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服作り新時代 Vol.6

目線は世界の消費者
最終製品を意識しコラボ
株式会社エドウイン
専務取締役 小林道和氏
小林氏
 日本ジーンズメーカー協議会は、三月に開かれた第二回「東京発 日本ファッション・ウィーク」(JFW)に参加し、初のデニムジーンズのファッションショーを開催しました。日本のファッションの中で、今までジーンズは何となく別に置かれていた部分があったのですが、ファッションを語る時に欠かせないものである事は間違いなく、皆さんと同じ土俵に上がれたかなという気はします。デニムの素材は最終製品との違いがかなりあるため、デザイン、縫製、加工、最終製品の間に今までブランクがあった。これで間は少し詰まったかと。学生にも見てもらう中で、日本はこれほどジーンズを作っているんだ、という認識度はいくらか高まった。業界団体のイベントというよりはもう少し広げて、ジーンズをはいてくれる人のためにいろいろなことを考えていく必要があります。

 大事なことは、素材ありきではなく最終的な商品ありきです。最終的に買って頂くのは加工上がりの製品ですから、そこの満足度をどう高めるか。最終商品を皆で意識し、共通認識をもった上で企画開発を進める。我々も工場をオープンにして、来て頂き、いろいろな加工テストをする。強度の問題であったりとか、汚染の問題であったりとか安全、安心の問題も含めてきちんとチェックをする。唯一と言っていいと思いますが、工場の中でオープンに技術者同士が話せるような関係、コンビネーションが日本は取れています。

 一方、日本で作ったものの完成度の高さを見る消費者の目は、非常に高いです。日本のジーンズは、世界の人達に見せて納得してもらわないとだめな商品です。ヨーロッパやアメリカの人が見てもこのジーンズは違う。どうやって作ったのかを感じさせるような形でないとだめです。目線は国内の店だけではなく、世界の消費者に向けてアピールする。もっとデザイナーの方も含めてたくさん参画して頂きたい。

 実際、我々の商品が店頭に並んだ瞬間にサンプルとして中国、或いはアメリカの工場に行っています。工場に行くと我々の商品がずらっと並んでいて、結果として逆輸入してプレミアムという形で入ってくる。デザイナーの方もほとんど日本でサンプリングしています。素材面に関しても日本の評価は非常に高いし、変化に対応する流れに関しても日本は強い。

 企画の開発とか考え方をもってくるのは新しい人間ですが、これをどうハードに落とし込むのかは、技術者の役割です。若い人だけではモノ作りはできませんので、やはりハードな部分は一つひとつ技術の蓄積が重要です。ハードだけでもだめですし、ソフトだけでもものはできない。メーカーですから、ハードとソフトの部分をきちんと融合させていかないといけない。

 当社は東北に工場が十四あります。今後は日本のモノ作りの後継者作りが非常に重要になってきます。面白さとか楽しさなど夢がないと、後を継ぎたくなくなる。自分たちもアイデアを出し、それが評価されると、自信までいかなくとも、喜びに変わる。企業も環境を作ってあげれば、どんどん伸びるのではないか。

 工場にとってミシンが非常に重要なことは言うまでもありません。メンテナンスを含めた部分がきちんとできないと、機械はそれなりの動きはしてくれない。海外の一番の問題はメンテナンス。日本人が音を聞いて具合の悪さを感じられる感性は、他にはない。ミシンの音がちょっと違うとなれば、油はどうかとか日本人はまずチェックする。海外ではまずそういうことはないです。止まらない限り気にとめない。ものを作っているスタッフのレベルは、世界で一番高いと思います。日本は作らされているのではなく、作っている国。いいスタッフがいるにも限らず、生かせてないとすれば、そこが問題だと思います。

 JUKIさんには引き続き日本発の開発に期待します。海外メーカーが考えられない新しいものを開発する国は、日本しかないのかなと感じています。新しいものを開発して頂くと、こちらからもプラスアルファのアイデアが出せます。

  これからはジーンズの着こなし方のトータル的なコーディネートを考えていかないといけない。オンだけでなくオフに、背広を脱いでジーンズをはいた時に上は何を着るか。ジーンズに合うシャツは何か。それぞれのプロの方達が考えるものを、ひとつの共通テーマで考える。それが本当のコラボレーションです。今の商品を見て痛感するのは、着やすさから少しはずれてきている部分があることです。コストを意識して、コストと量に動いてきた結果、どういう形で最終的に着やすさを求めた商品にするかがあまり追求されてこなかった。外から見たら何となくきれいに見えるが、いわゆるハードのテクニックが伴っていない。パターンの部分が非常に重要ですし、技術の蓄積がある方達と手を組んで、日本のモノ作りのプロの人達の集団でものを作っていく。メード・イン・ジャパンを大げさに出すのではなく、着こなしが出来、着心地が良い商品を提案する。これが本当のマーケット・インです。継続的に提案をしていきたいと思います。
今後は日本のモノ作りの後継者作りが非常に重要
今後は日本のモノ作りの後継者作りが非常に重要
篠塚寿信
JUKI顧客満足宣言
基本性能を見直し
JUKI工業用ミシン事業部 開発本部長 篠塚寿信
 JUKIは工業用ミシンの基本性能をもう一度、基礎から見直しています。
  基本性能とは具体的には安定した「縫い品質」と「送りの品質」で、特に基本機種に力を入れています。
  新しいミシンについては日本や欧米などで高品質の商品などを作られているお客様の縫製現場で実際に使っていただき、評価を受けています。

  JUKIではPMT(プロダクトマメジメントチーム)という企画、設計、製造、営業部門からメンバーを集めた組織横断的なチームがあり、お客様の要望される機能、性能や品質の商品をいかに早く適切なコストで作り上げるかといった観点で新機種の開発を進めています。最近は設計担当者も市場の要求や動きを知るために縫製の現場に極力足を運ぶようにしています。
  5月にはドイツのケルンで国際繊維機器展(IMB)が開催されますが、JUKIの新しいミシンでその成果をご覧いただけると思います。

 お客様へメーカーからの情報提供も重要な業務です。インターネットが普及しているため、これまでの印刷物や営業担当の説明に加え、新しい情報を本社のホームページから直接発信できるようになりました。最近は動画(movie)を徐々にコンテンツに含めていますが、おかげさまでご好評をいただいています。

  最近は市場の変化が早いことから「今、欲しい品質や機能のミシンを今、対応して欲しい」と要望されます。エドウインさんは高級なプレミアムジーンズの分野でお客様に常に新しい提案を行っており、新たな素材やデザインが次々と現れてきます。
  先進的な日本の縫製現場で要求される工程や素材、デザインへの方向を知り、ミシンに対するご意見をいただくことは商品企画部として、またメーカーとして重要なことです。
  こういった、お客様のご期待に対して一貫した体制できめ細かく答え、今後はJUKIからも新たな提案ができるようにしていきたいと思います。
プロダクトマメジメントチーム
プロダクトマメジメントチーム

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