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JUKI那須研修センター技術研修コースのご案内
 JUKIでは縫製機器の保全技術者の方を対象とした「設備技術者のための技術員研修コース」を弊社那須研修センターで開講しております。ミシンの基礎知識から各種実習までレベル、目的、機種にあわせたコース設定で丁寧に指導いたします。是非ご活用下さい。

会場:
JUKI株式会社 大田原工場 那須研修センター(交通案内)
〒324-0011 栃木県大田原市北金丸1863
宿泊設備:
那須研修センター内「個室(バス・トイレ付)・食事付」
申込方法:
参加申込書に必要事項をご記入のうえ、お取引ミシン店様、またはお近くのJUKI販売(株)のカスタマーズセンターへ、郵送またはFAXでお申し込み下さい。
詳細、お申込みはこちら
http://www.juki.co.jp/industrial_j/seminar_j/nasuken_j/index.html
「ミシンと縫いの基礎セミナー」2016年4月分までお申込受付開始しました
 ご好評頂いているJUKI(株)主催、「ミシンと縫いの基礎セミナー」の2016年4月までの開催日程が決まりました。習得の段階別に「縫いの基礎コース(実技編)、(知識編)」「縫いの応用コース」の基礎3コースのほか、教育内容や日程・時間などをご自由にご相談いただける「カスタムコース」、他に「新人教育コース」もあり、商社、アパレルメーカー、学校、個人にも対応した教育を行っております。
 先着順のため、ご検討中の方は是非お早めにお申込みをお願い致します。

<開催概要>
日程:
  • 第56回縫いの基礎コース(知識編)2016年1月13日(水)残り1名
  • 第57回縫いの基礎コース(知識編)2016年1月14日(木)
  • 第58回縫いの基礎コース(知識編)2016年2月9日(火)
  • 第59回縫いの基礎コース(知識編)2016年2月10日(水)
  • 第60回縫いの基礎コース(実技編)2016年3月2日(水)
  • 第61回縫いの基礎コース(実技編)2016年3月3日(木)
  • 第62回縫いの応用コース**2016年4月6日(水)
  • 第63回縫いの応用コース**2016年4月7日(木)
  • ※各回共に、単独の1日コースです。
  • ※※縫いの応用コースのみ、1グループ(企業)からお申し込みが入り次第締め切らせていただきます。
時間:
AM10:00~PM5:00 ソーイングセンター見学PM5:00~5:15
会場:
JUKI株式会社
 2Fショールーム【地図
定員:
各回5名
費用:
各回1名様10,000円(消費税抜き)
(テキスト及び昼食代を含みます)
お問合せ:
JUKI株式会社 縫製機器ユニット 営業技術グループ
MAIL:
wazaari@juki.co.jp
TEL:
042-357-2371
FAX:
042-357-2274
第29回アパレル工業技術セミナーが開催されました
第29回アパレル工業技術セミナーが開催されました
 日本アパレル工業技術研究会(JATRA)による第29回アパレル工業技術セミナー(アパレル工業技術・人材育成セミナー)が2015年10月23日(金)、東京・両国の江戸東京博物館で開催されました。
 今回は、「J∞QUALITY」について、日本アパレル工業技術研究会近藤繁樹氏が講演されました。

