|
今後は商品、モノ作り、販売の仕方など、二極化はますます進んでくると思います。その中で先行的な商品、我々がやっている『ノーベスパジオ』、『ボディドレッシング』などのブランドはワンパターンで二百枚くらいしか作らず、追加も作らない。素材、縫製全てに気を遣い、はっきりと差別化した商品化をしている。ある程度工賃が高くとも国内の中でいいものを作り、きちんとしたルーティングでお願いする。中国で作る場合も、技術者を日本から派遣し、確実に工場をライン化しながら、我々の商品企画に合った商品を作ってもらう。
一方、スピードで展開し、そこそこの値段でそこそこの商品を作り、時代にあったファッション流れ、流行に応じて商品を作る。弊社でも中心的な存在になる『ナチュラルビューティベーシック』などは、ツーウイークマーチャンダイジングとして二週間で店頭を変えていく。企画・デザイナーであるとか、マーチャンダイジングを含めたディレクター的なものは弊社の中に持ち、こういう商品をこういうふうに展開しようと決め、その後の生地から生産、配送まで商社に任せる。この二つに完全に分けられる。
これに対応して、中の組織を変えていく必要がある。今うちは三十七ブランドがあり、五つくらいのブランドごとにカンパニーでくくっているが、来期からは生産を全てカンパニーに入れる。生産、企画、販売をカンパニーもしくは事業部の中に入れていこうと考えています。同じ生産でも緻密な生産をしなくてはいけないのと、ある程度量販的な生産というものとあり、販売も一枚一枚ていねいにセールスするのとお畳みでいいような販売方法と全部手法が違う。モノ作りも、商戦の在り方も全部変えていく。その上でビジネスが成り立つように考えないといけない。
生産地としては海外生産、特に中国生産が非常に増えています。アイテムではニットは九五%、丸関係のカットソーで七〇%くらい。織物は海外依存度はまだ四〇%くらいだが、さらに増えていくのではないか。これまでの『QRは日本で、備蓄は中国で』とは逆に、『じっくり作るのは国内、クイックで商社で作るのは中国』という感じになっています。
ただ、商社に任せる部分があっても、生地でも製品でも自分でやっていくという精神がないとだめです。自分のところの機能はしっかり持っておく。アパレルメーカーであるということを考えたときに、生地担当がいて生地のことがわかり、パターンから縫製は自分のところでポイントを押さえる。困ったことに今、縫えないデザイナーが多い。当然縫えないパタンナーもいる。こちらからパターンを送り、工場が改めてパターンを作り直している。素材によって当然パターンは違う。自分で作っていない、自分で携わっていない人間がパターンをやりデザインを起こす。生産のことがわかる人間が本当にやらないといいものができないということが言いたい。技術的なことは専門にやらないとできないので、パタンナーも事業部につくパタンナーと事業部横断的なテクニカルラボラトリーにいるパタンナーに分けている。テクニカルラボラトリーでは、技術、縫製、パターンの指導をして、流しの前にファーストサンプル、セカンドサンプルを作製する。
我々はSPAと言ってもメーカー。GAPをアメリカのSPAと言うのなら、日本的SPAはメーカーであるはず。小売りの機能をもったメーカーであると考えると、そのへんから発想を変えていかないと。ビジュアルマーチャンダイジング、いわゆる店頭が全てということになれば店頭に商品を供給するだけでいい。過程は関係ないとなったとき、そこのコストをどんどん下げていく。デザイナーも、パタンナーも要らない。商社にこういうものが売れているからこういうものを作ってくれと。本当の小売り屋さんならそれでいいと思うが、私たちは違う。ブランドビジネスは何かと言うと、ブランドに対する精神、ブランドの命みたいなものがある。一番大切なところを、外に任せるというのは絶対あり得ない。
日本のアパレルは、本当に日本発を作る気なのかが問われています。ルイ・ヴィトンなど海外ブランドはあるが、日本から海外に出ているブランドはない。生地は相当輸出されているが、アパレルは全然輸出されていない。ミラノやパリの展示会は国を挙げてやっている。日本発の展示会をやり直す必要がある。ジャパンクリエーションもJUKIさんなど機械関係も皆が一緒になってやっていかないと、日本発はできないと思う。輸出を考えながら日本のアパレルをどうするのか考える。ビジネスはビジネスとして、価値を生み出すノウハウの部分はきちんと残していく。自分達の使命は何かを考えないといけない。アパレルのブランドを育て、いいブランドを作っていく。そのためにいい商品を作っていく。ブランドを育てるということは、我々のビジネスの一番大切なことだと思います。
|