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JUKI縫製研50周年・活動事例(1) ベトナム

JUKI縫製研50周年・活動事例(1) ベトナム
生産性向上・リーダー育成にJUKI縫製研を活用
アイデアと工夫で先進的な縫製工場を実現

TMI(VIETNAM)Co. Ltd.
陳 衍 佑(Y Y Chen) Managing Director
陳衍佑(Y Y Chen) Managing Director
陳衍佑(Y Y Chen) Managing Director

環境にも配慮された工場
環境にも配慮された工場

縫製工場ではさまざまな工夫が凝らされている。天井から吊り下げられた蛍光灯は、交互にVの字に取り付けられている。方向が一様でないのは、手元に影を作らないための工夫だ。
縫製工場ではさまざまな工夫が凝らされている。天井から吊り下げられた蛍光灯は、交互にVの字に取り付けられている。方向が一様でないのは、手元に影を作らないための工夫だ。

現場ではさまざまな工夫が見られる。2本針オーバーロックミシンMO-6914S 糸切れとほこりを防ぐために、糸は細いパイプを通して送られている。糸巻きはミシンの下部に設置された糸置きケースから導かれる。すべてのミシンにこの装置がつけられている。
現場ではさまざまな工夫が見られる。2本針オーバーロックミシンMO-6914S 糸切れとほこりを防ぐために、糸は細いパイプを通して送られている。糸巻きはミシンの下部に設置された糸置きケースから導かれる。すべてのミシンにこの装置がつけられている。

高速電子本縫ボタン付けミシンLK-1903ASS、電子眠り穴かがりミシンLBH-1790S、高速電子閂止めミシンLK-1900ASS の3台持ち オペレーターの移動、運搬を少なくする。
高速電子本縫ボタン付けミシンLK-1903ASS、電子眠り穴かがりミシンLBH-1790S、高速電子閂止めミシンLK-1900ASS の3台持ち オペレーターの移動、運搬を少なくする。

2007年4月に行われたKAIZENセミナー。講師を務めたのはJUKI縫製研究所。現場で時間測定を実習する。
2007年4月に行われたKAIZENセミナー。講師を務めたのはJUKI縫製研究所。現場で時間測定を実習する。

測定結果を基に、ラインバランス、ネック工程を確認して改善案を検討する。2日間の実践的なセミナーで15%の改善が生まれた。
測定結果を基に、ラインバランス、ネック工程を確認して改善案を検討する。2日間の実践的なセミナーで15%の改善が生まれた。

2008年3月に行われたアタッチメントセミナー アタッチメントの設計から作り方を教わり、実際にアタッチメントを作成する。
2008年3月に行われたアタッチメントセミナー アタッチメントの設計から作り方を教わり、実際にアタッチメントを作成する。
この時期こそKAIZENのチャンス

 「2007年度は4,000人の社員がいたのですが、現在は3,000人に減らしています。量的に少なくなっているいまの時期は、高い生産性の工場へと質を高めていくいいチャンスだと思っています」と語るのは陳 衍 佑(Y Y Chen) General Manager。
 TMI(TUNG MUNG International)社は、1983年に設立され、シンガポールとインドネシアで生産を始めた。1998年にadidasの商品を作ることになってベトナムに会社が設立された。現在は3工場があって、第1工場、第2工場は同じ敷地内でadidasのウエアを生産する。3年目の2001年にNIKEを生産するために2kmほどのところに第3工場を新設した。
 「手がけている商品はスポーツウエアのジャケット、ボトムなど。すべて輸出で、70%がアメリカ向け、20%がヨーロッパ向け、残りの約10%が日本など向け。ベトナムのガーメントは好調ですが、その中心は、アメリカのスーパー向けの量産品で、ブランドの中高級品は低迷しています。
 アジアのガーメント市場を見ると、中国では既に輸出工場は低迷し、生産を伸ばしているのは、国内消費向けと、タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア向けの輸出品で、国際展開しているブランドは、ほとんどが生産の場を中国から他の国へと移動しました。中国で生産している中高級品をベトナムに持ってきたいのですが、素材がないのが問題。ベトナムの最大の課題ですが、いま、素材作りが始まりましたので、2、3年たったらベトナムは非常に楽しみだと思います。」とMr. Y Y Chen。


質の高い縫製ラインに工夫がいっぱい

 同社のメインはadidas、NIKEなどアメリカ中心の商品だが、アメリカの消費が低迷している現在、どうするか。その答えが「生産量が少ないいまこそ、体質改善のチャンス」(Mr. Y Y Chen。)である。
 同社の現場を拝見して驚くのは、整理整頓がいきとどき、高品質化・高生産性を追及した数々の工夫がこらされていることである。現場にはKAIZENの結果があふれているのだ。
 写真を見ていただいても分かるが、無影灯を思わせるような斜めに取り付けられた照明、糸切れを防ぐ糸送り用のパイプ、移動、運搬を少なくする様に配置された設備レイアウト、さらには各種のアタッチメント…などなど、現場はKAIZENアイデアの宝庫だ。


KAIZENセミナーに100人が参加
講師はJUKI縫製研究所の専門家


 同社は技術力を高め、ものづくりの質を向上させることを目指して、2007年からリーダークラスを中心にIEセミナーを行っている。最初は2007年4月。JUKIの専門家が講師となって現場KAIZENセミナーを実施。リーダー50名を対象に2日間をかけてセミナーと同時にOJTで改善を進めてラインバランスを15%も向上させることに成功した。続いて翌年1月に再び50名のリーダークラスを対象に講習を実施、前回同様に大きな改善効果をあげた。
 セミナーの内容は、工程分析から時間研究、動作分析、生産設計、ラインバランスなどで、この結果同社では100名のリーダーがIE手法を身につけ、以後KAIZEN活動に取り組むことになった。
 また、2008年には、JUKIの専門家によるアタッチメント製作のセミナーを実施し、同社の独自のアタッチメント製作へのノウハウを伝授した。「こうして力をつけた技術者やIEを習得したリーダーたちが、日常の業務の中でKAIZENに取り組むことで、非常に質の高い縫製ラインが作られていくはず」(Tan Loo Lee General Manager)というのが同社のねらいである。
 現在、同社には、技術者が60名、IEが8名いるが、社員3,000人の工場でこの数の多さは特筆に値する。同社がどれほどKAIZENに真剣に取り組んでいるかを物語るものといえよう。そして、現場を見ればその効果がいかに大きなものであるかを目の当たりのすることができる。


スポーツ専業からマルチアイテム生産へ

 同社は現在4人のデザイナーがいて、シーズンごとに約300サンプルを製作している。これまでは、顧客ごとに工場を設置して、1工場1顧客で生産対応していたが、今後は、ロットサイズが小さくなることを踏まえて、「スポーツウエアだけでなく、色々なアイテムに広げていきたい」(Mr. Y Y Chen)。
 いま、ベトナムのガーメントは大きな岐路に立っている。今後、何を生産していくのか。最低賃金などの設定を見れば、量産品か中高級品かという選択の余地はない。中高級品作りを目指す以外にないのだ。そこで問題になるのが、技術力と生産性、そして素材である。
 素材作りは始まっている。これが有効に機能するかどうかは時間の問題だろう。とすると、残りは技術力と生産性。同社が目指す方向はまさにこの方向に合致する。技術力を高めて高品質化と高生産性化をすすめる…ものづくりの王道をしっかりとすすめる同社の今後が楽しみである。

高速シリンダーベッド飾り縫いミシン MF-7823
高速シリンダーベッド飾り縫いミシンMF-7823
1本針本縫自動糸切りミシンDDL-8700-7
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