 近藤氏は「J∞QUALITY」事業について、どのような背景から生まれ、どう創られたのか。どのような事業であり、繊維業界でどのように評価され、その申請及び認可はどのように進んでいるのか、その問題点は何か…などについて、わかり易く解説されました。「J∞QUALITY」事業は、1年半の準備期間を経て今年3月にスタートしました。ポイントは業界のためにすることであり、製造業の活性化に焦点を当て、日本のアパレルを世界に打ってみようという試みを持ったプロジェクトです。現段階で織物工場約90社、染色工場90社、アパレル35社、縫製工場125社からの申請があり、345社前後の認証が終わっている。しかし、「J∞QUALITY」事業自体が仲良しクラブであるとのイメージを持たれており、J∞QUALITYのタグなどを付けることが、販売促進になると考えている風潮もある。
 近藤氏は、「日本の伝統の技術を評価し、中小企業にも光を当てて、活性化を促す」取り組みであると
の視点から、「J∞QUALITY商品の優位性を高めるとともに、認知度アップと需要の拡大を図っていく」ことに力を入れる方向にあることを示唆されました。
  • ■「J∞QUALITY」事業について…(1)
    第29回アパレル工業技術セミナーが開催されました 日本アパレル工業技術研究会近藤繁樹氏
     近藤氏はまず、NHKのテレビ番組、"暮らしの経済"の中で放送された「J∞QUALITY」事業を会場で放映した。"巻き返せるか、純日本製の服"をテーマに、J∞QUALITYについて取り上げたもので、最終工程を日本で作り上げてもいいメード・イン・ジャパンと異なる点や、糸から最終製品までを日本で手掛けるもの=純日本製であり、J∞QUALITYは国を挙げての取り組みになる」と強調。まずは国内で展開。国内の消費者に納得されるものをいかに提供していくかが鍵を握るとの考えを示されました。
     J∞QUALITY商品認証事業とは、日本のアパレル需要の創造と日本の繊維・縫製産地の活性化を目指し、経済産業省の賛同を得て、日本ファッション産業協議会が日本繊維産業連盟の協力を得て立ち上げた、オールジャパンの力を結集した高付加価値商品をつくり出すための事業。J∞QUALITY商品の優位性を高めるとともに、J∞QUALITY商品の品質確保及びさらなる向上を目指し、国内外の市場におけるJ∞QUALITY商品の認知度の向上と需要の拡大を図ること。
     近藤氏は「J∞QUALITY」について、"日本発の安心・安全コンプライアンスを、アパレル、ハンドバックや靴などを含めた、日本を纏うという日本の業界そのもののコンセプトで、日本の業界スタンダードを作り日本発商品を世界に発信しましょう"という発想が事業化に結び付いたと強調した。「今回のJ∞QUALITY商品は、人権問題や労働基準法、環境法などを守った企業が作った商品であり、尚且つ日本国内で織・編み、染色加工を、縫製したものという純正国産商品であることが必要になります。WTOによると、日本で縫製を行えばメード・イン・ジャパンと表示できます。今回の取り組みは、純正の日本の商品を作りましょうということで議論が色々と出ましたが、織・編み、染色加工、縫製、企画を日本で行うこととしました。しかも、すべて日本製であることを証明しギャランティーしなければいけない。世界では他にないこと。それを日本が行いました」。
     近藤氏は以下、認証された企業の事例を紹介されました。ポイントは、J∞QUALITY認証の申請資格で、「安全・安心・コンプライアンス企業認証」を認証し取得すること。サプライチェーンについては、何処で誰が作ったのかの証明。海外のトップ10の企業は、工場として世界にギャランティーされている会社に発注しているという証拠を持っていないと、とくに食品や衣料品は海外では商売できない。例えばアゾ染料の場合、ヨーロッパでは15年前に使用禁止が制定された。日本はやっと来年の4月に制定される。日本では唯一、イオンのトップバリュがそれを実施している。アパレルではダイドーリミテッドやエドウイン。世界の潮流は、安全・安心・コンプライアンスをしている織物工場や縫製工場、染色工場なのかどうか。
     それを日本は、原料から製品までを扱うサプライチェーンで製造することを日本は証明する。世界の小売業トップ10の企業は、商品を供給するサプライヤーにコードという取引行動規範を作っている。日本の大手で作っているのはイオンのみであることーーなどを指摘した。以下、世界の小売業で規制されている点などの内容を説明されました。
  • ■J∞QUALITY商品認証事業について…(2)
    第29回アパレル工業技術セミナーが開催されました 日本アパレル工業技術研究会近藤繁樹氏
     次に近藤氏は、J∞QUALITY商品認証事業マニュアルやガイドラインの概要を説明されました。「Webサイトで申請を受け付けた場合、Webページが変わり、宣言書に記入する時点で認証ガイドラインが出てきます。各工程共通で責任・従業員関連の法令遵守、環境・省エネ、消費者の安全の担保、企画販売工程での安全及び安心--などを守っているかについての説明が記されています」。
     以下、申請書等を説明。「Webサイトで会社名を入力し、法令遵守をしているか、環境保全をしているかーーなどを記入して申請を受け付ける。受け付けるとWebに、何番で受け付けたかが同時に示されます。そこで、新たに"安全・安心・コンプライアンスにかかる認証ガイドライン"を見ることができます。社会的責任、従業員関連の法令遵守、消費者の安全の担保などについて書かれたガイドラインです。それに基づいて遵守するべき内容を審査します」。
     近藤氏は「日本の技術で作られたものであること。条件は日本にある、法人格を持っている会社であること。そういう企業も商品を登録できる。そういう門戸は開けてある。ただし、今のところ申請はなし。ポイントは、作り手の深いこだわりが体現され、精緻で丁寧な仕上がりを強みとし、全ての生産者の顔が見え、消費者が安心して購入できる安全な商品であること」と強調されました。
    • 認証される商品の定義
       「第1段階の対象は織・編み、染色加工、縫製工場と企画・販売工程に関わる企業が主とするもので、それら企業体が安全・安心・コンプライアンス認証を申請し、認証を取得する形です。また、縫製工場は縫製企業認証を取得しなければならないので、安全・安心・コンプライアンス企業認証と縫製企業認証を同時に申請することになります。繰り返しますが、安全・安心コンプライアンス企業認証で、織・編み企業、染色整理加工、縫製企業、企画・販売の各企業がまず認証を取ることになります。モノを作る事業者は、事業所単位--2か所あれば2か所で登録--になる。企業の認証は、縫製工場、織・編み工場、染色整理加工の各工場で1つずつ認証を取らなければなりません」。
       「次に、商品認証の取得があります。企業認証を取るのに1企業10万円が必要。それらの企業認証を取得した企業が集まっての第2段階となります。企画・販売業者が織・編み、染色、縫製の各企業認証をまとめてJ∞QUALITY商品認証を申請する。各工場が安心安全コンプライアンスの認証を取ってもらうが、商品認証の申請を出せる権利があるのはアパレル・企画・販売業者のみ。この商品の認証は、品番ごとに1品番1万円という申請書を持ってーー2年間有効ーーシーズンごとに申請します。商品認証は1品番ごとの認証で、尚且つ商品認証を申請するアパレル・企画・販売事業者は織編み、染め、縫製の認証番号が必要となります」。「商品としての認証は、日本アパレルファッション産業協会に参画している企業や日本繊維産業連盟及び日本ファッション産業協議会などに入会している諸団体の企業が商品の認証を取れます。また、世界に通用するには透明性や安全性などを何で担保しているかの作り手の見える安心安全な商品であることに必要性も説いています。商品認証にはもう1つ、J∞QUALITY商品の生産工程について質問する項目があります。必須であり、商品の織・編み物は何処で、誰が作ったのか、それは企業認証の安全・安心コンプライアンスの認証を受けた登録番号を記入して下さいとあります」。
    • 安心・安全・コンプライアンスに関わる認証ガイドライン
       次に、「ガイドラインを読んだ段階で、第2ステップの"安心・安全コンプライアンス企業宣言書"を出してもらいます。その内容は、"消費者に申請されたもの。公正取引で売買契約書を、労働契約書に基づいた安全・安心コンプライにかかる認証ガイドラインに適合していることを自分で宣言して下さい"というもので、それを読んだか読まないかを質問しています。読んだことのない人が回答しますと、ペンディングになります。もう1つは、商品のトレサビリティー・生産記録。どこで誰が作ったのかなどが皆管理されていること、課題として"日本ファッション産業協議会の要請に対して、確認監査の受け入れや、管理資料などの提示は誠意をもって出していただくよう、自己宣言してもらうよううたっている。また、労働環境改善指定があったら遅滞なく是正して下さい。そういう宣言をしていますがよろしいですか"と聞いています。5年に1度監査に行きますが、それで駄目なら認証番号をはく奪されます。そういう条件でよろしいかと書いてあります。以上が認証の申請の手続きです」。
    • タグ・ロゴ
       ロゴマークなどの申請等は、皆マニュアルに記入されています。購入して頂いて付ける。「ドイツ、スウェ-デン、イタリア、フランス、イギリス、中国、韓国、台湾、シンガポール、アメリカの12か国にJ∞QUALITのロゴマークが申請されています」。「タグの品番については、設定が各社皆異なっているので統一できるよう見直そうという機運があります」。
  • ■まとめ
    第29回アパレル工業技術セミナーが開催されました 日本アパレル工業技術研究会近藤繁樹氏
     「J∞QUALITY」商品は、人権問題や労働基準法、環境法などを守った企業が作った商品であり、尚且つ日本国内で織・編み、染色加工を、縫製したものという純正国産商品であり、メード・イン・ジャパンとは違う。各企業が、安全・安心・コンプライアンスにかかる認証を取ってもらう。商品認証を申請できる企業は企画・販売業者のみーーだが、商品認証をどこでも取得できるようにしようとしています。安全・安心・コンプライアンス及び高度な縫製に関するJ∞QUALITY企業認証を行い、さらに認証企業によって生産された個々の商品のJ∞QUALITY商品認証を行います」。
     「J∞QUALITY」のブランド名は、JとQUALITY、そして2つのワードを結ぶ無限大を意味する記号∞から構成。また、無限大の可能性を示したシンボルマークは、ネガとポジで構成し、それぞれが日本の技術と日本の美意識、生み出す作り手と愛用する生活者を象徴している。2015年度のコミュニケーションワードは、「日本を纏うIt's "Japan Quality"」。靴、靴下、ネクタイ、ハンドバック、合皮などの業界の参画が要請されている。色々な業界とも一緒になり"日本を纏う"ということで進めようという考えであり、この先が楽しみでもあります」。

