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服作りCOMMUNICATION Vol.4

提案型の多機能型工場を目指し
 
いずみ繊維グループ 代表取締役 泉 富士子氏
泉富士子さん
当社の中国事業は、2000年11月から技術合作として始まった江蘇陽光集団グループの陽光住思麗(ジャスリン)服飾有限公司、同じく技術合作として2001年12月に開業した寧波洛茲(ローズ)集団有限公司、さらに2001年10月に独資として設立し、今年2月に開業した技光美創(上海)服装有限公司の3拠点で展開しています。

中国での生産については、今から4年ぐらい前までは全く考えていませんでした。しかし、長引く不況と低価格志向による加工賃ダウン、メーン工場が愛媛県の宇和島近くにあるという地方工場ゆえの過疎化、高齢化で、98年後半から99年初めにかけて、このままではダメだと真剣に思うようになり、99年末から2000年9月頃までいろいろ調査。その結果、最終的に中国のファッションの中心である上海を基点に立地を考えることになり、以前から技術指導の要請を受けていた江蘇省の陽光集団と取り組むことにしました。陽光集団は中国でも最大の紡績・織布メーカーで、相手が巨大すぎるのが欠点かと思いましたが、逆に大きくて逃げも隠れもできないので安心できる。もう一つは、原料背景を持っており、原料を中国製産の武器にできるという点。本縫いミシンはJUKI製にするなど当社が出した条件をすんなり認めてくれたこともあり、陽光集団が中国事業の第一着地点になりました。

上海を基点に考えたもう一つのポイントは、中国までわざわざ行って、今まで日本で苦労している加工賃だけの仕事だけではあまり意味がない。行く以上は、将来、単なる加工工場ではなく、もう少し展望を持った企業に生まれ変わることを考えたい。それには、上海の近くで関わりを持つのが一番だと思ったわけです。陽光集団に続いて寧波ローズ集団との合作に入りましたが、同じ婦人服でも陽光ジャスリンがエレガンス系なのに対して、ローズはカジュアルラインに重点を置いています。陽光ジャスリンは今年二度目の秋冬物で認知されてきたことと、まだ中高級品の分野で海外工場は少ないということもあって、受注面でも恵まれています。中高級ゾーンのフルアイテムをこなす能力を確立しつつあり、生産性も上がってきました。
ただ、日本では常識と思っていることが、中国では創ではないということがたくさんあります。例えば、袖は襟などの技術は、教えれば素晴らしい吸収力で覚えていきますし、出来上がった形もいい。しかし、よく見るとアイロンをかけていなかったり、糸切りが乱雑であったり細かいミスが出る。それと油汚れ。JUKIのドライヘッドミシンに期待していますが、技術以前の問題として、整理、整頓、清掃、清潔など5Sを徹底させる必要があります。5Sをベースにモノ作りのきめ細かい配慮を養っているのが現状です。


上海を基点に、中国事業を展開
 
飾総合服研究所
飾総合服研究所ラ・メルヴェイユ(愛媛県松山市)
上海の技光美創は、サンプルおよび小ロット生産を行う工場としてスタートしましたが、CADセンター機能を確立する計画です。これまで中国に工場ができて、日本から送り込まれる技術者によって指導しつつ、すべてが日本コントロールでした。そのコントロールの拠点をもっと近づけたいという重いです。もう一つは、単純な加工工場から脱却したい。パターンに関しては、中国生産は最初から中国で全て受けるようなパターンセンターを作る。これまで技光美創を含め中国のパターンは、すべて日本でグレーディングまでやり、データを電送していました。これだとコスト的にも非常に高くついています。もちろん感性の問題がありますから、パターンも根っこは日本です。一点サンプルまで中国でやるというのは早計だと思いますが、各色段階からは十分に対応できます。さらに技光美装は、工場機能だけでなく、中国の手工芸(ビーズ刺しゅう)、ファー・レザー、シルク・デニム、ウール系梳毛・紡毛織物の情報をきめ細かく収集し、アパレル、商社など取引先の要望に速やかに応えることが可能な提案型の多機能工場を目指します。将来は、中国という大きな市場をにらんだ事業にも着手する計画です。

いずみ繊維はこれまで、単なる縫製工場としてやって来ました。でも、それでは働く人たちにとっても魅力が足りない。新たに就職してくる人たちに将来性のある、夢のある会社にしたい。その意味からも多機能工場は是非、実現したいと思うのです。国内工場は、やむを得ず減少傾向になる覚悟はしていますが、今の規模をできるだけ維持したいと思っています。モノ作りの窓口として、パターン、サンプル、QR対応に欠かせない存在です。受注の窓口である東京、大阪を含めて、将来のあるべき姿を見つめて着実に前進したいと思っています。
JUKIからのメッセージ
 
JUKI株式会社工業用ミシン事業部 営業本部中国室 室長 宮下 尚武
宮下尚武

トータルにカスタマーサービス

現在、JUKIは中国国内に9拠点(北京、大連、青島、成都、武漢、上海、石獅、広州、東莞)、16サービス・ステーション(天津、常州、杭州、寧波、中山、厦門など16都市)を設置し、よりお客様に近いところで各種サービスを提供しております。

単にミシンのメカ的なメンテナンスに限らず、専門家による電装部分の修理、現地保全技術者への出張教育、また、ソフト面では新規プラント設計、生産性向上のための工場診断などの業務を二百人のスタッフが日々行っております。

各拠点には、日本人スタッフが常駐し、日本のお客様に言葉の不自由を感じさせないサービスを心掛けておりますのでお気軽に近くの拠点にコンタクトしてください。

また、今年6月に操業を開始しましたJUKI上海工業(敷地面積・10万平方メートル、年産予定台数・14万台)内には、今年5月に大阪で開催されたJIAM(国際アパレルマシンショー)2002に出品致しました最新機種を陳列した大型ショールームをご用意しています。ここではミシン修理技術を習得するための研修所も7月から開講し、毎回受講人員を大幅にオーバーするほど、大変好評を博しております。

更に中国の全国各地で生産管理セミナー、技術セミナー、アタッチメントセミナーを毎年開催してきました。このようにJUKIでは、中国においても安心してJUKIミシンをご使用頂けるよう日本と変わらぬサービスを心掛けております。

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