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特集:インド

インド
スリランカの大手がインドへ工場進出
グループ・ノウハウと工場の独自性のシナジー効果

REGENCY INTERNATIONAL CLOTHING PVT.LTD.
Manilka Perera, CEO of India operations
Anand .S, Chief Financial Officer
Mohanrajan .M, Manager-Maintenance
Manilka Perera, CEO of India operations
Manilka Perera, CEO of India operations

Anand .S , Chief Financial Officer
Anand .S , Chief Financial Officer

Mohanrajan .M , Manager-Maintenance
Mohanrajan .M , Manager-Maintenance

素材のテストなど品質管理も万全
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新しい工場は5Sも行き届き、明るく作業のしやすい環境だ
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高速シリンダーベッド飾り縫ミシンMF-7823
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高速電子本縫ボタン付けミシンLK-1903
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2本針本縫ミシンLH-3178
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本縫自動玉縁縫機APW-895
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電子サイクルミシンAMS-223P
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満を持してインド進出
カギは総合的な可能性


 REGENCY INTERNATIONAL CLOTHING PVT. LTD.は、スリランカを代表するアパレル会社、HIRDARAMANI GROUPが2005年にチェンナイに設立(2006年度から稼動)した工場。同グループはスリランカで9工場のほかにホテルなども経営する大手ガーメントグループで、バングラデシュに4工場、ベトナムに1工場(近々第2工場が稼動する)をもつ。進出した先でいずれも順調に成長を遂げており、第3の進出先として白羽の矢を立てたのがインド。
 「バングラデシュはコストの安さが魅力、ベトナムはオペレーターの安定した技術力があります。そうした実績を経て、インドには、テキスタイルがあること、ビーズや刺繍など細かい加工を行う技術力があること、コスト的にも十分に競争力があり、さらに、チェンナイは港があって積みも便利なことから進出。インドは総合的に非常に可能性を持った国だと思います」とChief Executive OfficerのManilka Perera氏。
 同グループとしては、海外進出に十分な実績をもっているだけに、インドへの進出はいわば、満を持しての進出である。設立から量産までの1年半に、グループのノウハウが活かされている。


蓄積したノウハウ
設立1年半で高い生産性を実現


 進出にあたって、マネジャーや技術者はスリランカから呼んだが、現場のスーパーバイザーはインド人経験者、オペレーターはインドの新人を採用したという。いかに短期間で量産に移行できるかは進出の成否を決める重要なポイントだ。
 新しく工場を始める際に、経験者を採用すると、早期立ち上げは可能になるが、過去の経験が邪魔して新工場のシステムになかなか慣れてくれないことがある。そうなると生産・品質はなかなか安定しない。同社はそれを避けるために、「現場のスーパーバーザーは経験者を採用したが、オペレーターは新人を採用し、IL&FSと連携して社内でゼロから育成した。その結果、1年半で量産体制に移行でき、高い生産性を実現した」(Manilka Perera氏)という。
 スーパーバイザーや管理者、IEなどはスリランカで研修してもらうことで、工場のシステムへの理解が早かったという。過去のノウハウが見事に活かされている。


標準システムをカスタマイズ

 同社の社員数は08年8月時点で1550名、オペレーターは1100人。生産アイテムは布帛の婦人ボトムと、ニット上下、バスローブだが、これは順次拡大していく予定だ。その意思決定は、工場で出来る。「とはいえ、工場には収益責任がかかるだけにファイナンス面の重要性も高い」とChief Financial OfficerのAnand .S氏。
 ラインは、17ラインあり、1ライン約70名。勤務時間は8:30-17:30で、途中15分、30分、15分の休憩がある。
 HIRDARAMANI GROUPは基本的に運営体制を標準化しているが、運用に当たっては各国の状況に合わせてカスタマイズする。
たとえば、給与システムも国により若干の余裕を設けている。ちなみに、インド工場では固定給部分とグループインセンティブを併用しており、収入の約10~20%がインセンティブを占める。「なかには、インセンティブの部分が35%も占める優秀なグループもあります。オペレーターはゼロから縫製作業を学んでいるので、基本に忠実で、それだけに作業も品質も安定している」(Mohanrajan .M氏)。


課題はリードタイム短縮化と
デザイン・商品企画力


 HIRDARAMANI GROUPとしてインド工場への期待は大きく、すでに第2工場の建設計画も視野に入っている。
 「現在、基本的な商品開発はGROUPで行っていますが、工場ごとのアイテムは工場の判断に任されている。インド工場としては、生産体制が出来たので、すでに一部のお客に対してはデザインや素材を提案していますが、今後は素材の開発力、デザイン力をつけて、提案をもっとふやしていきたい」とManilka Perera氏。
 そのための条件が、「デザイン力とリードタイムの短縮化。現在、90~120日かかっているリードタイムを何とか、短縮化し、回転率を上げることが重要」とのこと。
 受注オーダーも100枚~200枚という少量からあり、平均で10000枚。ロットが小さいだけに、効率的なアイテム切り替えや生産管理も重要なテーマであり、すでにリーン生産システム(※)も確立している。
 各工場の特長を生かして自由に運営をしながら、グループのノウハウも生かす…HIRDARAMANI GROUPの特徴が生かされた見事なシナジー効果といえよう。

(※)リーン生産方式とは、1980年代にアメリカのマサチューセッツ工科大学で日本のトヨタ生産方式を研究、その成果を再体系化・一般化した生産管理手法の一種。製造工程におけるムダの排除を目的として、製品および製造工程全体にわたるトータルコストを系統的に減らすことが狙い。
この場合、あらゆるムダを省いた生産方式、という意味。

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