第29回 JATRA技術セミナー(アパレル工業技術・人材育成セミナー)のご案内
 日本アパレル工業技術研究会(JATRA)では、アパレル関連の基礎知識と応用技術、最新情報を中心とした第29回アパレル工業技術セミナーを、10月23日(金)に東京・両国の江戸東京博物館会議室で開催します。
 今回は、「J∞QUALITY」について、日本アパレル工業技術研究会 近藤 繁樹会長が講演されます。
 参加のお申し込みは10月16日(金)まで、概要は下記の通りです。

日時:
2015年10月23日(金) 13:45~16:15(13:45 開場・受付)
会場:
江戸東京博物館会議室(東京都墨田区両国横網1-4-1)
テーマ及び講師:
  • <講演1>14:00~15:00
    「J∞QUALITYについて」
    日本アパレル工業技術研究会会長 近藤 繁樹氏
  • <講演2>15:15~16:15
    「J∞QUALITYの申請・認可状況」"と質疑応答
    日本アパレル工業技術研究会会長 近藤 繁樹氏
定員:
120名(先着順ですのでお早めにお申し込みください)
参加費:
会員無料、一般受講5,000円
お申し込み・お問い合わせ先:
日本アパレル工業技術研究会(担当/栁澤・中山健司)
http://www.jat-ra.com/seminar.html
<TEL>03-3591-8350 <E-MAIL> apakoken@jat-ra.com
第9回夏休み「親子・手提げバッグ製作講習会」が開催されました
第9回夏休み「親子・手提げバッグ製作講習会」が開催されました
第9回夏休み「親子・手提げバッグ製作講習会」が開催されました
 JUKI株式会社は、夏休み期間中の7月23日と24日の2日間、本社にて「親子・手提げバッグ製作講習会」を開催し、昨年より約3割多い、44組90名の親子が参加しました。

 この講習会は、ミシンの楽しさ、ものづくりの楽しさを感じていただくことを目的に、毎年1回夏休みに開催しています。従来は、子どもたち(小学校4年生.中学生)のみを対象にしていましたが、同伴された保護者の方より、大人向けの講習会のリクエストをいただいていましたので、昨年は「親・子それぞれで製作」していただく回を一部設けました。昨年の開催において、保護者の方より大変好評な意見をいただきましたので、今年は全ての回において「親・子それぞれ製作」のご案内をしましたが、口コミで申し込みをされた方など、募集から約10日間で定員に達しました。

 製作するバッグは、保護者の方はファスナーポケットを付けた「バッグインバッグ」、子どもたちはA4サイズが入る実用的な手提げバッグで、それぞれ好みの生地柄を選択していただきました。

 参加した子どもからは、「曲がらずにまっすぐ縫うところが難しかった。自分の名前を入れたバッグが完成してうれしい」などの感想がありました。製作をされた保護者の方からは、「今まで挑戦できなかったファスナー付けも学べ、大変有意義でした。スタッフのサポートのお陰で、親子で集中して作成することができ、裏地の付いた手の込んだバッグにとても満足しています。子どもも最後まで諦めずにやり遂げられ、とても自信が付いた様子でした」など、親子で手作りの楽しさや達成感を共有できた感想が寄せられました。

 講習会の後は、当社の「ソーイングセンター」と「実装センター」のショールーム見学をしていただきました。「ソーイングセンター」では、高速でしかも自動で縫製する工業用ミシンに驚き、「実装センター」では極小電子部品を高速で搭載するマウンタに目を丸くしていました。参加者は初めて目にする装置の写真を撮ったり、アテンダーの説明のメモを取るなど、熱心にものづくり現場の学習を行いました。

 当社は今後もミシンの楽しさ、ものづくりの楽しさを感じていただくこの活動を推進していきたいと思います。

<「手提げバッグ」製作講習会の概要>
開催日時:
7月23日(木)、24日(金) 午前(9時30分.12時)、午後(14時.16時30分) 全4回
参加者:
44組の親子 合計90名
製作者人数:
子ども(小学校4年生.6年生) 47名、保護者 43名
開催場所:
JUKI本社 (東京都多摩市鶴牧2-11-1)
参加費:
大人:500円、子ども:無料
内容:
約2時間30分
(1)家庭用ミシンの練習(15分)、(2)バッグの製作(90分)、(3)ショールーム見学(30分) 他
お問合せ:
JUKI株式会社 総務部総務・広報グループ 電話042-357-2398 担当:林 桐子
第28回JATRA技術セミナーが開催されました
 日本アパレル工業技術研究会(JATRA)による第28回アパレル工業技術セミナー(アパレル工業技術・人材育成セミナー)が2015年6月24日(水)、東京・両国の江戸東京博物館で開催されました。
 講演1は「ISO/TC133 WG3 サイズインターバルの国際標準規格は必要か?」のテーマで、ISO/TC133国内審議委員会分科会委員で(株)ワコールの中川原正人氏が講演されました。講演2は、講師2名により「ISO-TC133 CD18890」のテーマで日本アパレル工業技術研究会常任顧問中山悦朗氏、ISO/TC133 CD18890(WG4)、WD5971(WG3)「レッグウエア関連の進捗」としてISO/TC133国内審議委員会分科会委員で日本靴下協会、(株)ナイガイの鈴木孝氏がそれぞれ講演されました。
  • ■講演1「ISO/TC133 WG3 サイズインターバルの国際標準規格は必要か?」
    ISO/TC133国内審議委員会分科会委員 (株)ワコール 中川原 正人氏

