含まれる。沿海部を中心に大型商業施設の建設ラッシュが続いている。売り場はどんどん広がり、そこに並べる服装もどんどん増える。しかし消費者が購買する服装の数量は一気に増えることはない。
 中華全国商業信息中心がまとめた全国重点大型小売企業百社の今年1〜3月服装販売は数量で0.4%、金額で8.21%それぞれ前年同期より増加した。上海服装行業協会が調べた上海十大商城の同1〜3月服装販売は前年同期比で数量6.15%、金額9.39%それぞれ増加した。
 すなわち国内の服装消費は微増基調にあるといえる。この国内市場に向かって、輸出OEM企業が自主品牌を作って参入し、海外企業も続々と進出している。その好例がカジュアルウエア市場だろう。すでに高いシェアを持つ"ONLY" "VERO MODA" "JACK&JONES"はデンマークの品牌だ。スペインの"ZARA"、スウェーデンの"H&M"、日本の"UNIQLO(優衣庫)"なども店舗網を広げている。
"服装大国"から"服装強国"へ脱皮 勝ち残りのカギとなるのは"高品質" "高効率"
 報道によると、服装産業全体の利益率は2007年の1.48%が2008年には0.1%に落ち込み、2009年4月の時点で3分の2以上の服装企業が赤字だという。2008年前半には1万社以上の中小零細服装企業が倒産している。しかしすべての企業の業績が悪化しているわけではない。
 国内に比べて輸出の環境が悪いことは先述した通りだが、輸出を伸ばしている企業もある。中国紡織進出口商会が2009年1〜3月紡織品服装輸出企業排名を発表したが、トップは《重機季刊在中国》16号にも登場した寧波申洲針織だった。紡織品服装輸出全体が前年同期より9%減少するなかで、申洲針織は24.3%増やしている。
 景気が悪くなったからといって消費者が服装を1枚も買わなくなるわけではない。商品を選ぶ目が厳しくなる。それに対応して販売者は高品質の製品を効率良く生産できる工場を選んで発注を集中させる。その結果だ。この原理は国内市場でも同じである。
 中国服装協会の常務副会長蒋衝傑は中国紡織工業協会会刊《紡織服装週刊》のインタビューに答え、次のように語った。"自己調整、自己保護を通じて、待ち望んでいた新しい構造が出現する。市場という見えざる手の影響で、我々の企業はますます理性的に発展する。服装大国から服装強国への発展がそろそろ現実的になる"。
 現在の中国、社会主義市場経済の中では、紡織服装産業の主役は非国有企業である。調整局面を乗り切り、次の新たな飛躍を勝ち取るには自己責任原則による企業自身の自助努力しかない。服装産業の場合には、高品質の製品をいかに効率良く生産するかがカギを握る。《重機季刊在中国》18号では、健闘している服装企業2社――大同利美特(上海)と安徽星星服装を取り上げ、どんな取り組みをしているのかを紹介する。

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