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服作りCOMMUNICATION Vol.1

全員が縫製を経験してモノ作り
 
辻洋装店 代表取締役 辻 庸介氏
辻庸介さん
国内の工場はどこも同じでしょうが、現状は非常に厳しい。工賃が30%ぐらいダウンしています。当社は十年前からコストダウンに取り組みました。全部は出来ていませんが、それに近いくらい、生産性でカバーしてきました。だから今、何とか生き残っています。

現在55名。年齢はかなり若く、縫製部門のアトリエの平均年齢が24歳くらい。本社が30歳です。 本社はアトリエから来た人が多く、ある程度経験を積んだ人で、全員縫製が出来る人です。

縫うことがわかる人が裁断し、縫うことがわかる人がパターンを作り、パターンがわかる人がCADを扱う。 また、CADをやっている人は裁断から来ているので、素材のこともわかる。イタリアなどでは、これが当たり前のことですが、日本ではなされていない。それをきちっとやっていかないといけないと思っています。

日本は分業の行き過ぎです。企業で一番大事なのは教育です。知らない人が仕事をするわけですから。教育は、ただ会社の利益になるだけでなく、この業界にとって、とても大事だと思うんです。親が子を教育するのは、親が楽しようと思ってやっているのではない。会社も同じで、教育は欠かせない。そういうシステムになってくると、今度は勉強したいという人が現れてきます。毎年14、15人は何らかな形で勉強している。勉強しながら、上のコースに行くために一回やめて、実務を一生懸命やる。 するとそこで壁にぶつかる。また、勉強しに行く。常に勉強しないといけない。また、上に行けば行くほど、大きな悩みと大きな壁にぶつかる。 それを乗り越えていかないと。下請けで、言われたことだけやれぱいいという時代ではなくて、仮に与えられたものでも、それをどう料理していくか研究していけば、それなりの成果がある。
    
例えば、パターンを勉強していないと、パターンは直せない。 縫製工場だからパターンは知らなくていいというのは論外。上質な服を作ろうと思えば思うほど、パターンを知らなくてはいけない。 もう一つ、感性を高めないといけない。これは縫っている人から裁断、仕上げまで全部の感性を高めないとだめです。 感性を高めるとはどういうことか。例えば、ファッションショーでも、テレビやビデオで見たりしているが、基本的にあれではだめと思っています。やはり生でないといけない。

その点、東京はいい場所。ファッションの最先端が街中うろうろしている。いい売り場、いい服を見る機会が多い。また、自分でもそれを着る機会も多い。このことがモノ作りと重なってくる。こんな時代ですから、いい人材はとれる。当社は全体では平均25、26歳ですが、若いので飲み込みも早いし、時代の移り変わり、流行へ対応する力は若い人の方が早い。例えば、ジャケットを縫える20年のベテランを揃えた工場があるとする。そこで固まった技術は、変わったら出来ないと思う。若いときからいろんなことを勉強した方がいいし、また、その方が楽しいと思う。若い人が入ってこれる環境でないと、この産業はだめになる。

当社は、クオリティーを落とさずにコストダウンしたいというのがねらいでしたので、当社流の機械化をしてきました。CADは五年半ぐらい前に入れましたが、今やCADなしでは考えられない。これから個人対応の服が出てくると思いますが、その場台も手作業でしたのでは、コスト的に合わない。やはりCADが必要。CADによる工業パターンの作成も当社なりのもの。当社の縫う技術に合わせた作り方をしています。テープで詰めるところ、クセをつけるところなど、それに合わせた工業用パターンにしています。CADを入れる前に、技術が確立していないと、それが生きてこない。今はゼロからCADでパターンを引くこともやっています。
      
JUKIさんのミシンでは、上下差動のファスナー付けのミシンはちょっと改良して、その後2台入れました。太糸の出来るパンドステッチは一昨年入れましたし、フトコロの広いDDL-9000は出てすぐ買わせていただいた。エッジコントロールシーマーは2台、サージングもフル稼働しています。

我々が作っている婦人服とヨーロッパの服を比べると、モノ作りでは決して負けていない。ただ、ヨーロッパの場合は、デザインと雰囲気とコストのバランスが取れている。そのへんのトータルバランスですね。日本でも同じパターン、素材、同じ機械で作っても工場によって上がりが違うのと同じです。そこに技術と情報と思いやりみたいなものが入っているからです。モノ作りには、ハードだけでもだめ、お金儲けのためだけでもだめ。もっと大事な部分が沢山あるということだと思います。
JUKIからのメッセージ
 
JUKI株式会社 工業用ミシン事業部 アパレル機器営業部 部長 高橋 純一
高橋純一

国際的な分業が進展する中で、日本のアパレル製造業は中国をはじめとした低賃金諸国と協力して進んで行くか、日本で独立独歩の道を歩むか、の2つに1つの選択をしてゆく時代となっています。

JUKIは、工業用ミシンの製造においてその拠点を中国と日本に置くことに決定し、既に歩みを進めています。
本紙面において、アパレルメーカーやアパレル製造業の皆様から今後の在り様を語って頂き、アパレル業界の進むべき道が明らかに出来れぱと考えています。

日本のアパレル製造業が中国で製造するという面では、JUKIも工業用ミシンの生産を通じ、自ら経験しておりますので、実情や苦労話等、気軽にこ相談頂ければお応えできる事もあります。

海外でのアパレル製造という面では、JUKIはシステム営業開発室にてCAD・CAMのサポートが可能、縫製場での生産性同上については縫製研究所、ミシンの保守・サービス関連では商品技術部が国内のみならず、各種こ相談によるサポートを行う体制が出来ております。

JIAM2002では、「FIND YUOR BEST SOLUTION」のコンセプトを掲げ、CAD、ミシンの展示のみならず、各種のこ相談に応じるカスタマーサポートコーナーも用意しておりますので、今後の海外進出も含めてお悩みのことが御座いましたら気軽にお立ちより下さい。

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