    第28回JATRA技術セミナーが開催されました ISO/TC133国内審議委員会分科会委員 (株)ワコール 中川原 正人氏
     中川原氏は、日本ボディファッション協会及び(株)ワコールホールディングス・(株)ワコールのJISサイズに関わる説明をした後、JIS L 4006とそれに関わりのあるISO4416、ISO/TR10652の概要や、ISO/TC133の活動休止とその後のヨーロッパでの動きなどを解説されました。次いで、2010年の活動再開におけるWG3のフランス提案のうち、サイズインターバルに焦点を絞り込んで問題点を抽出するとともに、サイズインターバルの国際標準の必要性についても話を進められました。
    • JIS L 4006とISO4416
       JIS L 4006は1981年に発行されたISO4416を基にしている。対応する部分であるファンデーションの用語の定義、基本身体寸法、表示およびラベル付けについては、対応ISOを翻訳し付属書に規定した。また、それに規定されていないカップ体型区分、サイズの種類及び呼び方、サイズの表示方法などの規定はJISとして本体に規定している。
       ISO4416は1981年に制定されたが、用語定義、身体基本寸法、表示については実質的規定がない。また、ISO/TR10652は、表示順位、インターバル、サイズ呼称に係る構造標準を目指したが、TR(テクニカルレポート)に終わった。TC133は、1980年にISO4416を、また1990年にISO/TR10652を残し、以降活動を休止した。ISO4416、ISO/TR10652ともに構造標準としてのISにならなかった。
    • CENの対応
       一方欧州では、CEN(欧州標準化委員会)で2000年代初めにISO/TR10652でEN13402を生んだ。CENのTC246WG10で、身体寸法計測法のEN13402-1とプライマリー・セカンダリーサイズ表示方法のEN13402-2について合意が成立。イタリア総会で示された基本身体寸法とインターバルの規定であるEN13402-3は2004年に合意されたが一枚岩ではないことが分かった。CENではサイズをどう読もうかというEN13402-4を審議していることが分かっているものの、これもEN13402-3で反対している国々が審議拒否をしているなど問題が多い内容となっている。
    • ISO/TC133とISO8559-3
       中川原氏は、2010年のISO/TC133の再開とWG3の流れを説明(略)した後、サイズの表示順位に関する規格CD8559-2がイタリア大会での議論を経て、今年DIS投票され可決されたこと(次はFDIS投票)。また、サイズインターバルの規格であるWD8559-3が1年前のイタリアの総会でフランスからアイデアとしてプレゼンされたこと。ISO8559シリーズとCENのEN13402シリーズとの類似性、ヨーロッパ内での構造標準に対する考えの違いーーなどを説明した。
    • ISO8559-3
       ISO8559-3については、かねてからサイズインターバルの構造標準として固定値が提案されるのではとの懸念が持たれていたが、フランスからの提案では、インターバルの数値を規格決定するのではなく、体型調査のデータをどのように分析してインターバルを導き出すか、の"方法論"をISOで規格化していこうというものだった。日本はその考え方に基本的に賛成として投票した。その結果は、19か国が投票し賛成がフランス、イタリア、スペイン、イギリスなど10、反対3、アブステイン(棄権)が6で、NWIPとしては賛成が過半数を占めたので承認された。反対が3はベルギー、デンマーク、スウェーデン。ヨーロッパ内で、賛成している国と反対している国が明白になった。この3か国は、この規格に反対でありながらドラフト作りに参加することを表明しているーーつまりドラフト作りを妨害するーーために参加することが考えられる。
    • 今後の見通し
       このテキストの見通しだが、昨年11月にNWIPが登録されているので、今年9月の東京の総会で実質的な審議をしてCD投票に掛けることが必要。ただ、このドラフトが未完成であり、中味を決定するためにもCD投票でPメンバーの3分の2以上の賛成が必要。日本でもこのテキストを使って体型を分析した結果インターバルを出したが、ドラフトとしてレベルが低いことが分かり、このままのクオリテイでは賛成しかねるとの指摘があった。日本女子大などの協力を得てインターバルを計算したところ、ウエスト14cm、ヒップ13cmというインターバルが出たため「使えない」と指摘された。それで、その結果やクオリティアップのために意見交換したいとの内容をフランスに何度も通知したが、フランスからは全く反応がない。
       以上のことで、全くの未完成のドラフトであり、さらにヨーロッパでも意見が割れている。従ってテーマである、「サイズインターバルの国際標準は必要か」についは、"必要がない"ということであり、うまく機能している現状のシステムが壊れることに加え、(1)技術的・経済的・消費者利便性の損失 (2)表示の世界標準化(8559-2)で十分 (3)返品減少に繋がらないことと、インターバルの統一はフィッテイングの向上とイコールではない (4)新しい"体に合う服を選ぶための技術"が進化している (5)顧客の要望に合わせて服を作るという、服作りの自由度の制約--などが主な理由。こうした規格は、世の中のニーズに柔軟に対応しないといけないと思う。
  • ■講演2 「ISO-TC133 CD 18890」
    Clothing -Standard method of garment measurement
    日本アパレル工業技術研究会 常任顧問 中山 悦朗氏

    第28回JATRA技術セミナーが開催されました 日本アパレル工業技術研究会 常任顧問 中山 悦朗氏
    • WG4 CD18890
       中山氏はCD18890について、「この規格は製品の計測で、部位・計測点が決めにくい。先ほど、中川原氏の言われたISO8559-1は、ヌード・裸の人間を計測するやり方。基準点はすべて骨になる。骨から骨を測るのがヌードの時の測り方で、基点がはっきりしているので、誰が測っても同じ結果が出る。CD18890は製品を測るので、基準点がはっきりしないという欠点がある」--いうCD18890の特性を示した。次いで、CD18890の審議経過について資料に基づいて説明した。その要点をまとめた。
    • 経緯
       この国際規格は、異なる種類の衣服の寸法を決定するために使われる測定点と方法を定義するもの。その測定点が、ヌードの場合と製品の場合では異なり曖昧になっている。ガーメントのカテゴリーは、オーバーコート、ジャケット、ソックスなど16分類に規定され、それに対して出来上がり寸法の規定を作ろうというもの。
    • 計測方法
       それでは、"どうやって計測するか"、だが、この辺が曖昧になっている。まず、"衣服を平面に置く"ということだが、肌着であれば平面に置けばほぼ平らになるが、立体に作ったジャケットなどが対象になっており、置き方によっても誤差が出る。"ボタンは留め、スライドファスナーは閉じた状態にする"、"折り目、しわを伸ばし巻尺を使って、センチメートル、ミリメートルで測定"、"5.2から5.17に従った適切な寸法を測定"--などと書かれていて、それらの条件で測ることとなっている。
       (中山氏は以下、ジャケット、スカートなどの測定点などについて、配布資料に基づいて説明した。5.2 Category A:で、そこに書かれているチェストについて、メジャーをアームホールの下に当てて、測って下さいと書かれているーーとし、またジャケットで、チェストはアームホールの2.5cm下となるなど測り方についても説明した)。
    • 各国のコメント
       日本33件、フランス44件、イギリス458件
       日本からは、靴下を含めて120件のコメントがったが、日本の業界に影響を及ぼすと考えられる33件に厳選したコメントを付けた。上衣で、裄丈が入っていなかったなど、不足しているものを提案。日本の他、イギリスからは458件、フランスから44件のコメントがあった。日本総会でそれらを審議するわけだが、ISOの規格は提案されてから3年。NPという新しい投票が始まってからISOの規格になるまで3年という時間が決められていた。それが最近では2年に短略され、途中の工程を1つ飛ばすことも可能になっている。しかし、今回の日本の総会でイギリスから出された458件のコメントを調整して、3年以内で規格にするのは難しいものと思われる。

