JUKI Magazine PageNavigation

生産現場に『JUKI』を探る Vol.19

董事長 荘 建國氏
董事長 荘 建國氏
アパレル生産現場第18回
南通日友時装有限公司

 中国の縫製企業は人手不足や生産コストが高騰する一方、値頃な価格で高い品質を求められ、これまでの生産の仕組みの見直しを迫られている。日本、欧米向け婦人服の加工輸出を専門にしている江蘇省南通市にある南通日友時装有限公司はこうした状況を乗り越えるため、いち早く自動化に取り組む方針を打ち出し、JUKIが発売を開始したばかりのエッジコントロールシーマー(エッジコン)「AE-200Aシリーズ」をもう一つのグループ工場とともに昨年12月にそれぞれ5台、合わせて一気に10台を導入し、品質の安定、効率化に結びつけている。新たな段階を迎えた中国の縫製現場を示すケースとして同公司を現地取材した。


日本、欧米向けに輸出加工

潘俊総経理
潘俊総経理
 上海から南通までは2008年春に開通した長江に掛かる蘇通大橋を車で渡って約1時間半。従来のフェリーで行くのに比べ大幅に短縮された。南通日友時装有限公司は市の中心部にも近い工場団地の中にある。
 南通は中国でも有数の繊維産地で早くから多くの日系縫製企業も進出した。荘建國董事長、潘俊総経理は1991年に操業を開始した日系縫製企業に開業時から勤め、荘董事長は管理部門、潘総経理は技術部門で経験を積んで独立、2002年10月に南通日友時装有限公司を創業した。スタートは6ラインの約200人だったが、2007年には2工場目の南通誠茂服装有限公司を設け、今では貿易部門の南通誠茂国際貿易有限公司(50人)の下に南通日友時装有限公司と南通誠茂服装有限公司の各15ライン・400人の2工場を持つグループになっている。
 「日友」の社名が示すとおり、同グループは日本向けの工場としてスタートしたが、2005年末からは欧米向けも取り組んできた。現在は日本向けが65%、欧米向けが35%の比率で、日本の取引先は商社を中心に28社、欧米はフランス、ドイツがメーンで15社と取引している。生産しているのは婦人服100%で、当初200万ドルだった売上高はほぼ毎年倍増ペースで伸長し、2009年は2,500百万ドルに達した。
 順調に成長してきた同グループだが、荘董事長は「市場の要望に合わせてアイテムやデザインに対応してきた」ことを理由に挙げる。事実、ショールームにはジャケット、コート、ダウンジャケット、ボトムまで幅広いアイテムが並ぶ。当初から南通という産地の強みを生かして生地や副資材などを調達し、中国から製品として販売する一般貿易の取引で、今は20人を擁するデザインルームも備え、デザイン、パターンの機能も充実させている。
 潘総経理は2カ月に一度は日本を訪れる。その時にはデザインルームのスタッフ4人と同行し、取引先と打ち合わせを行うとともに、土日は百貨店を回るなど情報収集を欠かさない。こうした姿勢が市場のニーズに合わせた生産体制を作り上げることにつながり、取引先から信頼を集める要因になっているようだ。


