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特集 : ベトナムのアパレル工場 - ハノイ(2)

特集 : ベトナムのアパレル工場 - ハノイ(2)
ベトナムのアパレル製造業--今後20年は成長する
"縫製"を基盤に拡大して目指すは"日本の総合商社"

HUNG YEN Garment joint-stock company :
President MR.NGUYEN XUAN DUONG
「市場競争は厳しいが、ベトナムアパレル業界は、今後20年は発展する」と語る同社PresidentのMR.NGUYEN XUAN DUONG。 「市場競争は厳しいが、ベトナムアパレル業界は、今後20年は発展する」と語る同社PresidentのMR.NGUYEN XUAN DUONG。

本社工場。
本社工場。

JUKIミシンが導入された工場。ここではジャケット(ブルゾン)を生産している。
JUKIミシンが導入された工場。ここではジャケット(ブルゾン)を生産している。

最新のミシンが導入されている。  高速電子閂止めミシンLK-1900A-SS
最新のミシンが導入されている。
高速電子閂止めミシン LK-1900A-SS

電子鳩目穴かがりミシン(総合糸切り付き)MEB-3200S
電子鳩目穴かがりミシン(総合糸切り付き) MEB-3200S

ドライヘッド電子本縫袖付けミシンDP-2100
ドライヘッド電子本縫袖付けミシン DP-2100

筒型1本針本縫総合送りミシンDSC-246
筒型1本針本縫総合送りミシン DSC-246

2本針本縫ミシン LH-3128
2本針本縫ミシン LH-3128

2本針セミドライヘッド本縫ミシン(角縫い付き)LH-3568S
2本針セミドライヘッド本縫ミシン(角縫い付き) LH-3568S
 元々は伝統ある国営企業で、VINATEXグループの中核企業である。日米欧とバランスよく輸出をしており、株式の半分を公開して民間の資本を導入している。「ベトナム市場は大きく、今後が楽しみ」というPresident MR.NGUYEN XUAN DUONGに話しを伺った。


米40%、EU30%、日本25%
バランスよい輸出が体質を向上させる


 アパレルに限らず、一般的に言えば国内市場だけで販売している企業に比べると海外向けに輸出をしている企業の方が品質は高い。製造業は、作った商品をお客様に使って頂くことで成り立っているから、質のよい商品を供給しない限り、リピートオーダーはない。
 各国には、それぞれの市場の特性に応じた要求があり、バイヤーはそれをメーカーに求めてくる。言い換えれば、多くの国に輸出している企業は、それだけさまざまな市場の要求に応えることが出来るだけの技術力を持っているということが出来る。
 「当社の商品は100%輸出です。輸出先はアメリカ40%、EU30%、日本25%、その他(オースチラリアなど)5%。国ごとに要望が異なり、それに対応するのが大変ですが、その結果会社に力がつくようになってきたと思います」と同社PresidentのMR.NGUYEN XUAN DUONG。
 「アメリカのバイヤーが来られると会社について詳しく調べていきます。法律違反はしていないか、日曜日は休みか、残業は4時間以上させていないか、社会保険は完備しているか、妊婦の労働時間は長くないか、残業手当を支払っているか、作業環境はきれいか、照明の明るさは十分あるか、トイレの数は従業員数にあって整備されているか…などなど。また、日本のバイヤーは、完成品の質はどうか、ミシンは何を使っているか、縫目はきれいか、糸がきれいにつまれているか…など質に対して非常に厳しい評価をします」


JUKI導入のきっかけはバイヤーの一言
「いいミシンを使ってください!」


こうした要望は3つの点に集約される。
  • 会社の職場環境を整備する
  • 社員の待遇をよくする
  • 完成品の品質を向上させる
 この3つはいわば製造業経営の根幹に関わることであり、その意味で、多くの国に輸出しているということは、この両方に対応し自然と会社がきちんと整備され、質的にも向上していくということになる。HUNG YEN社の成長の秘訣はここにある。
 そうはいっても、ここまでくるのはなかなか大変である。成長するきっかけになったのは、1989年に始めてJUKIミシンを導入してから。
 「当社は1966年に設立された古い国営の縫製工場で、当時はソ連、ヨーロッパ向けに作業服やユニフォームなどを生産していました。ミシンは、ドイツ製の古いミシンでした。そして、1989年、あるきっかけでオランダのバイヤーと知り合い、ジャケット(ブルゾンやジャンパー)は作れるか…と言うことになりました。
 それまでも経験をしていましたので、オーダーを頂くことになりましたが、そのときに条件として言われたのが『いいミシンを使ってくれ!』。そこで、南のミシン屋さんから紹介されたのがJUKIのロックミシンで、使ってみると、品質もいいし、操作性がいいので、それ以来、JUKIミシンを導入するようになりました。
 設備は品質や生産性を向上させる鍵です。JUKIミシンのいいところは、単に設備を売るだけでなく、早くから工場診断や技術セミナーなども行なってくれるので、担当者の技術を向上させることが出来ます」とMR.NGUYEN XUAN DUONG。


目標はスーツ、カジュアルの一貫生産

 現在、本社には6万平米の敷地に7つの工場があり、5,000人の従業員がいる。生産ラインとしては他に子会社があり3,000人の従業員がいて、合計8,000人を超える技術オペレーターと、JUKIを中心として米、独、日から輸入した5,000台のハイテク縫製設備がある。
 現在手がけているのは高級スーツ、ジャケット、シャツ、パンツ、Tシャツ、ポロシャツ、スラックス、ドレス、水着などで、生産量は月産で、
  • スーツ:90,000着
  • ジャケット:225,000着
  • パンツ:225,000着
  • シャツ・Tシャツ・ポロシャツ:300,000枚
  • 水着:150,000枚
 「アメリカはJCペニー、ウォルマート、Zara、Gapなどの商品を作っていますが、1ロット50,000~100,000枚という量ですが、日本向けは大きくても1,000枚、しかも品質が厳しい。例えば、日本向けの商品では、縫製作業の途中で糸が切れたら、全部抜いて始めから縫い直さなければならない。生産効率が違いますが、こうした厳しい品質に対応することで、技術力がつきます」とMR.NGUYEN XUAN DUONG。


将来めざすは、日本の総合商社

 ここの工場の特徴は、1つのラインで、いくつかのアイテムを手がけられること。たとえば、ブルゾン工場は、1ライン約50人の編成で7ラインあるが、このラインで、オーダーがあればコートなども生産する。これも、高い技術力を物語るものだろう。こうしたことが出来るために、非常にフレキシブルな生産が可能になっている。
  「いま、ベトナムの縫製業界はオーダーがあって非常に活況です。この状態は今後も20年くらいは続くと思います。当社も、ISO9000や14000の認証を取得して、海外からのオーダーを受けられるように対応しています。現在、5ヘクタールの土地を手に入れ、新工場立ち上げの準備中」とか。
 しかし、縫製を伸ばすのはあと10年ほどで、その後は、企画・技術・貿易…面に力を入れて、住宅なども含めた輸出入業務で、「めざすは日本の総合商社」という。日本の商社も繊維業界から進出した企業が多い。大いに期待したい。

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