      ※CD18890は、南アフリカより提案された衣服の製品仕上がり寸法に関する内容。JIS、ISOにもその内容がなく注目されていた。CD案の日付は昨年の6月3日。南アよりの依頼もあって、分科会で約3か月間内容を検討。当初120件を超すコメントなどを集約し、日本から10月16日にコメントを提出したが、南アよりまだ回答の返事が来ない状況。現在、ニュープロジェクトがアプローブされてCDのドラフトを見ている段階で、この後CD投票。それからDIS投票となる。DISがレジストレーションされるのが2015年9月12日なので、それまでにDISが登録される必要がある。つまり、通常だと日本総会での審議ではもう遅いということになる。
    • 日本のコメント:Ge
       コメントは、Ge=ジェネラル:一般的なもの、Te=テクニカル:技術的なもの、ed=エディトリアル:編集上のものーーに区分されている。日本の33件の内訳はGe 4件、te15件、ed14件。日本のコメントのうちGeでは、"この国際規格の測定方法は、アパレルメーカーと生産者との間の取引を目指しており、小売業者や消費者が含めていない"。あくまでも発注者と生産者の間だけの規格にしてもらいたい、というのが日本のコメント。Geでみるとフランスは、"複雑である"、イギリスからは"コンシューマーズの使用については説明されていない""アパレルと小売業者なのか、製造業者とアパレルの関係なのか、そこをはっきりして欲しい"--などの意見があった。要は、国際規格になった時に誰が使うのか。日本が提案したように、アパレルと生産者との間なら、アパレルが発注する時にアパレルが仕様を決め、それに基づいて製造していけばいいのであって、この規格が消費者を巻き込んでしまうのはまずいのではないか。
       今回の総会で、このCD18890につぎ込む時間はそれほど多くないと思う。
     中山氏は、日本とフランス、イギリスのコメントを説明したが、ここでは日本のコメントの一部に絞り込んでまとめてみる。

    • 肩幅(E1、配布資料)の測定は、背面から測定する必要がある。背面は、目視による平らであることを確認することが重要。
    • 裄丈の追加。
    • 裾周りは直線で測るのではなく、裾はカーブしているのでカーブに沿って測る。
    • アジャスターの付いたスリップで、総丈の測り方もアジャスターを閉じての測り方を提案。
    • ブラジャーのカップは、デザインやサイズによって多様な形状をしているため、メジャーをブラジャーのカップ下辺から70cmの点を通して計測する合理的な意味や根拠がない。70cmという具体的・特定の数値を設定しない。
    • その代り「メジャーを通す位置は適切に決定すること」という任意の場所を決めることが可能な記述に修正する。

     今後の予定だが、9月7~11日に日本で開催する総会で各国からのコメントを調整する。調整後CD(委員会原案)として投票に掛けるものと思う。
  • ■講演3「ISO/TC133 CD18890(WG4) WD5971(WG3)」
    「レッグウエア関連の進捗」

    ISO/TC133 国内審議委員会分科会委員 日本靴下協会 (株)ナイガイ 鈴木 孝氏

    第28回JATRA技術セミナーが開催されました ISO/TC133 国内審議委員会分科会委員 日本靴下協会 (株)ナイガイ 鈴木 孝氏
     鈴木氏は、CD18890は靴下業界にとっても影響が出て来る内容であり、これがISOになると大変であることから、「日本靴下協会として国内審議委員会に参加し、靴下業界に影響の無いように取り組んでいこうとしている」とこれまでの経緯を説明。次いで、WG4のCD18890とWG3のWD5971のうち、レッグウエア関連について話しを進めるとして、まず、配布資料レッグウエア関連の進捗でソックスの図を示し、提案内容を説明した。鈴木氏の説明概要は以下の通り。
    • CD18890
       ソックスの基点でー「S1、S4の踵側基点the lower end of the gore in the heelを通るbottom of the heelとしているが、goreが分岐しているなど複雑な形状のヒールの場合、基点を定めにくい。CD案だと踵が2つに分岐しているとエンドが2か所あって曖昧になる。日本はゴアラインを延長した踵のエンドのポイントを踵のポイントにしている。つまり日本のやり方は1か所。ゴアラインの形状が複数になった場合、CD案では決められないが日本案では決められる。それが日本の主張。また、踵ゴアラインで2つ折りして糸止などの装飾をしている場合S1、S4の計測は困難になる。5本指ソックス、シューズインソックスなど、両サイドを折り線として甲側と底側を合わせて畳む靴下の場合、CD案だと計測しにくくなっている。追加提案だと計測できるので修正している。
    • WD5971(WG3)
       鈴木氏は、パンティーホース(パンスト)の計測装置を示し、「非常に驚いた」提案で、「こんなものが通ったら大変なことになる」と思い、「委員会に参画する1つのきっかけになった」。当初は南アフリカよりパンストの測定方法として提案された。図の器具を使って伸び寸法を測るものだが、当初新規提案として取り上げられなかった。それをフランスが引き継ぎ、WG3 WD5971のサイズ表示として新規提案された。これについては現在検討中。
       提案内容の概要は以下の通り。

      • パンストのサイズ提案は(1)身長 (2)体重、または(1)身長 (2)ヒップで行う。
      • 適合サイズは、パッケージ、ラベル等に明白に識別可能にするべき。
      • 適合サイズは、販売する市場での身長と体重(またはヒップ)の分布グリッド表を基にした識別表から得ることができる。

       鈴木氏は以下、ISO・WD5971の適合サイズ表(フランスの身長とヒップ/体重分布表より)に基づいて身長(縦軸)と体重(横軸)、身長(縦軸)とヒップ(横軸)の識別表について説明した。
       各国の体型の分布図・分布表から各国の識別表を取り出して、それをパッケージあるいはラベルに表示するべきであるというプロセス標準を提案。それを日本の分布図に当てはめて表示するべきだというもののようだ。これについて日本靴下協会では、パッケージ、ラベルに識別するための表示スペースがあればいいが、コンパクトなパッケージもある。一様に表示するのはどうか。また、8559-2の中でパンティ-ストッキングについては、身長・ヒップ、身長・体重の範囲表示があり、それで十分であること。従って、5971は必要ないーと考えている。
       以上、今後とも日本靴下協会として積極的に参加していきたい。
 次回の第29回アパレル工業技術セミナーは、10月23日(金)、東京・両国の江戸東京博物館で行う予定です。
第28回 JATRA技術セミナー(アパレル工業技術・人材育成セミナー)のご案内
 日本アパレル工業技術研究会(JATRA)では、アパレル関連の基礎知識と応用技術、最新情報を中心とした第28回アパレル工業技術セミナーを、6月24日(水)に東京・両国の江戸東京博物館会議室で開催します。
 今回は最終の第3回として、ISO/TC133国内審議委員会委員で(株)ワコールの中川原正人氏よりWG3について講演があります。WG4についての講師は近く公表する予定です。
 参加のお申し込みは6月17日(水)まで、概要は下記の通りです。