エッジコン5台を導入 -グループで一気に10台-
人手、熟練者不足をカバー


品質と生産効率のアップを目指してエッジコン「AE-200A」を導入
品質と生産効率のアップを目指してエッジコン「AE-200A」を導入

裁断場のすぐ横で稼働するエッジコン5台
裁断場のすぐ横で稼働するエッジコン5台

今年1月には自動サージングマシン「ASN-690」も導入
今年1月には自動サージングマシン「ASN-690」も導入
 中国の縫製企業を取り巻く状況がここに来て大きく変わってきた。「世界的に長引く消費不況で輸出加工に対してもこれまで以上の高い品質を要請される一方、コストダウンも求められる中で、労働力の確保や熟練オペレーターの採用が難しくなっている」と荘董事長は打ち明ける。そうした厳しい環境を打開する一つの方針として同グループは自動機への投資を決め、第一弾としてエッジコン「AE-200A」を導入した。
 もともと同グループは「良い縫製設備がないと良いものが作れない」(潘総経理)という考え方で、「最近の若い人は給料面だけで仕事を選ばない。出来るだけ安定して長く勤めてもらうには良い仕事環境を作ることが大事」(荘董事長)という面から最新の設備を取り入れてきた。荘董事長、潘総経理とJUKIは日系合弁企業時代からの付き合い。縫製現場でJUKI以外のミシンを探すのが難しいくらいの信頼関係があり、同グループの課題に対応するためJUKIがエッジコンの導入を提案した。
 エッジコンは1976年3月に発売、2003年3月の販売終了まで日本国内を中心に数千台を納入してきた。しかし、中国やアジアでも人手不足、賃金の高騰など労働環境の変化により、脱技能と品質・生産性を向上させるニーズが高まっているため、調整機能をデジタル化するとともに新技術を加え、"新生"エッジコンとして昨年10月から発売したもの。発売と同時に試用出荷の1台を使って効果を確認し、12月に2工場に各5台ずつ採用した。
 現在、南通日友時装のエッジコン5台は裁断場のすぐ横で稼働している。合わせ縫いの工程は裁断後にすべてエッジコンで処理し、縫製ラインに投入する。導入時にはJUKIの本社にある自動機チームや、代理店である南通重機縫纫設備有限公司の吴俊代表がバックアップし、配置個所の検討、調整方法の指導などを行った。今でも日本からJUKIのスタッフが訪れてアフターフォローし、同グループも全面的な信頼を置く。
 新型のエッジコンは多様化する素材やデザインに合わせ、縫製仕様の変更がパネルタッチの数値で正確、スピーディーに行える。潘総経理は「カーブの合わせ縫いは熟練者を必要としたが、自動機を導入したことにより経験の浅いオペレーターでも品質が安定し効率が上がった」、荘董事長は「エッジコン1台で約4.5人分働いているので2年間で元が取れる」と笑顔で話す。
 中国では内販市場が台頭しているが、荘董事長は「まだ8年目の若い企業だから内販に取り組むことは考えていない」とし、「今の日本、欧米向け商品の品質を向上させ、取引先からの信頼関係を更に高くしていきたい」と強調する。「そのためにJUKIさんには中国市場にマッチするように改良した自動機をもっと開発して欲しい」と要望していた。


JUKIから「この一台」

高能率と品質安定の追求へ

 縫製品質重視の商品は、特に縫製品のポイントとなる工程で安定した縫製品質の配慮が必要となります。
 これをベテランオペレーターの高い技能でカバーすることが出来ても、オペレーターが品質作りで手いっぱいになるようでは生産性の低下につながってしまいます。
 AE-200AはJUKI独自の新機能を多彩に搭載し、経験が浅いオペレーターでも高品質で高い生産性を獲ることが出来る自動機です。

〈AE-200ALA・合わせ縫い仕様〉

 紳士、婦人ジャケットなどの背中心や脇などの合わせ縫い工程では、異なるカーブの布端合わせと、縫い長さの違うノッチ合わせを同時に縫製する難易度の高い作業が必要となり、従来複数年経験のある熟練オペレーターでなければ出来ない工程でした。AE-200ALA・合わせ縫い仕様はこのような難工程でもJUKI独自の上下マニピュレーター装置、アクティブプレッシャー(*)の制御機能により、オペレーターは生地をセットするだけ、後はミシンが縫い終りまで止まることなく自動的に生地端とノッチが揃った合わせ縫いを可能とし、高品質で安定した合わせ縫いと高い生産性をお約束致します。
*アクティブプレッシャーとはマニピュレーターの圧力を上下別々に制御するJUKI独自の新機能です。
〈AE-200ALD・ピンタック仕様〉

 ブラウス、ドレスなどのピンタックはデザインの重要なポイントとなるため、その仕上がりの良し悪しで製品の品質が左右されるといっても過言ではありません。
 ピンタック工程は数本のタックを均等に連続してとる必要性から非常に手間のかかる工程とされていました。AE-200ALD・ピンタック仕様はJUKI独自の布端ガイド、下マニピュレーター制御による山立て機能を組み合わせ、簡単に均一で美しいピンタックを仕上げることができます。
 AE-200Aは近年ますます多様化する市場要求に対応するべく企画・開発されたJUKIこだわりの自動機です。是非皆様の縫製現場でご使用頂き生産性向上と品質向上に対しお役にたてることを期待しております。

【コメント】JUKI販売 営業推進室

JUKI Magazine PageNavigation