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服作りCOMMUNICATION Vol.2

工業パターン作成を会社の核に
 
関西服装 専務取締役 吉田 明正氏
吉田明正さん
当社は、紳士服からスタートした会社ですが、以来、会社の核になっている部分は工業パターンです。それまでは、職人さんの技術を見よう見まねで見習え、盗めという世界。例えば、一枚サンプルを作ったものを百枚来ようが千枚来ようが、取引先が要求する同じ品質のもの、同じ温度のものにいかに上げるかということ。それが工業パターンで、そういう訓練を紳士服の頃にし、パターンおよび工業パターンを非常に大事にする体質が自然と出来上がっていました。婦人服に替わった時も、工業パターン室がありました。

当社が次に考えたのは、現場に商品が流れていった時に、ハサミを入れない方法、要するに完全裁断です。それが品質の安定につながります。完全という言葉は接着芯が出だしてからで、毛芯の時は、職人技を工場のシステムに入れていました。高度成長で、作れば売れるという時代。品質の安定とともに、生産性を求められ、接着芯を使った完全裁断を確立しました。そうでないとミシン場でトラブルが起きる。縫製ラインに入る前のパーツの完全裁断と柄合わせでは、手間ひまをかけました。間接が非常に高かったが、結果的には、CAD、CAMという便利なものが出来てきて、これにスポーンとはまりました。

いま、パターンメーキングが出来る工場になりましょうと言われていますが、私はその前に工業パターンだと思っています。工業パターンのノウハウおよびシステムがどれだけ出来ているか。次の段階として、パターンメーキングという順序になるのではないか。

アパレルをやり出して成功するかどうかは、パタンナーが育つか育たないかということ。アパレルから来たパタンナーの説得材料としていちばん効果があったのは、服を縫う現場が横にあるということと、工業パターンはこう作るんだよということが彼女らに言えたこと。彼女たちはそれに魅力を感じて、アパレルの技術と工場の技術の融合という部分で、お互いがいい刺激になった。これが成功した基だと思っています。もう一つ思わぬ効果が出てきたのが、パターンナーの立場で工業パターンに修正を入れてくれたこと。感性の部分ですね。確かに工場だけの考え方だけだと、アパレルから細かいことを言われれば言われるほど工業パターンのノッチが増えてきたり、ルールがどんどん増えてくる。しかし、パタンナーから見ると、細かいルールにしていると感度のいい衣服は生まれないという。そこで要らないノッチは全部取り、これで工業パターンの生産性も上がった。

縫製でもパターンメーカーの方でも、工業パターンを理解できないと主要な部署で三年以上続きません。アパレルから中途採用で入ってくるパタンナーはまず三ヶ月でやめる。いずれにしても、関西服装は一つの独自の味付けが出来てきたのではないか。これが関西服装のカラーになり、服でいえば感性になり、着心地になるという気がしてきました。


設計・施工が出来るメーカー


当社が工業パターンから入り、次にパターンメーキング、デザイナーとの提携、ファクトリー・ブランドの展開へと進めてきたのは、工場を将来、どう残していくか、あるいは発展させていくか、ということを考えたからです。イタリアのファッションが注目され、エンポリオ・アルマーニの国産化の話をいただいた時、イタリアのアパレルビジネスの工業部分を一生懸命模索し始めました。でも、製品を納めるとちょっと違うと言われる。なぜ、違うのか最初は分からなかったが、要するにパターンが違ったのです。そこで、パターンを勉強しようと。もともと、工場をどう残していくか考えていた時でしたから、パターンメーキングに本腰を入れたのは自然の流れでした。設計も施工も出来ます、という形ですね。自分で設計できるようになると今度は、自分で作りたくなる。そうするとデザイナーに興味を持ちだして、デザイナーとのつきあいは始まる。そうなると、商の方に行く。実は、それをやると生き方が無限大に広がり、完全に下請けではなくなってメーカーになってくる。そうするといろんな切り口が出てくるんですね。

今の日本のアパレル業界を見た時、工場に欠けているのはパターン。設計、施工が出来るようにならない限り、イタリアは超えられません。

今後の課題については、パターンメーキング部門を含めた企画部門に力を入れていきたいが、そういう方向性を考えれば考えるほど、逆に生産現場の重要性が増してくる。実はそっちの方に気持ちが行っています。生産性、品質などをもっと新たに見直したい。JUKIさんの提案力に期待しています。
JUKIからのメッセージ
 
JUKI販売株式会社 第2営業統括部 次長兼大阪支店長 黒澤 勉
黒澤勉

すべての製造業はグローバル化し、人件費の安い中国などに移管され、日本国内における業種は企画部門・販売部門といった「川上・川下」の企業体が生き残れると言われています。しかしながら戦後、日本国内はメーカー・製造業・販売という三本柱で日本経済を支えてきたのは皆様方がご承知の通りです。そのためにもいま、国内の生き残れる製造業について考えなければならないと感じています。

近年、消費者の嗜好に変化が見受けられます。「デザイン・品質・性能が良ければ高くとも買う」という商品の差別化傾向です。そうした傾向はアパレル業界にもすでに現れており、国内生産加工にとってフォローの風と思われます。消費者が、どのようなデザインで・幾ら位の価格で・いつまでに購入したいか、をいち早く入手したメーカー・販売店が生き残れます。

JUKI販売株式会社は、1999年10月にJUKI株式会社国内営業部から国内販売会社として新たにスタートし、はや2年半を経過いたしました。国内製造を主力とし、一部海外との合弁でモノ作りをされておられる方々に、より近い立場でタイムリーな情報・アフターを出来る体制作りをしてまいりました。

JUKI販売株式会社は、ベテランの人材を全国に配置しています。皆様方からの開発商品の要望なども情報として頂き、この度のJIAM2002では世界初のドライヘッドのロックミシンMO-6110シリーズ(近日発売)を出展できました事を感謝致しております。

今後ともJUKI販売株式会社スタッフが、皆様方へ訪問いたしました際には、宜しく御願い申し上げます。

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