日時:
2015年6月24日(水) 13:45~16:30(13:45 開場・受付)
会場:
江戸東京博物館会議室(東京都墨田区両国横網1-4-1)
テーマ及び講師:
  • <講演1>14:00~15:00
    「ISO/TC133 WG3の概況」
    WD8559-3 _Methodology of the elaboration of the body measurement tables and intervals
    ISO/TC133国内審議委員会分科会委員 (株)ワコール 中川原 正人氏
  • <講演2>15:15~16:15
    「ISO/TC133 WG4の概況」
    18890 Clothing_Standard_method_of_garment_measurement
    ISO/TC133国内審議委員会分科会委員 講師調整中
定員:
100名(先着順ですのでお早めにお申し込みください)
参加費:
会員無料、一般受講5,000円
お申し込み・お問い合わせ先:
日本アパレル工業技術研究会(担当/中山健司、柳澤)
http://www.jat-ra.com/seminar.html
<TEL>03-3591-8350 <E-MAIL> info@jat-ra.com
第27回JATRA技術セミナーが開催されました
第27回JATRA技術セミナーが開催されました
 日本アパレル工業技術研究会(JATRA)による第27回アパレル工業技術セミナー(アパレル工業技術・人材育成セミナー)が2015年3月6日(金)、東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開催されました。
 講演1はISO/TC133国内審議委員会委員の高部啓子氏より「ISO/TC133 WG1について」、講演2は同じく国内審議委員会委員で東レACS(株)の久保忠博氏より「ISO/TC133 WG2の概況」-アパレル3次元CADに関する国際標準化-について講演がありました。
  • ■講演1「ISO/TC133 WG1について」
    ISO/TC133国内審議委員会委員 高部 啓子氏

    第27回JATRA技術セミナーが開催されました ISO/TC133国内審議委員会委員 高部 啓子氏
     高部氏はISOやWTO/TBT協定との関連、ISOの組織、ISO規格の策定手順などについて説明した後、衣料サイズに関わるTC133およびWG1についての話を進められました。
    1. TC133について
      • 経緯
         TC133は1969年に設立され、1990年までに10個の国際規格を決めた後、休眠状態にありました。(以下、開発された10個の国際規格と、一つのTR(衣服のための標準サイズ設定システム)の概要を説明)。それが2010年に中国の呼びかけによって常熟(チャンシュー)で第6回総会が開かれTC133が再開されました。設立時の名称は日本語で"衣服のためのサイズシステムと表示"でしたが、2012年に、"衣料のサイズシステム-サイズ表示,サイズ測定法とデジタルフィッティング"に改定され、対象範囲が広がりました。2014年現在、TC133に積極的に参加できるPメンバーは22ヶ国、オブザーバーのOメンバーは23ヶ国となっています。Pメンバーは、まとめ役になるコンビーナやエキスパートという専門家をTCに送り込むことができます。またTC133の議長国はこれまで、南アフリカ1国でしたが、新たに中国が加わりました。常熟で中国が主張したのはISO8559の改定で、(1)ISO8559とISO3635は同じような内容なので一つに統合、(2)乳児の測定方法の検討、(3)項目の更なる増加、などです。
      • 南アの総会で新規4提案(WG1~WG4)とその後の経過
         2011年に南アフリカのプレトリアで第7回の総会が開かれ、(1)WG1:ISO8559の改定とISO3635の廃棄(コンビーナ:中国)、(2)WG2:Digital Fitting(コンビーナ:韓国)、(3)WG3:Measurement Indicators(コンビーナ:フランス)、(4)WG4:Garment Measurement(コンビーナ:南ア)の新規提案(NP)がありました。WG1は、 Body Measurement、つまり人体測定の方法についての新規提案であり、日本から4名のエキスパートを送り込んでいます。
         2012年に韓国・ソウルで第8回総会が開かれ、ISO8559とISO3536を統合してISO8559-1とすること、名称をSize Designation of Clothes Part1:Anthropometric definitions for body measurementに変更することを決めました。
         2013年にフランス・パリで第9回総会が開かれましたが、プレトリアでの第7回総会以降、WG1では中国がコンビーナの役割を果たさないほか、十分なドラフト案も提出されませんでした。フランス総会では、国際幹事(Secretary)のボロカ氏が代理でコンビーナを務め、各国から出てきたコメント等を再度書き直し、TC159/SC3(人間工学)から3次元の図を韓国から2次元の骨格図を提供してもらってドラフトを修正すること中国に指示しました。
      • コンビーナ交代とドラフト案の再提案
         2014年6月にイタリア・トレビソで第10回総会が開かれましたが、WG1では中国のコンビーナが欠席しました。WG3コンビーナのロラン氏が代理を務め、中国作成のCD(コミッティードラフト)について検討しましたが、コメントが多いこともあり議論が終わりませんでした。コンビーナは3年までというISOのルール変更があったため、コンビーナの交代が提案され、投票の結果、韓国の李氏がコンビーナに就任しました。日本とイギリスのコメントが多かったため、この国々を中心としてtask-team(タスクチーム)を編成し、ドラフトを再編することになりました。タスクチームは、日本で作成したISO8559-1のドラフト案(テキスト部分)をもとにWeb会議およびメール審議を経てDIS案を作成しました。2014年9月25日にDIS案をコンビーナからTC133事務局に提出しました。2015年2月3日にDIS投票が開始され、5月3日が投票締め切りとなっていります。
    2. ISO8559-1-DIS案
       ISO8559-1-DIS案は、前文、序文と、1 適用範囲、2 引用文書、3用語及び定義、4計測条件と機器、5基本的な身体寸法で構成されています。3.1として基準点(10点)と高さ(5レベル)、3.2として基準線(3線)、基準面(2面)を、また4.1として計測衣や姿勢などの計測条件を、4.2として計測に使用する機器を定めています。5では、(1)高さ項目、(2)周囲長、(3)体表長、(4)手と足の項目、(5)体重などのその他項目、(6)計算項目の6種類72項目を規定しています。(以下、資料に基づいてDIS案の概要を説明。掲載略)。
      • 基準点(10点)
         基準点は、(1)肩峰点:肩峰の外側縁で最も側方の点、(2)眉間点:正中矢正面で眉弓間の最も前方の点、(3)頸椎点:正中矢正面で第7頸椎棘突起の先端、(4)ネックショルダポイント(JISではサイドネックポイント):頸付根線と僧帽筋前縁との交点、(5)ショルダポイント:肩峰点と鎖骨外側端の最も高い点との中点、(6)ブレストポイント:ブラジャー装着時の最も前方の点、(7)胸骨中点:正中矢正面で第3及び第4胸骨分節の結合点、(8)膝蓋骨中点:大腿筋をリラックスさせた状態で、膝蓋骨の中央点、(9)腋窩中点:腋窩の前後の襞の中点、(10)手首点:尺骨頭のふくらみの最も突出した点の10点です。JISと定義の異なるショルダポイント、名称の異なるネックショルダポイント、JISに定義されていない(6)、(7)、(9)については今後JISを改定する時に配慮しなければなりません。
       高部氏は以降、基準の高さ(5レベル)、3つの基準点と2つの基準面、基本的な身体寸法について説明した後、今後について語りました。
    3. 今後
       先ほど述べましたように、ISO8559-1のDIS案が2月3日から5月3日までの3か月間投票のために各国に回覧されています。承認条件があり、投票したPメンバーの3分の2以上の賛成が必要です。また投票総数にはOメンバーも入ってくるため、反対数がその4分の1以下でなければなりません。承認された場合、それがそのままISになるか、さらにFDISを作成し検討することになるかは次の委員会で協議して決定されます。日本のISO/TC133国内審議委員会では、この案を検討して賛否を決めます。コメント付与の必要性を検討し、コメントが必要であれば、それを付けて投票します。DIS案がISになった場合、JIS L 0111を改定する時点でこのISに準拠する必要が出てきます。
  • ■講演2「ISO/TC133 WG2の概況」-アパレル3次元CADに関する国際標準化-
    ISO/TC133国内審議委員会委員 東レACS(株) 久保 忠博氏

