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服作りCOMMUNICATION Vol.10

取引先の至近距離でモノ作り
株式会社ヴィブ 代表取締役 上野 征興氏
上野征興氏
昭和二十五年の創業からずっと現在の江東区東陽でやってきました。私は二代目ですが、社長を引き継いでちょうど二十年なります。今、人員はパートや、昨年から受け入れを開始した中国人研修生(八人)を含め五十人、このほか千葉県佐倉市、船橋市、青森県などにある衛星工場が総勢約三十人で、合わせて八十人の体制。生産アイテムは婦人服のジャケット、コート、ワンピースなどです。
 
都内工場は、六十分以内にどこの取引先にも行けます。取引先から至近距離に生産現場があるのがメリット。例えば生地のトラブルがあっても、縫製仕様の検討にしても現物を持って即行け、即結果を持って帰れます。生地が遅れる、付属が揃わないということがよく起き、サンプル一枚縫うにも不揃いだったりします。その時に都内工場はフットワークでカバーできるんです。特に、今のようにクイック生産が要求される場合、納期は決まっていますから、生産期間を確保するために前段階でモタモタしないことが大切です。現物を送って返事を待っているだけで一日ずれ込んでしまう。

うちは都内の婦人服工場としてはわりと早くシステム化にも着手し、平成二(一九九〇)年にCAD/CAMを導入、その後スポンジングからの一貫体制を確立しました。取引先とフェイス・トゥ・フェイスで話して、結果をすぐにCADに入力できればCAMでカット、夕方には縫製段階にまで持ち込める。取引先の近場で、CAD/CAMを最大限に生かし、短サイクルに対応できるというのが強味です。都内工場の有利さをいつも感じるのは、トラブった時とかいろいろな事情で生産期間が短縮される時ですね。
 
最近、素材や縫製のレベルアップによる上質化を目指す動きが高まり、アパレルでも自分たちの作る服のイメージが分かってくれる工場を探しています。それもあまり大型工場ではなく、なるべく近くで感性の高い工場を。当社もデザイナーブランドから専門店対象のベターゾーンのモノ作りが基本です。しかし、こうした商品を、要求されているコストにいかに合わせていけるかが最大の課題になっています。そのために従来からのグループで一着丸縫いする生産形態を見直し、「半流れ」に取り組み出しています。裏地、袖、後ろ身頃などデザインポイントがあまり入っていないところは前工程で作ってしまい、襟や袖付けなどの組み立てはベテランを中心としたグループで仕上げるというやり方です。生産性の向上を狙って昨年から始めましたが、それなりに効果が上がってきました。


株式会社ヴィブ1
株式会社ヴィブ2
株式会社ヴィブ3

若手技能者養成が都内工場の使命

 我が社の特徴の一つとして、工場長はじめCAD担当、裁断、縫製責任者、プレスに男性社員が九人います。彼らがそれぞれの部署で柱となり、そこにサンプル縫いができ、若手を指導できる二十年、十五年の女性ベテラン社員がいて、そのもとで高校や専門学校から入社する若手が育ってくるという構成です。そういう面では現場を任せっきりでも心配ないんですが、一方で高コストという問題がついて回ります。その意味でも加工賃が低下してきた現状の中、やはり生産性を上げながらコスト対応していくことが重要になっています。

 もう一つ都内工場として大切なことは若手技能者の養成です。ここ十年を振り返ってみると、都内の工場でもちょっと定着率が悪くなったし、若手の養成にお金を掛ける余力がなくなってきたという状況があります。しかし、専門学校、高校の新卒者で縫製希望者は多く、本当に優秀な子を選べるようになってきました。中国人研修生を受け入れていますが、それも縫製現場の二割五分までです。うちでは今、十年選手が結構揃っていますが、一年生から叩き上げ、それに続く人材が豊富にいるという工場にならなくてはいけないわけです。

 確かに流れ生産方式にすれば効率が上がるかもしれませんが、丸縫いまで出来る人材が育ちません。時代遅れと言われるかもしれませんが、我々は一着丸縫いができる技能者を養成しようとしています。グループ生産で働いている子は五、六年すると一着丸縫いができる技能者に育ってきます。一年目から工程が全部目の前で見られるし、うちでは一年目のアイロンの子も二年生、三年生もグループみんなで毎日最終製品を全品検品しますから、品質に対する感度が最初から自然に養われます。五、六年目になると自分の感性を生かした服作りができるようになるわけです。工場は企業ですから利益を追求していくのは当たり前ですが、一方で五年を目途に一着丸縫いができる技能者を養成していくのが都内工場の使命と考えています。

   
JUKIからのメッセージ
JUKI販売株式会社営業統括部部長代理 武末 春樹

武末春樹

㈱ヴィブ様は創業から50年以上都内にて、都内でのメリットを最大限に活用し高級婦人服生産に努力されておられます。

中国には量では勝てませんが、“クイックとセンス(感性)”では、まだまだ日本は負けていません。

JUKI販売㈱は全国10ヶ所にCC(カスタマーズセンター)を配置。契約代理店様は約200店舗になります。またユーザーセールス部門としてSTJグループ(STJ=SewingTechnology From Japan)が17拠点。ユーザー様の企画部門・製造部門のご要望にきめ細かくお応えできる縫製機器専門商社です。

好評を博しておりますJUKIのダイレクトモータ電子ミシンシリーズ、ドライヘッドミシンシリーズ。厚物における特殊飾りステッチなど、ご相談・ご要望はお近くの窓口又は、JUKI販売㈱本社「技術相談室」へお問合せ下さい。

JUKIグループは、少しでもユーザー様のご期待にそえますよう、スタッフ一同、心をこめて取り組みます。今後とも宜しくお願い申し上げます。

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