    第27回JATRA技術セミナーが開催されました ISO/TC133国内審議委員会委員 東レACS(株) 久保 忠博氏
     久保氏は、韓国から提出されたWG2の提案内容と日本案である"アパレル3次元CADに関する国際標準化"についての現況と今後の展望などについての考えを示しました。
    • WG2について
       TC133において、韓国はWG2としてバーチャルヒューマンボディ(CD18825)、及びバーチャルヒューマンガーメント(CD18163)の規格を提案しました。WG2のコンビーナは、この提案を行ったiFashionの朴氏。韓国提案の目的は、Eコマースで、ネットで購入した際の返品率が高いため、低減したいということでした。しかし韓国からの提案内容は、バーチャルガーメントパターンとバーチャルボディの場所や部位の名前、種類などで、"用語の説明"のみにとどまっていました。韓国案の後、新しい提案がないままWG2は進み、その状況下で日本は、用語のみの案から次の展開(3次元CADの性能評価)を考え、"アパレル3次元CADに対する国際標準化"を経済産業省に提案し、承認され、ISO規格化へ向かうことになりました。
    • 日本案の作成・開示
       2014年6月9日から13日まで、イタリア・トレビソでISO/TC133の国際会議(第10回総会)がありました。WG2の会議では、韓国からの規格は当初の8案から2案に集約することが決定。WG2では、総会以降、その韓国によって2つに集約された提案をベースにWebミーティングを2回行いました。現在、修正案の投票が行われる段階に来ています。(日本から出した具体的な修正内容も説明した。)
       トレビソの総会では15分ほど時間をもらい、日本提案のプレゼンテーションを行いました。日本が今回の提案を行った背景として(1)3次元CADを推し進めるCADベンダーが日本には数社あった(2)パターン設計部門でアパレルCADの普及率が世界に比して高く、設計部門で比較的新しいIT技術で何かを創造してきたという地場があるーーなどが挙げられます。今回のプレゼンテーションにより日本案は、各国から理解してもらい実際の規格作成への賛同を得、議長国である南アフリカから今後進めていくよう指示がありました。
       この案を進めるため、現在までに2回韓国と話し合いをしてきました。1回目は、国際会議の前に日本提案の概要の承諾を得るため、2回目は国際会議の後、日本案を具体的に作成し、WG2コンビーナである韓国に意見を求めることが目的でした。今、韓国からの意見を元に修正を行いつつあります。この案を規格案としてコンビーナから関係各国への回覧、了承を得、ISO規格として次回の国際会議(9月日本で開催予定)に提案する予定で現在進めています。
    • 日本案の内容
       パフォーマンス エバリューション メソッド フォー デジタル・フィッィングシステム:日本案は、3次元CADにおける性能評価を目的とし、3つのパートに分かれています。パート1はバーチャルガーメントに対する性能評価。CADのバーチャル平面型紙からバーチャルガーメントを作成する段階で必要な性能(縫合情報付与、バーチャル縫製、バーチャルガーメント内での計測機能等)は何か。パート2では、リアルボディに関する性能評価。身体をスキャンしてバーチャルボディにする場合の性能やリアルボディと相違を確認できる性能を有するかどうか等の性能評価のために必要なものは何か。パート3では、パート1のガーメントのバーチャル化、パート2の人体のバーチャル化から、2つのバーチャルをあわせたフィッティング性能評価を提案することになります。現時点ではパート3の性能評価の提案内容は具体的に見えていないが、これからお話しする目的のためこの3つのステップで3次元CADの性能評価提案を行っていく予定です。
       ISO規格は、最初に誰と誰のためにあるのか(アグリーメント、同意の下)というポイントがとても重要になります。この日本提案では3次元CADを製造・開発している人と3次元CADを使う人(デザイナーやパタンナー)のためにあるということになります。この規格により購入する人(デザイナーやパタンナー)がどのシステムが自分にマッチしているかを快適に選べるようになるか、すなわち、ユーザーがシステムを選びやすいようにするための規格かどうかがとても重要になるわけです。
       また、ユーザにマッチした3次元CADによるデジタルフィッテイングを使えることで、Eコマース市場等における返品率を減らすための一因になると考えています。このEコマースまで話を広げると、誰と誰のためにという意味では、アパレルメーカーとコンシューマーのためにあるともいえます。(久保氏は以下、実際のソフトを使って各パートの提案イメージをデモンストレーションしました。略)
    • TC133の総会にのぞむ
       トレビソでは、以上の日本案を理解してもらいました。さらにイタリア総会の会期中に投票国の賛成、エキスパートの派遣を要請するため韓国や中国、フランス、イタリア、イギリスなどへのロビー活動をしてきました。その結果、議長国である南アフリカのボロカ氏より、「ベース案を作成し、グループで回し、意見をまとめて、全メンバーにまわすよう段取りをしてもらいたい」との指示がWG2コンビーナ朴氏および日本に対してありました。総会終了後、日本国内ではISO/TC133国内審議委員会でパート1を作成しました。それを韓国に持って行き話し合いをし、いくつかの要望があり現在修正段階になっています。修正点を具体的に言うと、バーチャルの項目だけではなくリアルの項目も追加したほうがよいということで、ボディや生地(KESの試験等)、実際のサンプルを作っての計測等を現在行っています。
       この日本案(パート1)の修正は、現在ISO/TC133国内審議委員会で進めており、それが完了した段階で韓国に一度送り、韓国から主要関係国に送って意見収集してもらい、それを基に修正を加えていく。日本で9月に開くTC133の総会までにできるだけ進めていきます。そのためにも賛同国の確保やエキスパートの派遣要請のためヨーロッパに赴き、再度ロビー活動が必要です。
       また、今はパート1を推し進めているが、来年にはパート2に取り掛かる必要があります。
    • 3次元技術について
       今、アパレルでも3次元技術が注目されていますが、最近一番のトピックは、3Dプリンターの出現です。衣服と直接関係ない部分もあるが、3次元に注目されることによって、アパレルでも今後、3次元利用について考える必要が出てきました。
       アパレルで3次元技術を活用するには、以下の4つのキーワードが重要と考えます。
      1. 購買に3次元(バーチャル)が介在する。
      2. マス(量産)とカスタマイズ(個人対応)を融合させる。
      3. サイズ標準は長さから平面、立体へ変化する。
      4. 3次元データを設計工程に利用し、衣服付加価値を創造できること。
       この4つの環境と価値の変化から、私は、衣服設計工程における品質向上&効率的施策でイノベーションが起こるかもしれないと思っています。
    • 今後
       日本にとってこの国際標準化がどのような強みになるかを考えました。まず、各国のビッグデータ(人体スキャンデータ)の入手が容易になります。この人体データと日本の高い衣服設計技術力で、日本にいながら各国の人にマッチしたアパレル商品を作ることが可能になる。これは大きなチャンスだと考えています。
       これからは、すべて衣服製造工程において、最新のテクノロジーを使って伝統的アナグロを追及し続ける姿勢が重要であると考えます。3次元を含めた日本のIT技術と衣服設計技術力で衣服を作り、もっと海外にアンテナを張ってアプローチしていく必要を感じています。現在、日本がISOに参画し、日本で色々な提案をすることで、もっと日本が認められるようになればいいなと思っています。
 次回の第28回アパレル工業技術セミナーは、2015年6月24日(水)、東京・両国の江戸東京博物館で行う予定です。
「ミシンと縫いの基礎セミナー」2015年12月分までお申込受付中です
 ご好評頂いているJUKI(株)主催、「ミシンと縫いの基礎セミナー」の2015年12月までの開催日程が決まりました。習得の段階別に「縫いの基礎コース(実技編)、(知識編)」「縫いの応用コース」の基礎3コースのほか、教育内容や日程・時間などをご自由にご相談いただける「カスタムコース」、他に「新人教育コース」もあり、商社、アパレルメーカー、学校、個人にも対応した教育を行っております。
 先着順のため、ご検討中の方は是非お早めにお申込みをお願い致します。

<開催概要>
日程:
  • 第50回縫いの基礎コース(知識編)2015年7月8日(水)残り1名
  • 第51回縫いの応用コース2015年8月5日(水)満員御礼
  • 第52回縫いの基礎コース(実技編)2015年9月9日(水)満員御礼
  • 第53回縫いの基礎コース(知識編)2015年10月7日(水)
  • 第54回縫いの基礎コース(知識編)2015年11月11日(水)残り1名
  • 第55回縫いの応用コース2015年12月9日(水)満員御礼
時間:
AM10:00~PM5:00 ソーイングセンター見学PM5:00~5:15
会場:
JUKI株式会社
2Fソーイングセンター【地図
定員:
各回5名
費用:
各回1名様15,000円(消費税抜き)
(テキスト及び昼食代を含みます)
お問合せ:
JUKI株式会社 縫製機器ユニット 営業技術グループ
MAIL:
wazaari@juki.co.jp
TEL:
042-357-2371
FAX:
042-357-2274
JUKIスマートソーイングシステム部(縫製研究所)主催セミナーのご案内
実践して学ぶ!!アパレル生産工場 現場改善セミナー
~人を育てるチームづくり~


JUKIスマートソーイングシステム部(縫製研究所)主催セミナーのご案内
 今日のアパレル業界は、中国での労働者不足による納期の遅れや賃金の高騰などにより、海外での生産現場の環境が大きく変わりつつあります。また最近では、日本への国内回帰も叫ばれはじめ、改めて日本でのもの作りが注目を浴びています。その中で、日本人がもつ「考える力」や、日本の強みである「チームワーク」を引き出すための「リーダー育成」など、日本だけでなく海外工場も含めた、もの作りを行うのに適する生産システムを検討していきます。また、現状分析手法を用いた問題点の見つけ方、改善手法を用いた最適な生産システムの提案、オペレーターの意欲を向上させるモチベーションマネージメントなど、事例や実習を多く取り入れ分かりやすく説明いたします。 
 さらに、当セミナーは合宿形式で行っているため、受講者同士の交流や講師スタッフを含んだコミュニケーションの場として大いに活用できるのが特徴です。他社の方々と情報交換ができる機会を大切にした、暖かい雰囲気のセミナーです。

JUKIスマートソーイングシステム部(縫製研究所)主催セミナーのご案内
講座名:
実践して学ぶ!!アパレル生産工場現場改善セミナー
~人を育てるチームづくり~
期日:
2015年7月14日(火)~7月17日(金) 3泊4日
場所:
JUKI株式会社 大田原工場 那須研修センター
定員:
22名 (定員になり次第、締め切らせていただきます)
参加料:
1名 70,000円(消費税抜き)
(テキスト及び資料・宿泊・食事含む)<<宿泊:個室完備>>
持参品:
ストップウォッチ、電卓、筆記用具、定規
お申し込み、お問い合わせ:
インターネット参加受付フォームはこちら
http://www.juki.co.jp/industrial_j/seminar_j/manage_j/form.html

セミナーの詳細、お問合せ先はこちら
http://www.juki.co.jp/industrial_j/seminar_j/manage_j/detail.html

お問い合わせ先:
JUKI(株)スマートソーイングシステム部 セミナー担当 杉浦、光成
TEL:
042-357-2370
FAX:
042-357-2380
第27回 JATRA技術セミナー(アパレル工業技術・人材育成セミナー)のご案内
 日本アパレル工業技術研究会(JATRA)では、アパレル関連の基礎知識と応用技術、最新情報を中心とした第27回アパレル工業技術セミナーを3月6日(金)に、今回は渋谷区千駄ヶ谷の東京体育館第二会議室にて開催します。
 今回はISO/TC133とJIS規格に関わるセミナーの第2回として、ISO/TC133国内審議委員会委員の高部啓子氏にISO/TC133のWG1について、同じく国内審議委員会委員で東レACS(株)の久保忠博氏よりWG2について講演があります。
 参加のお申し込みは2月27日(金)まで、概要は下記の通りです。

日時:
2015年3月6日(金) 13:45~16:45(13:45 開場・受付)
会場:
東京体育館第二会議室(東京都渋谷区千駄ヶ谷1-17-1)
テーマ及び講師:
  • <講演1>14:00~15:00
    「ISO/TC133 WG1の概況」
    (サブテーマ:8559-1 Part 1: Anthropometric definitions for body measurement)
    ISO/TC133国内審議委員会委員 高部 啓子氏
  • <講演2>15:15~16:15
    「ISO/TC133 WG2の概況」
    (サブテーマ:Performance evaluation protocol for digital fitting systems Part1 – Virtual garment)
    ISO/TC133国内審議委員会委員 東レACS(株) 久保 忠博氏
定員:
60名(先着順ですのでお早めにお申込みください)
参加費:
会員無料、一般受講5,000円
お申し込み・お問い合わせ先:
日本アパレル工業技術研究会(担当/中山健司、柳澤、中村)
http://www.jat-ra.com/seminar.html
<TEL>03-3591-8350 <E-MAIL> info@jat-ra.com
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